「Depleted uranium used by US forces blamed for birth defects and cancer in Iraq」

7月23日【RT】http://rt.com/news/iraq-depleted-uranium-health-394/




イラクのナジャフ(Najaf)市では、米国軍の劣化ウランの使用により、白血病や先天性欠損症が急激に上昇している。そのため住民らは自らの健康を憂慮し、パニック状態になっている。現地の医師によれば、現在ではインフルエンザよりもガンの患者の方が多く一般的だという。


このナジャフ市は、2003年の侵略の際に、もっとも激しい軍事活動があった場所の一つだ。RTは現地を取材訪問したが、到着後すぐにいくつかのエリアではすべての住居の並ぶ通りには、子供が病気の家や、子供を失った家族、親せきの多くがガンに苦しんでいる家族がいくつもあることに気が付いた。


Sundus Nsaif博士は研究室ではなく、自宅の屋根の上から次のように語った。

ナジャフ市では、2003年にアメリカ主導によるイラン侵攻を境にして、ガンや先天性異常の件数が「急激に上昇」している。イラク政府は、おそらく多国籍軍のメンツを潰すことを避けようとしてか、この問題について話さないように積極的に圧力をかけているため、研究室ではなく屋根の上で話すことを選んだという。


イラク戦争開始後から、ナジャフ市のガンや白血病、先天性異常の数は激増しています。アメリカによる攻撃を受けたエリアの上昇が最大になっています。アメリカ軍によって使用されている劣化ウラン弾のような使用が認められていない武器が原因ではないか、と私たちは考えています。ここで病院を訪問すれば、インフルエンザよりもガンの方が多くて一般的であることがおわかりになるでしょう」Nsaif博士がRTの記者のインタビューに答えた。


「戦争はまだ終わっていません。たしかにアメリカ軍は撤退しましたが、私たちイラク国民はその結果からいまだに苦しんでいます」


三人の子供が先天性奇形で生まれたため、三人とも死んでしまったというLeila Jabarさんは言う。彼女の子供の死は、アメリカ軍が戦争中に使用した放射性物質を含んだ弾丸が原因であると非難している。彼女には8か月になる息子が一人だけいるが、彼にも神経系疾患に苦しんでおり、医師の見込みでは1歳の誕生日まではもたないだろうということだ。


Chris Busby博士は劣化ウラン(DU:depleted uranium)が与える影響について詳しく研究を行っている。彼によれば、イラク戦争でウランを使用していたのはアメリカ主導の部隊のみであったという。


「私たちはファルージャへ行き、そこのガンのレベルを確認しました。先天性奇形を持つ子供の両親を検査し、毛髪の分析をしました。遺伝毒性となりうるもの、つまり先天性奇形の原因となりうるものが毛髪に含まれていないかを確認するためです。毛髪から発見された物はウランだけでした。先天性奇形を持つ子供の母親からウランが発見されたのです」と、Chris Busby博士はRTに話している。


2009年以降、信頼性の高いメディアが、2004年の激しい市街戦の舞台となったファルージャ市から、先天性に問題のある新生児の出産率が高くなっていることを報道しており、世界からの注目を集めた。


2003年の主だった戦闘活動が正式に終了した後では最も激しい戦闘となった「Phantom Fury (幽けき者の怒り)」のオペレーションでは、劣化ウラン弾を利用する砲床は少なくとも二台が採用されていた。


イラク国内では440,000kg以上の劣化ウランが使用され、一部は劣化ウランを含んだ粉塵や、腐食した貫通型爆弾となり、車両や建物、土壌が汚染された場所の数はいまだに不明のままとなっている、とオランダの報道(PDF)が伝えた。


