読響 第617回定期演奏会

2022 5.24〈火〉 19:00  サントリーホール

 

指揮=上岡敏之
ソプラノ=森谷真理
ボーイソプラノ=TOKYO FM 少年合唱団

ウェーベルン : 6つの小品 作品6(1928年版)
ベルク:歌劇「ヴォツェック」から3つの断章
ツェムリンスキー:交響詩「人魚姫」

 

上岡さんの日本での指揮は2020年1月以来になるでしょうか。読響とは2016年年末第九以来になるかと思います。3曲ともスコアをめくりながらの指揮でした。

 

弦は16型(前・中プロは12型?、vc7-cb6)の通常配置。Hr・Hpは左手。前半の打楽器・チェレスタは左端。最奥左手でS、右手にTrb、Tub、その前にTp。メインはTimが最奥中央で、その左手に打楽器、右手にTrb、Tub、その前にTp。前プロ2管、中プロ4管、メインが3管。

コンマスは長原(以下敬称略)、パートトップは2nd瀧村?、Va鈴木、Vc遠藤、Cb大槻?。

管の1番はFl倉田、Ob蠣崎、Cl金子、Fg吉田、Hr日橋、Tp前・中プロ=田中、メイン=長谷川、Tb桒田、Tub次田?、Timに武藤。

 

ウェーベルンはNHKの放送で何度か触れていますが、実演でも中々難しいと感じる曲。特に第3曲で、大太鼓に対する最弱音の指示にこだわった上岡さんの指揮で、全体的に通常よりゆったりしたテンポを採り、繊細な表現を追求していたように思います。

この2年で上岡さんの指揮は大きな変化はなく、メリハリをつけたダイナミックな指揮ぶり。

 

ヴォツェックはウェーベルンを聴いた後ではとても聴きやすく感じられ、ラストのhopp,hoppでオペラで観たヴォツェックを思い出しました。ボーイSopは日本語歌唱。Sの森谷さんは2020年のヴァイグレ/読響の第九で聴いていました。音圧のある立派な歌唱。12型ながら低弦を厚くしたからか、聴きごたえのあるCbでした。

 

メインの人魚姫は2017年10月の上岡/NJP以来。その際よりも、ゆったりテンポの箇所はよりたっぷりとしたテンポ、速い箇所は速くという傾向だったかと思います。同じサントリーホールでの演奏ですが、ステージサイドの席だったからか、NJPよりも音圧があったように感じました。この曲、ブルックナーのような大胆なパウゼあり、ワーグナーのような細切れ気味のモチーフあり、パッと聴いた印象はR.シュトラウスのようだったりという印象ですが、1楽章冒頭にくる、海をイメージする下降音型の箇所や3楽章ラストの浄化していくような箇所はとてもお気に入りです。

バスクラ鎌田さん、コーラングレ北村さん、Hr1番の日橋さんが特にGOOD JOBでした。

 

久々の読響客演とあってか、ソロ・カーテンコールがありました。