上京して5日目。
太陽が昇るとむわ〜っと暑い鎌倉。
新旧の出会いや再会が続き、もっと長くこっちにいるような感じがします。まだ5日目だなんて。
秋から冬の滞在なので、と革靴で上京したら、道産子にとってはまだ夏真っ盛りの横浜・鎌倉。ビーサン買わなくちゃ!な気候です。
難ありで売り物にならないので良ければどうぞ、と頂いたビーサン。でも、半日で靴底と足裏面が剥がれてしまい、鼻緒がすっぽ抜けて歩けなくなり、道端で困っていると、ガムテープで応急処置をして下さって(この幸運の経緯はまだ後日)。
翌日、由比ヶ浜で葦舟作りワークショップを開催していた海族 石川仁ちゃんの顔見に行きがてら、ビーサンも探しつつ鎌倉から長谷方面へそぞろ歩き。
こんな可愛いお花が雑草のように並んでいます。
混み合うお店で、お野菜たっぷりのランチをオーダーして待ち時間に仁ちゃんの顔を見に浜へ下りました。
10年以上前、伊豆大島で出会った仁ちゃん。当時、黒潮に乗り高知から伊豆諸島へこれよりも大きな葦舟でやってきた彼ら。
ハワイ島の帰り、高知で葦舟作りを手伝っていたという知人から葦舟の実験後悔の事を聞かされ、ハワイで師事したフラの師匠と共に三原山へフラを奉納するため伊豆大島に渡った私。
大島の港に係留された、実験後悔で無事伊豆諸島にやってきたその葦舟に何泊か泊めてもらったんです。(あの時もハワイや大島で色んな事がありました。長くなるのでまた別の機会に。)
穏やかな港でたゆたう葦舟での夜は、子宮の中はきっとこうなのだろう、という安らぎを与えてくれました。
久しぶりの仁ちゃん。
由比ヶ浜の葦舟。
この形。
いつも藁納豆を思い浮かべてしまいます。
これで航海ができるんですから、驚きです。
ペットボトルに砂詰めた即席ハンマーなども使いながら、束をキュッと締めでいました。シンプル。
血が反応します。
物理的に何もできやしないのに 笑。
帰り道は、大好きな長谷寺でカナロアにご挨拶。ここの御池には写真だと黄金に写る鯉がいます。
古そうな、頑丈そうな作りの大きなミシンも見えます。
頂きものの難ありビーサンが、半日でダメになって。ガムテープで応急処置してあると告げると、「普通はお預かりしてやるんどけど」と言いながら即サンダルを見て下さる年配の職人さん。
「この作りは酷いねぇ。こりゃ剥がれるわ」
なんて言いながら、ボンドらしきものを塗り始めます。
昔と違って、物の作りが粗末になり、中間業者はピンハネするだけで値段値のちゃんとした物が無くなった、と仰る。
私も、使い捨てはなるべくしたくないし、大量生産・大量消費は避けたい、なんていう話題で意気投合。
壊れていなかった側のサンダルも、よく見ると既に剥がれるかけていて、結局両足共に貼り直して下さいます。
その間、鎌倉の昨今や、お互いの親世代が体験した戦争時代の事、そのお店は先代が戦争で財産を失って始めたお商売で、その前は酒屋だったなど、話題は膨らんでいきました。
すっかり接着し直して下さり、お代がお幾らか訪ねると「ちゃんとした修理じゃないから、いらないよ」と。
本来は、接着してから24時間抑えておかないといけないんだそうで、貼ってすぐ引き渡しするので「またすぐ剥がれるかもしれないから、その言い訳だよ」と笑っていらっしゃいます。
楽しい会話に、懐深い対応。
ありがたくお気持ち頂戴しました。
戦争中、お父様が小樽で地元の人に良くしてもらったと話されていたそうなので、手帳に挟んでいたアイヌの酋長列伝絵葉書からお好きなのを1枚選んで頂きました。
北海道所縁のものだと喜んで下さって嬉しかったです。
昨日も、今日も、直して頂いたビーサン、快適に履いています。靴で困りごとができたら、ここのご主人にお願いしようと思います。
鎌倉暮らし、素敵な人に沢山出会っています♡
そんな鎌倉で、今月末、朗読会いたします。 いらしてください^_^