先日とても悲しいニュースを見かけました。


モンタナ州、ボーズマン在住の

Donna Venturaさん(64)。

昨年4月なかば、だんなさま & 息子さんと

一緒に、地元で人気のお寿司屋さん・

Dave’s Sushi で家族水入らずランチを

楽しみました。

ウェブサイトより


その日のスペシャル・サーモン&キノコ巻き

召し上がったフーディのダナさんでしたが、

食後すぐに気分を悪くされ、病院に

搬送されました。

その後2週間 ICUに入院、医師たちの

懸命な治療を受けましたが残念ながら

29日、お亡くなりになりました。



みなさまお察しの通り、原因は食中毒でした。

そう、ランチの巻き寿司たった1本

引き起こした悲劇です。

寿司屋で食中毒といえば生魚がお約束ですが、

今回のヴィランは魚ではなくキノコの方!


巻物に入っていたキノコはMorel mushroom

(アミガサタケ)呼ばれる、世界中に分布する

超ポップなキノコ。


日本では春を告げるお高級キノコとして

喜ばれていて、岩手県では人工栽培に

成功したとのこと。


フランスでは昔っから、老いも若きも

乾燥モリーユ(アミガサタケの仏名)を

フォン・ド・ヴォーで戻してクリームで

煮たお料理が愛されてきたのだとか。

(「美味しんぼ」第90巻参照)


そんな親しみ深いキノコがなぜ今回、

ダナさんの命を奪ってしまったのでしょうか?

それは調理方法にありました。

いえ、正確にいえば調理されていなかったんです。

こちらの寿司店で提供されたのは、

湯通しもされていない、1000%生アミガサ


Wiki先生いわく


ヒジョーにポピュラーな食用キノコですが

子実体には微量のヒドラジンを含むので

生食は避けた方が身のためです。

調理されていてもアルコール飲料と一緒

食べると酔いを深めてしまい、

悪心嘔吐原因になると言われています。

きちんと加熱調理し、かつノンアルコールで

食べたとしても、大量に摂取した場合

めまいふらつき縮瞳などを

起こした例がいくつも報告されています。

救いはこういった症状も、特別な治療なしで

自然に、徐々に回復することです。

ボナペティート!!


ダナさんは入院後半から多臓器不全に襲われ、

喉や口の内部に炎症が起きたりして話すことも

ままならなくなりました。

苦肉の策で、赤のマーカーを使って

家族と筆談なさった形跡がもう痛々しくて……


あとどれだけ生きてられるかわからない、

どうしていいのかも。苦しくて仕方ない。


愛してる。(だんなさまへ)

愛してるわ、Mr. C。(息子さんへ)


蓋を開けてみれば、この頃 Dave’s Sushiで

同じように生ッシュルームを食べさせられ

食中毒を起こしたお客さんは、なんと51人ポーン

ダナさんの他に亡くなられた方がもうお一方

いらしたそうです。


被害に遭われた方々が団結してお店を

訴訟中とのことですが、聞くところによると

この Dave‘s Sushi、騒動後1か月間

おとなしくクローズしていたものの、

その後夏のハイシーズンあたりにしら〜っと

リオープンしたようです。


たっぷり1年たった今、このニュースが

再浮上してきたことに「はてなマーク」だったのですが、


みんな聞いて!この時期のおいしい

アミガサタケはバイオハザードだよ⚠️


という注意喚起だったのかもしれません。


食中毒なんて、飲食店が一番忌み嫌う事件。

保健所が再営業を許しても、お客さんの心に

芽生えた不信感は二度と消えることなし!

ダナさんともうお一人の犠牲者に合掌🙏




後日談:

昨日、板前の夫も興味を持つだろうと

この話を伝えたところ、


えっ?!本当に Dave’s Sushi

そこ、ナツキくんが在米中最後に

スシシェフとして働いてた店だよ。


と、今年2月に帰省した際、大阪の

レジェンダリーおでん屋・花くじら

連れて行ってくれた友人に言及したでは

あ〜りませんか?!


確かにあの日寒空の下、店前で小1時間

並んで順番待ちさせられていた間に、


前にいたモンタナの寿司屋が訴えられてて、

Daveが凹んだ様子でテキストしてくる……


って言ってたっけ!

さすがに死者が出ただのなんだのといった

詳細は割愛されていましたが「デイブ」って、

渦中のあの店のオーナー・Daveのこと

だったんか〜い ゲッソリガーン


ナツキくんが日本に帰国したのは6〜7年前の

ことですから直接なんの関わりもありませんが、

もし彼が去年の春にまだあっこで働いていたら、

あんな痛ましい事故が起こることも

なかっただろうなぁと悔しく思いました。


どれだけコロナにならないよう気をつけても

皮下脂肪撲滅のためにウォーキングしても、

お気に入りのお寿司屋でオーダーした

巻き寿司に入っていた生きのこイッパツで

命を落とすこともある。

それが人生。


できるだけ軽々しく死なないよう気をつけつつ、

同時にたとえ明日死んでも後悔しないように

日々一生懸命生きなくちゃ、と思いました。

(なんだこのパラドクス?!)