子どもがえり、という形での防衛

何かストレスがかかったり、疲れがたまったり、緊張することが続いたり、すると人の心は防衛反応が起こります。


一般的に心的防衛はこのように定義されています。


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心の防衛機制(防衛メカニズム)は、人々がストレスや不快な感情、脅威から自己を守るために無意識に使用する心理的な戦略です。これらのメカニズムは、アンナ・フロイトによって広く研究され、彼女の父親であるジークムント・フロイトの理論を基にしています。以下はいくつかの一般的な防衛メカニズムの例です。

抑圧(抑制): 痛みを引き起こす記憶や感情を意識から遠ざける。
否認: 不快な現実を認めないこと。
投影: 自分の感情や欲望を他人に帰する。
分裂: 良い部分と悪い部分に自己や他者を分ける。
反動形成: 抑えられた感情の逆の行動をとる。
合理化: 誤った行動や感情を合理的に説明しようとする。
知的化: 感情を抑え、問題を論理的または知的な視点から考察する。
昇華: 受け入れられない衝動を社会的に受け入れられる形で表現する。
退行: 発達の以前の段階へ戻る。
同一化: 自己のアイデンティティを確立するために他者やグループと自己を同一視する。

これらの防衛メカニズムは無意識に起こり、しばしば人々が自分自身を守るために使用します。しかし、これらが過度に使用されたり不適切な方法で使用されたりすると、心の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。適切な対処方法やサポートを得ることで、これらの防衛メカニズムに頼らずにストレスや不快な感情に対処することが可能です。
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といった感じで、精神分析の世界で使われるようなった言葉です。

この中に退行という言葉がでてきますが、これが「子どもがえり」に相当します。

赤ちゃんがえり、とかでもいいかもしれません。

大人でも、子どもでも、子どもがえりは起こります。皆さんも、ストレスがあまりにもかかると、子どもっぽくなっている自分に気が付くことないでしょうか。
母親に対して行っていたように、ぐずったり、かんしゃくを起こしたり、ひっくり返ったり、泣きわめいたり、なんでもいいんですが、当てはまることあると思います。

ですが、すべての人が、ストレスに対するディフェンスとして、こどもがえりを発動できるわけではありません。

これが発動するのは一つ条件があります。

それは、

子ども時代にいい思い出があること、つまり、ちゃんと両親、ないしは養育者に愛されて育っている、ことです。
いい時代がなければ、その時代に戻りたい、とは思わないからです。

だから、ディフェンスで子どもがえりしている人をみると、ちゃんと育ててもらったんだな、と思います。

ストレスがかかった時の、ディフェンスの仕方は、結構人それぞれ型がありますから、自身が何でディフェンスしているか知っていると、いざという時冷静になれますから、ぜひチェックしてみてください。

医療法人永朋会 理事長
加藤晃司


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和光医院 


児童精神科・精神科・心療内科 


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