今日はりんごの鉛筆デッサンです。
ごく初心者さん用です。
時間も短いです。
(二時間以下)
デッサンで、よく、
「輪かくを描かないで」といわれます。
正確にいうと、「輪かく線を描かないで」
ということです。
輪かくはいいけど、
線で描くとだめということ。
最初は描いていいのですが、
最終的には残さない、
という意味に思ってください。
なぜ輪かく線がダメなのか?
輪かく線には横幅の面積があります。
拡大するとこうです。
現実の世界にそんなものはありません。
ただの絵(主観重視の芸術作品)とはちがって、
物の見方を学ぶデッサンには無用です。
じゃあどうするの?
輪かくとは、
面と面の境目です。
だから、線で描かずに
面と面を突き合わせばいいのです。
鉛筆でそれを実現する
具体的な方法を、
ご紹介します。
たとえば鉛筆で丸を描いて、
それを塗りつぶします。
その時、丸い輪郭をはみ出して塗ってください。
塗りつぶしたら、
練消しゴムで、輪かく線を含むはみ出した部分を
消してください。
すると、1のように、
「輪かく線のない」丸ができます。
2は、「輪かく線のある」丸、です。
このりんごには、まだ上の方に輪かく線が残っていますね。
こういう時は、
線だけを消すのは難しいので、
多めに消して、
もう一度はみ出して塗ります。
そのはみ出した部分を、
ねり消しゴムで消します。
すると、輪かく線のない輪かくができて、
写実度がアップします↓。
もうひとつ、ご紹介します。
ゴムは使わない方法です。
この絵には輪かく線がありますね↓。
この輪かく線を消すには、
輪かく線と同じ濃さで、どちらかの面を
塗りつぶせばいいのです。
これは中側を塗った方法。
これは外側。
たとえば、丸い果物を描く時。
この輪かく線は描いている内に消えます。
どちらかに、
輪かく線以上に濃い部分があるからです。
↓こんなふうに。
ちなみにこの場合、
下の絵のA線あたりを境に、
トーンが反転します。
下の方は、影の方が濃いですが、
上に行くにつれ、果物の方が濃くなります。
りんごの下もそうなってますね。
球体の影はたいていこうなります。
一度でできなくても
気にしないでください。
何度もやりなおし、気になるところを
直していってください。
こんなふうに、
描いては消し、消しては描きをくりかえし、
無限に修正していくのがデッサンです。
だから、先生に、せっかく途中まで描いたものを、
さっと消されることはよくあります。
初めての時は、そんなことをされたら、
わたしってだめなんだって、
落ち込みますよね。
でも、それはプロでもよくある
当たり前のことなのです。
そういうものだということも、
わかって下さいね。