むかしむかし、だるま様が修行しているところへ、一人の弟子がやってきました。
その弟子は、不安にさいなまれて、夜も寝れず、悩んでいました。
『 達磨大師さま、
私の心は不安だらけです。
この不安を取り除いてください』と言いました。
どのとき、達磨大師は、こう言いました。
『 わかった。承知した。
では、その不安な心を、ここに出してみよ。』
弟子は、こまってしまいました。
しばらく思案しているうちに、
あ!と悟ったそうです。
さあ、あなたは何を悟りましたか?
不安とは、ほんらいこの宇宙にはない。
この脳の想像の中にのみある。
存在しているが、存在しないもの。
無いものに対して、勝手に想像して、かってに不安がっている。
色即是空、空即是色の意味するところでしょうか。
同じような逸話が、一休さんにもあります。
不安でどうしていいか分からなくなった弟子に、一休さんは、こう言いました。
『大丈夫、なんとかなる。』
え・それだけ?
はい、それだけです。
キリスト教の聖書では、明日を心配する人に、イエス様がこう言いました。
『空を飛ぶ鳥を見よ。鳥はあすの食事や寝床を心配していない。それでもちゃんと生きているよ。 だから、思い煩うな』と。
とね。
だるまさんは、こう教えます。
『大切なことは、文や言葉では教えられない。本を読んでも、その本当の心は分からない。
自分で考えなさい。そして自ら悟るしかありません。』
(この教えを「不立文字」といいます。)
悟られましたかな?
この話が、あなたの役に立ったらうれしいです。
ハリー爺ちゃんより。
^