その朝、ヘンリーは、

いつものように目覚め、

いつものようにお水をもらって、

いつものように

皆でお散歩に行きました。

ただひとつ、違っていたのは、

ヘンリーだけ

朝食抜きにされた事なのでした。

 

そうです。

今日は目の中にできたアイツと

お別れする日、

手術の日なのです。

 

昨日の晩にヴィーナスが食べる部屋に

こっそりとヴィーナスの分だけ

朝食を持っていって、

今朝もこっそりヴィーナスだけ

その部屋に入れて、

ヴィーナスだけ朝食をとりました。

それだけ気をつけてやったのに、

「なんでオレにはくれへんねん」

と怒りをぶちまけるヘンリー君。

 

まあね、

お怒りはごもっとも。

その後も彼はわたしに

くってかかって訴え続けました。

わたしが朝食をとる間も

ずっとそばにかじりついて

ロックオンしたまんま。

いくら催促のお手をしてもだめ。

かんにんして~~~~~~~~~~~~~~!

 

しかしわんこには

あきらめるという知恵があります。

つうか、

すねた?

しばらくするとだまってずっと

どこかをにらみつけています。

いつもは先にヘンリーくんがいる

ソファの上で、

あ~食った食ったのヴィーナスは

ルンルンで高みの食休み。

その横で、ヘンリーは

亡霊のように立ち尽くすのみ‥。

 

こんな哀れな朝をむかえたヘンリー君は、

魂をどこかに旅立たせたまま、

馬車にゆられて、

じゃなかった車に乗っけられて

病院へ。

 

 

病院では同意書を書かされました。

麻酔がいちばん難しいのであって、

そのへんの説明も受けました。

 

それと毛刈り。

目の周り、上の方も大きく、

 

 

刈る!

 

 

 

 

 

んですって!

 

なんてこと!

 

命の次に大事なのが、

ヘンリー君の美貌!

この美顔は見納めかも!

 

まあすぐはえてくるよね。

ワンコって。

 

とかいろいろあって、

ついにヘンリー君は

日帰り手術のため、

病院に置き去りにされたのでした。

 

赤い瘤とは「今日でおさばらさ!

(by 担当医)」

 

続く~。

続きはいつになるやら。

あまりの毛刈りに

ショックで寝込むかも。

あたし。

 

 

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