夫が追いかけてくるのじゃないか?
血眼になって、探しているのではないか?
私は、びくびくしながら車中泊を続けていた。
DV支援団体に連絡をとり、犬を連れながらの避難が可能であるか聞いても、その時点では、紹介できる施設はないという返事だった。
そんな中、長年の友が駆けつけてくれた。
彼女は、パニックで、どうしてよいのか分からなかった私の為に、ペットホテルを提案し、私にはビジネスホテルを提案してくれた。
「DV避難中で、ワクチン証明が手元にありません」
断られると思ったが、親切なオーナーが愛犬を一週間、受け入れてくれた。
「頑張って下さいね」
穏やかな笑顔のオーナーの言葉。
ありがたい気持ちと安堵で、私は泣きながら、愛犬を預け入れた。
そしてホテルで、熱いシャワーを浴び、ベッドに横になった時、私は初めて自分が憔悴しきっていた事に気づいた。
避難先で落ち着き始めた頃、食欲はなかったが、勧められて食べたチョコレートケーキが、とびきり美味しかった
