講演会に行ってきた。

タイトルは『炭は地球のいのちをも救う』

講師は宮下正次さんという方。

なんというおおげさなタイトル!そりゃ確かに、炭は今や燃料としてだけじゃなく、いろんな使われ方をしてる。(むしろ燃料として登場するのはバーベキューの時くらいだもんなあ・・・。)湿気をとったり、水や空気を浄化するっていうし、山口県で竹炭を焼いてる新野恵さんの研究では、放射能をも中和してしまうとも聞いたけど、それにしても・・・。

行く前は、こんな気持ちだった。

講師の宮下さんは、林野庁を辞めたあと、「森林(やま)の会」やら、「森びとプロジェクト委員会」やらといった組織で、とにかく森に炭を撒いて、枯れてしまった森を復元する活動をされている、とのこと。

今日聞いて、ショックだったことがふたつある。

一つ目は、日本のあちこちの森で起こってる、松枯れやナラ枯れの原因が虫によるものではなく、酸性雨によって土壌から溶け出したアルミニウムによるものだったということ。


わくわくぴょこんのブログ-酸性雨の図


pH7が中性なんだけど、今、降ってる雨はpH4ぐらいの酸性雨だそうだ。pH5.5以下になると、土の中のアルミニウムが溶け出して、根っこの細胞を傷つけ、木を枯らす。そんな弱った木を選んで、虫がつく。これまで考えられてたのと順番が逆なんだ。
かつての林野庁では、虫が原因としか考えられなかったから、一兆円ものお金をかけて、殺虫剤の空中散布や樹幹注入をしてきたけど、当然効果はゼロだった!それにしても高い勉強代(?)でしたね。それと、酸性雨のため、土壌微生物が生きにくくなったこともある。微生物が少なくなったら、土もやせていく。やっぱり、生き物はみんなつながってる。

もう一つのショックは、ぼくが知らなかった炭の効能の多いこと!
炭はpH8~9。だから、撒けば酸性土壌を中和する。弱った木の周りに撒いて、8ヵ月後には、虫穴から樹液が出て、一年後には青々と茂りだした木もある。全国のいろんな森で、宮下さんたちが実績を出してくださってる。
他には、マムシやハチの毒消しの最初の処置として使えるとのこと。日赤病院でも採用してるらしい。
それから炭も木酢液も、食べてよし。金や銀と同じ「レベル1」だそうだ。そういう安全レベルがあることさえ知らなかったけど、粉状にしてメイプルシロップで練ったものを食べさせてもらった。じゃりじゃり感があって、おいしいとは思わなかったけど、工夫次第では食べられると思う。要するに、体内の毒素を吸着して、便として出してくれるんだそうだ。

こんなふうに森を復元し、体内の毒素を出してくれるんですよ、炭は。

確かに地球も命も救ってます。

感心しきりの講演会でした。

ちなみに炭は、小さな規模なら、素人でもカンタンに焼けるそうです。

前に勤めてた学園で、シイやカシの木炭を子どもたちといっしょに焼いてたんだけど、重労働でなかなか大変だった。山からの切り出しも、原木を窯に並べるのも、窯もでかいし、そりゃそりゃ・・。最近は、あちこちの町で炭焼きクラブがおっちゃんたちの間で流行ってる。それも山にはびこる「困り者」の竹を原木にした竹炭。竹なら軽そうだし、いくらでもわけてもらえそうだし・・。

ちょっとおもしろそうだよなあ。楽しんでやれる炭焼き。そして、できた炭は地球のいのちをも救う

まずは、近所の炭焼き職人のとこに手伝いに行かせてもらおっかな。


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