先日の「心と体の相関性」の記事の続きです。
プラセボ効果については多くの方もご存じかと思いますが、その実例には本当に衝撃的なものがいくつもあります。その一部の例については、後半の記事にまとめてあります。
驚異的かつ実存する「プラセボ効果」
The placebo effect: Amazing and real
2020年【ハーバード大学医学部】
https://www.health.harvard.edu/blog/the-placebo-effect-amazing-and-real-201511028544 より翻訳
プラセボ効果は不可思議なものです。有効成分のない糖衣錠という効果もなく無害なはずのものが、患者が効果を期待しているというだけでその痛みを和らげ、あるいは回復を早める効果を持つという考えに、私は長い間夢中になってきました。
研究では有効成分の本当の影響を理解するために、プラセボ(有効成分を含まないただの糖衣錠など)を使用していますが、これは有効成分のある医薬品の本当の影響を理解することが目的です。
有効成分の含まれる医薬品が与えられたグループと、プラセボ薬(有効成分のなく、医薬品のふりをした物質)が与えられたグループでの結果を比較することで、有効成分のある医薬品が実際にどれだけの効果があるかを理解することができるようになります。
「プラセボ」という言葉はラテン語が起源で、「私は喜ばせます」という意味で、実際に人を「喜ばせ」ています。どれだけの数の研究が行われても、プラセボ薬を与えられた多くの人の症状や状態が改善されるという事実はかわらないままです。
「気のせい」だけでなく肉体レベルの効果を出すプラセボ効果
プラセボ効果に関する最近の研究では、その効果がどれほど強力であるかが確認され続け、プラセボによってもたらされる効果は「頭の中」だけではないことが認められています。
有効成分の含まれる医薬品を与えられたグループと同じくらい、プラセボが与えられた人たちの中で測定可能な、肉体レベルでの変化を見ることができます。
特に、プラセボに反応した被験者の小集団(サブセット)の間では、特に血圧や心拍数、その他の血液検査で変化が見られます。
もちろん、誰もがプラセボ薬に対して治療反応を示すわけではありません。もしそうなら、医薬品はまったく必要なくなるでしょう。しかしかわりに、暗示の力を使うことは可能です。
一部の人はプラセボ薬で改善が見られながらも、他の人には効果がないという事象を理解することは、プラセボ研究における最終目標になっています。
「ノセボ効果」:プラセボの悪の顔
暗示の力は両刃の剣です。治療効果を期待する場合、実際に効果のある可能性は高くなります。しかしその治療が有害だと想定する場合、悪影響が起きる可能性が高くなります。そういった望ましくない効果は「ノセボ(Nocebo)効果」と呼ばれています。Noceboはラテン語で、「害を及ぼす」という意味です。
たとえば、ある医薬品でその副作用が頭痛だと相手に教えた場合、その人が頭痛を訴える確率が高くなります。たとえその薬がプラセボ薬であったとしてもです。
期待の力は驚くほど強力なもので、一般の処方薬の効果や副作用を起こす大きな役割を担っていると考えられます。
プラセボ効果の力は強くなっている?
過去23年間に行われた神経痛治療の84件の試験におけるプラセボ効果の影響を調べた、とても興味深い研究があります。
プラセボ効果は目に見えてより強くなってきていますが、この現象が見られたのはアメリカ国内での研究だけであることがわかりました。それはなぜでしょう?
一つの仮説では、アメリカでは消費者向け医薬品広告(他のほとんどの国では許可されていない)が洪水のように流されており、それが原因で医薬品が治療に役立つという患者の期待が高くなっているのではないか、と考えています。
医薬品の効果への期待が強く、高いものであるほど、より強いプラセボ効果がもたらされる傾向がみられます。
別の仮説では、プラセボの有効性の上昇を研究試験の性質に関連づけています。つまり試験がより大規模でよりお金がかかっていて、より精巧であるほど、研究の被験者の期待は高くなってプラセボ効果が強くなるのではないかと考えています。このタイプの試験は、他の国よりも米国でもっとよく見られる傾向があります。
理由はともかく、この傾向にはマイナス面もあります。プラセボ効果が強力なほど、研究者は新しい薬が効果的であることを証明することが難しくなるのです。プラセボ効果が強いほど、たとえその医薬品の有効成分がかなり優れていたとしても、プラセボと有効成分の間に有意差を示すことが難しくなります。その結果、いくつかの効果的な薬は臨床試験で「失敗」する可能性が出てくるのです。そしてその結果、研究場所をアメリカ国外へ移動させる研究者を生み出す可能性があります。
今後の展開は?