そのオランダの報道は次のように記している。


「人口集中地域で劣化ウラン弾を使用した際の一般人の被ばくのリスクは高くなったままだ。

イラク政府が有効なアセスメントや除去作業に着手する能力と財政があったとしても、米国大統領がその作業に手助けとなりうるデータの公開を拒否しているためである。

このような結果を全体的に考えると、劣化ウランの使用に対する合法性に対する重大な疑問が投げかけられる」

25mm 劣化ウラン弾  (AFP Photo / Stan Honda)




劣化ウランによる身体の健康への影響の可能性のみならず、イラク国内での劣化ウランの使用や存在は住民の恐怖や不安を高める結果をもたらし、それが今度は心理社会へ目に見えるほど明らかに影響を与えている、とそのレポートの著者は書き留めている。


ノルウェー政府が資金供給している別のレポートでは、2003年にイラク国内で人口集中地域において一般市民を対象に劣化ウランが使用されていたことが、最近確認されているという。ノルウェー文書では、劣化ウランの使用に関して多国籍軍の情報開示が十分でないことを強調しているばかりでなく、ナジャフ市内での事件では、一度の戦闘で、ブラッドリー(Bradley)歩行戦闘車が305発の劣化ウラン弾を発射していることについても記されている。


Busby博士は次のように説明している。

ウランには遺伝毒性があり、このようなレベルの遺伝子損傷の原因となります。またそれがガンの原因にもなっているのです。ウランがどこからきているかといえば、アメリカ主導部隊によるウラン兵器使用しかありません。私たちは劣化ウラン弾だけでなく、わずかながら濃縮されたウラン兵器も発見しています。おそらくこれは、痕跡を隠すために使用されていたのではないでしょうか。ですので、このような影響は二回の戦争でのウラン使用、およびそのウラン兵器から発生した粒子が原因であることがほぼ証明されたものと私は考えています」


劣化ウラン弾は壁やタンクを貫通能力で知られている。その最も危険な「副作用」とは、劣化ウラン弾の中身が揮発し、発生した粉塵を周辺の人が吸うことだ。


米・英軍がのイラク侵攻中、3月・4月に使用した劣化ウランを使用した徹甲弾の弾頭は1,100から2,200トンにおよぶと、アメリカ国防総省および国連は見積もっている。これは1991年に湾岸戦争では(公式にとしては)375トンが使用されていたと見積もられると、米シアトルのSeattle Post-Intelligencer紙は2003年に報道しているが、それをはるかに上回るものだ。 

RTの動画スクリーンショット



バスラ(Basra)やファルージャといった、英・米軍がイラク戦争開始時に重火器を使用した都市では、開戦直後に妊娠した乳児の内、半分以上が心臓欠損をもって生まれてきた。


「Bulletin of Environmental Contamination and Toxicology」紙上に公表されている研究によれば、1994年10月から1995年10月の間で、アル・バサラ(Al Basrah)産科病院の先天異常は生児出生1,000人の内1.37人であったという。


2003年、同じ病院で先天異常があったのは、生児出生1,000人中 23人で、10年もたたない間に先天性異常の発生率は17倍増加していることになる。


国際社会はそのような兵器の使用に対する実際の効果に対し、懸念を表明している。世界保健機構(WHO)やイラク国保健省(MOH)は近い将来、この問題に関する報告書を公表する予定であるが、現在のところは遅れている。WHOによれば、この報告書の中では、先天性異常の発症率と、イラク戦争および侵略中の劣化ウラン弾使用の関連性を研究することはない、という。


国連は声明文の中で次のように説明している。


「今回のこの特定の研究の目的としては、先天性異常の発症率と劣化ウランの被ばくの関連性と言う問題は含まれていませんので、両者の関連性を確立させるためにはさらなる研究が必要です」


その一方で、ナジャフ市の市民は、幅広い疾患に悩まされている子供たちに必要な医療サポートを受けさせることが困難で苦しんでいる。先天性異常を持つ新生児が何度も生まれたために、もっと子供を産むのが怖くなった、という夫婦も何組かみられた。


さらに詳しい情報は、Lucy Kafanovによる独占取材でご覧ください。