当社の電気炉での作品作りについて昔の雑誌を読んで少し勉強です
塩釉焼締
塩水を吹き掛けして松灰を振り掛けると塩釉の周辺が窯変した花器
電気窯ではさや鉢で焼くことが多い塩釉ですが、
電熱線が露出していない構造の「P13-PEB335K-1Z」(誠興電機産業社製 電話0869-93-0398)などの電気窯では、
さや鉢なしで焼くことができます。
今回は途中で薪を投入し、塩釉による窯変を試します。
下段に詰めた花器の塩釉の影響を受けてすそが窯変した台皿
□成形し、素焼きする
花器には珪砂を混ぜて轆轤挽きします
台皿(裏返して鉢としても使用が可)はひもづくりし、ともに900℃で素焼きします
1 信楽白土に珪砂を混ぜて練る
[成形ポイント]
珪砂は陶芸材料店で販売されています
好みの大きさの粒子を選びます
2 轆轤で挽き上げる
3 珪砂を混ぜていない信楽白土をこぶしで叩き伸ばし、
さらに叩き板で叩いて平らにしてから、
縁に粘土ひもを積み上げる
4 コテでなでて厚みをそろえる
5 ヘラで側面に波文を入れる
6 乾いてから900℃で素焼きする
*今回の素焼きは900℃で焼成した
もちろん失敗しないために用心した設定をする
□塩釉を掛け、本焼きする
花器だけに塩水を掛け、その上に粉末松灰を掛けます
900℃から1,220℃まで松材を投入し、本焼きします
1 素焼きした花器の胴から腰に、塩水を掛ける
[釉掛けポイント]
塩水は海水でも可能です
海水より濃くしたり、塩を直接塗ったりしても、それなりの塩釉の効果が期待できます
2 塩水を掛けた部分に松灰の粉末を振り掛ける
[釉掛けポイント]
松灰がだまにならないように、ふるいをとおして掛けます
3 窯床に配置したサイコロ支柱の上に棚板を載せ、その中心に花器を詰める
[焼成ポイント]
棚板にはアルミナを余すところなく塗り、塩釉が棚板のカーボランダムまで浸透しないようにします
4 下段に立てた長い支柱の上に穴空きの棚板を載せ、その上にもみ殻をまく
5 台皿を詰め、その上にまいたもみ殻を整える
[焼成ポイント]
もみ殻でやや焦げた雰囲気にします
6 上蓋の5つの栓をすべて閉め、1,260℃に温度設定して焼成を開始する
7 900℃になったら上蓋の栓を外し、松材を1本ずつ入れる
8 炎が落ち着いたら、また松材を投入し、これを繰り返す
9 1,220℃あたりで最後の松材を投入する
10 炎が落ち着いたら、上蓋の栓をすべて閉める
11 1,260℃に達したら電源を切る
[焼成ポイント]
真ん中の栓を開けると、最後に投入した松材が炭になっているのが確認にできます
すぐに栓を閉め、そのままで100℃まで冷まします
□焼き上がり
花器の一部は黄金色に窯変し、
炭化した台皿の縁には塩釉の影響がみられます
1 台皿と花器を窯から出す
*塩水と松灰を掛けた部分は塩釉調に、その周囲は黄金色や緋色に窯変
炭化した側面には塩釉の影響と思われる白っぽい筋が走る
高木和安
1994年長崎県鷹島生まれ
70年伊万里に渚窯を築く
三越などで個展を多数開催
2005年誠文堂新光社から「日本の陶磁器をさや鉢焼成する はじめての電気窯焼成」を刊行
雑誌記事で使用されたのは電気窯は当社のP13-PEB335K-1Z
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誠興電機産業のホームページに
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