プラセボ効果の利点・欠点を知るための研究により、この現象により多くの関心が集まるようになりました。
昔は、プラセボ効果は「本当の」病気ではなく、かつ暗示にかかりやすい人にだけ効果があると思われていましたが、今では正しい理解が深まっています。
しかし、依然として不可解なことがたくさんあります。プラセボ効果の出やすい人を予想する方法や、プラセボ効果を確実に活用するための方法はまだわかっていません。
また「よくなっていると感じる」ことは確かに重要ですが、それが必ずしも常に本当の健康上の好影響をもたらすものでもない、ということも大事な点です。
たとえば、喘息のためにプラセボを服用した一部の被験者は症状の改善を報告しましたが、肺機能の測定値は実際にはそれほど改善されていなかったなどです。
それでもプラセボ効果がよりよく理解され、適切な状況下で臨床診療で効果的に使用される日が来るかもしれません。しかし多くの人が一般的な薬で改善せず、さらに厄介な副作用もあることを考えると、その日はまだまだ先の話になるかもしれません。
(翻訳終了)
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あなたの体には自己治癒という超能力が備わっている
http://www.theobserversvoice.com/spiritualhumor/body-mind-connection/より一部翻訳
体には最高の自己治癒能力マシーンが備わっている
あなたの体には感染症と戦い、損傷したたんぱく質を修復し、がん細胞を抹殺するなど、最高の状態に保つための素晴らしい自己修復メカニズムが備わっています。
その機能が阻害されるのは、体が最高の味方であるということをあなた自身が信じられなくなった場合だけです。
「私の健康は私がコントロールする」
アレルギー反応が出そうな場合や、何か痛みが起こりそうな場合、私(訳注:この文章の著者)は自分自身に対し、そうならないように命令します。そうするとアレルギー反応や痛みは瞬時に消えてなくなります。
以前は春から夏にかけて、抗ヒスタミン剤をほぼ毎日摂っていましたが、最近はアレルギー関係の薬を摂る必要がなくなりました。
自分自身に向かって、「私はアレルギーを信じない」「私の体と神経系の最高権力者は私自身だ」などと言い聞かせるのです。私の体は喜んで、それに答えてくれます。
この方法で、アレルギー反応や痛み、発熱、胃の不調を止めてきました。自分の力を体感するのはとても楽しいですよ!瞑想をするたびに、自分自身の健康をコントロールする能力のレベルが上がり、能力が強くなるのを感じます」
★思い込み(プラセボ)は医薬品以上に効果があることはよくあること
プラセボとして、薬のような外観のただの砂糖の塊を被験者に与えるだけで、毛髪が生え、血圧やコレステロールが下がり、潰瘍が消えるなどあらゆる症状が治ることがあります。その効果をもたらしたのは、与えられた「医薬品」そのものではなく、効果のある薬が与えられたと考える被験者の思考なのです。
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【コメント】
日本語では「病は気から」とよく言われますし、実際にそうだなと思うことも多いのですが、「治療も気から」という側面があるようです。
治療不可能と言われている難病から復活した人は、「絶対に治す!治る!」と強く信じているところが共通していますしね。
一つ目の記事本文で面白いと思ったのは、「ノセボ効果」というもので、薬の副作用をよく知っているとその副作用が出やすくなるというものです。
また、自分がある病気にかかっているに違いないという考えに強く支配され、医者などに同意を求めたり、ネット検索などでそれを確定したがる精神疾患もあります(病気不安症)。
こういった思い込みによっても、軽度の身体症状を起こす場合があるとのこと。
社会では「コロナの恐ろしさ」を訴える情報で溢れかえっていますが、PCR検査で陽性になった人で、言われているような「コロナの恐ろしさ」を信じている人の場合、たとえそれがただの風邪だったとしても「コロナ風の症状」を起こしたり、症状を悪化させているケースも多いのかもしれないですね。
またそれ以外にも、一日中テレビや新聞が「コロナ怖い」と垂れ流し続け、さらに「この薬が効く!」「ワクチンがあれば普通の生活に戻れる!」などと言い続けています。
そういった情報を聞き続けることで、「私たちの体はとても脆弱なもので、薬やワクチンなどがないと大変なことになってしまう!」という必要以上の不安に駆られてしまっている人も多くいるでしょう。そして病気に対する不安自体が自然の免疫力を低下させ、その上「コロナウィルスはどこにでもいる!」などと言う考えが頭にこびりついてしまうと、コロナでもなんでも感染症にかかりやすくなってしまいます。コロナ教・反コロナを問わず、情報中毒になっている場合は特に、たまには「NOコロナデー」のように、コロナに関する情報から一切離れる日を作ってもいいくらいだと思います。
また、意志の力で多くの疾患が改善する可能性があるとはいえ、頭痛が酷くなる一方で病院に行ったところくも膜下出血が判明し、すぐに手術、そして15年たった今も元気なうちの父親の例もあります。
気合や思い込みでなんとかなる部分もかなり多いですが、それでも無理なら医学の力を借りた方がいい場合もあるでしょう。当人以外の客観的な目による判断も助けになるものです。
なので決して無理はしないで色々な視点から病気や症状を考え、対策するのが賢明なのではないでしょうか。(とはいえ医者や医学を至高のように信仰するのもどうかと思いますけど)
【追記】
こちらは気だけじゃなく運動も大事な療法ですが、この記事に近い内容と思ったのでシェアさせていただきます。現代医療では治らない、症状の緩和しかできないと言われている症状でも治る場合もあるのは心強いものです。周りでも同じようなケースを何度も聞いたことがあります。
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しかし寿命については気の持ちようだけではなく、どうしても各個人に「寿命の長さ」は定められているのではないかと思われる話もよく聞いています。「人事を尽くして天命を待つ」のように、どうなるかはわからないけど、とりあえずできるところまではやってみる!と、できるだけのことをすることで、少なくとも自分の後悔は緩和できると思います。