有吉佐和子の代表作。
和歌山県の紀ノ川が舞台になっている。
川の流れを明治・大正・昭和の時代の流れに沿わせて、花、子の文緒、孫の華子の3人の人生を展開していく。 特徴的なのは紀ノ川が豊かさや優美さの象徴と同時に、暴力と欲望の象徴として描かれている点。 Wikipediaで紀ノ川の歴史を調べてみると、確かに一級河川として人々の暮らしに豊かな水源を提供したと同時に、頻繁な水害で多くの人命を奪ってきたことが記述されています。
印象的な二つの台詞、 花の祖母、豊乃が花の嫁入り先を川の下流の真谷家に決める際の言葉、 「紀ノ川沿いの嫁入りは、流れに逆ろうてはならんのやえ。・・・みんな流れに沿うてきたんや。自然に逆らうのは何よりいかんこっちゃ」
花の義理の弟、浩策が花について語った言葉、 「お前はんのお母さんは、それやな。云うてみれば紀ノ川や。悠々と流れよって、見かけは静かで優しゅうて、色も青うて美しい。やけど、水流に添う弱い川は全部自分に包含する気や。そのかわり見込みにある強い川には、全体で流れ込む気魄がある。・・・」
時代の波に翻弄されながらも必死にあがらう当時の女性の強さを、自然への畏敬の念に重ねて描いていきます。 妻の実家に行く度に見る川の流れ。治水技術の進歩により、紀ノ川も今ではすっかり牙を抜かれて悪さもできません。のんびり流れるのみ。人間の暮らしがどんなに変わっても、変わることなく悠々と流れていくれるのは、そこに住む人々の心を安定させてくれるのでしょうね。
和歌山県の紀ノ川が舞台になっている。
川の流れを明治・大正・昭和の時代の流れに沿わせて、花、子の文緒、孫の華子の3人の人生を展開していく。 特徴的なのは紀ノ川が豊かさや優美さの象徴と同時に、暴力と欲望の象徴として描かれている点。 Wikipediaで紀ノ川の歴史を調べてみると、確かに一級河川として人々の暮らしに豊かな水源を提供したと同時に、頻繁な水害で多くの人命を奪ってきたことが記述されています。
印象的な二つの台詞、 花の祖母、豊乃が花の嫁入り先を川の下流の真谷家に決める際の言葉、 「紀ノ川沿いの嫁入りは、流れに逆ろうてはならんのやえ。・・・みんな流れに沿うてきたんや。自然に逆らうのは何よりいかんこっちゃ」
花の義理の弟、浩策が花について語った言葉、 「お前はんのお母さんは、それやな。云うてみれば紀ノ川や。悠々と流れよって、見かけは静かで優しゅうて、色も青うて美しい。やけど、水流に添う弱い川は全部自分に包含する気や。そのかわり見込みにある強い川には、全体で流れ込む気魄がある。・・・」
時代の波に翻弄されながらも必死にあがらう当時の女性の強さを、自然への畏敬の念に重ねて描いていきます。 妻の実家に行く度に見る川の流れ。治水技術の進歩により、紀ノ川も今ではすっかり牙を抜かれて悪さもできません。のんびり流れるのみ。人間の暮らしがどんなに変わっても、変わることなく悠々と流れていくれるのは、そこに住む人々の心を安定させてくれるのでしょうね。