給料を全額、妻に送り続けた男性の末路
熟年離婚裁判の回想録:
第八章 第5節:今の心境
現在の心境は、
ひとことで言うと、心地良く、マイペースで、心穏やかな心境です。
満足しています。
①私の心は傷つき、多くを失ったが、私は誰も傷つけなかった。
相手さんたち(妻、義母)は、人を傷つけ、自分たちは望みどおりの家に住む幸せをてにいれました。人の犠牲の上に成り立った城郭です。
そういうのって、いつか滅びるんじゃありません? ろくな終り方はしないでしょうねえ。
私は、「結婚した妻が望むとおりのモノを与え、妻を幸せにした、愚直で働き者の夫」という結果になりましたね。
これって、自分を誇りにしていいんじゃないかな?
最高にいい夫だったよね。 単身赴任で働きながら、全額を女房に送金する夫。 こんないい夫居る?
自己犠牲で人を豊かにしてきたのですから。
妻と義母の二人は、現在、一戸建て2軒に住んで、物質的に豊かに生きています。
どこからか更におカネを引っ張ってきて、更に立派な家を建てて、俗人的満足を得て楽しそうに暮らしております。
私のように利用されている人が、他にもいるってことです。
そうやって人のカネを自分に引っ張る能力は、天才的な人達なんです。
自分では仕事もない義母が、どうやって新しい一戸建ての家を手に入れられると思います?
でもね、やれるんですよ、この人は。 化けもんです。(息子がそう呼んでおります。)
この二人組は、以前も、人をたらし込んで、うまく利用して、お金を吸い上げてました。
少しアルツハイマー傾向が見られる親戚の叔父さんが居ました。
とてもお人よしな人でした。
そのおじさんを、うまくたらしこんで、その人の退職金で、大分の山奥にある義母名義だった別荘を買わせて、そこに住まわせました。
義母はおカネを手にしますし、別荘も使えます。
おじさんには、「自然の多い環境の別荘で暮らせるから、いい老後でしょう?」って言ってね。
これって、義母の別荘の住込み管理人として使われてるだけじゃないですか。
しかもね、その別荘地は、冬は雪深い山ですよ。
買い物も車で出かけねばならないところ。 道路はアイスバーンになります。
そんなところに、ボケかけたおじさんが一人で住む。
かくして、その方は、退職金のほとんどを、この義母に吸い上げられて、
あとは、義母の言うがままにしないと生きて行けなくなりました。
義母は、別荘を売ったお金を自分のものにして、福岡市内で元妻と二人で優雅に暮らしたのです。
そして、雪が積もる冬のある日、
そのおじさんは、別荘のお風呂で ひとりで死にました。 お風呂に浮いていたのです。 ナンマイダブツ、、です。(合掌)
「あー、おれも退職金貰ったら、こいつらに取り上げられて、そのあとは、こうなるんだろうなあ」と、恐ろしくなりましたよ。
私は、そんな二人との関係を断てて、よかったです。 でしょう? どう思います?
あのまま夫婦関係を続けてたら、どんな老後になっていたでしょうか。
②『盗人に、布団取られて、窓の月』(良寛)
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詩の意味:
赤貧生活の良寛さんが、庵で寝ていると、泥棒が入ってきて、良寛の布団をはぎ取ろうとした。
すると、良寛は寝たふりをして寝返りを打ち、泥棒が布団を獲りやすいようにしてやった。
泥棒が居なくなった後、部屋にはもう何もない。もともと何もない庵だったから。
ふと窓を見ると、月がでている。
その月を眺めていると清々とした清らかな気持ちになる。
このようなぜいたくな景色は他にあるまい。
この景色、新風景は誰も奪うことができない。
そんなすばらしい心境を楽しめる心の豊かさこそ、至極の幸せである。
布団を取っていった盗人は、その布団で幸せを得たのだろう。
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和解判決の日、にこやかに笑いながら裁判所を出て行った妻。
少しばかり財産を多めに手にしたことで、幸せに感じていたことであろう。
妻は幸せだったのだ。
つまり、言い換えるなら、
私は、私が出来ることを全てしてあげて、「結婚した妻を幸せにした愚直で働き者の夫」であったわけだ。
だれにも後ろ指を指されることはないだろう。
まっすぐに、正直流に愚直に働き、稼いだ全てを妻に捧げた男。 そして子どもたち家族には良い生活をさせた。
そんな自分を誇りに思っていいですよね?
そして、
この清々とした気持ちこそ、私の大切な財産。 (これこそが、「窓の月」である。)
自分の生き方を誇りに思いながら死ねることがありがたい。
恥じることが無いのだから。
多くの悔いがある人生だが、そう考えると、「我が人生に悔いなし」とも言えそうである。
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給料を全額、妻に送り続けた男性の末路
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熟年離婚裁判の回想録:
あの日、あの時:(苦悩からの解放までの道のり)
1章~8章URL一覧
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