原子力発電所で、原子炉一基作るのに、5000億円かかるという。

そのうちの3%は政治家にリベートとしてまわるのが常識となっていて

150億円が入り、その一部が地元の有力者に、そして推進の力になり

ます。   

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原発が家の近くに建って、喜ぶ人はいない(はず)。それでもターゲットと

なった村は、推進派・反対派と真っ二つにわかれ、しまいには推進派に押し

切られ、55基の原子炉を作ってしまった。

(地元の有力者ってどんな人?)って思ってたら、意外と身近なとこにいま

したよ。(有力者のちょっと下かな?)いっしょに古民家解体の仕事をして

る70歳のA作さん。A作さんは、土建屋で40年、重機に乗るかたわらで、

大きく田んぼもやってる兼業農家。戦後の高度経済成長を担ってきたことを

自他ともに認めており、ぼくもこの世代のおとっつぁんたちの話を聞くのは

楽しくて好きだ。とにかく活気があって、勢いづいてたそうだね。


 この間、浜岡原発の話になったときのこと。

「今度防波堤を12mにする方向で考えとるらしいですねえ。東北のやつよ

り1mあげるって!史上初っていうのが実際に起こっちゃうんだから、

こわいよねえ。もうみんながうちみたいに15Aでちょろちょろ使うよう

になったら、そんなに発電所もいらんだろうに・・」とぼく。

するとA作さんのこたえはこうだった。

「わしも前に浜岡原発は農業委員の時みてきたけど、海がすぐそこの崖っぷ

ちに建っとるでなあ。周りはなーんもないとこだった。わしなら20mぐら

い高い台を作ってそこに原子炉を立てるけどなあ。」


ほほう。農業委員の方たちは、浜岡原発の視察ツアーに連れてってもらった

んですな。


聞いてると、海の向こうの碧南火力発電所を指差して、

「あそこも見に行ったけど、どえらい高いぞ、あの建物は。50mはあったな

あ。登らせてもらったけど、おそがかったわ(こわかった)。」


ううむ。農業委員はあちこちの発電所ツアーに連れてってもらい、いつのまに

か、電力会社が他人じゃないような気になってしまうものらしい。


(20m高いところに原子炉をあげれば・・)という発想。これは自然を相手に

人類の叡智で挑んできた彼ならではの発想だと思う。海を埋め立てて工場や産業

道路を作り、何メートルも穴掘って、地下にケーブルをひっぱったり、地中から

ふきだす水をおさえ、時には沼状になった海岸にブルドーザーをはめて、やむ得

ず埋めてしまったこともあったという。


これまでやってきてくれた、おとっつぁんたちのはたらきには感謝してますが、

もうそろそろいいかな。特に原子力に関しては。人間の手に負えないもんだか

らなあ。それに失敗が許されないんだよ。あ、ダメだった。って放射能がだだ

漏れになってからじゃ遅い。そもそも、はじめから放射能は24時間煙突の先

からちょろちょろ出してるそうだし。


ところがそのA作さんが、福島の野菜から放射能が検出されたニュースを聞いて

から変わったよ。同じ農家として許せないんだろうね。


「人間は悪魔みたいなもん作っちゃったなあ。」



人は変わるんだ。

今の日本人の総意が今の政権をはじめ、すべての現状をつくってる。

福島では大変な事態になってしまったけど、ひとりひとりが「こんなおそげーもん

(こわいもの)いらんわ!」って声に出せば、日本だけでなく地球上から原発がな

くなるね。



今も福島原発で命がけの作業してくださってる方、本当にありがとうございます。