3月8日【RT】 http://rt.com/news/british-mps-drinking-culture-113/

 世界中のあらゆる年に数えきれないパブができているところをみると、イギリスの酒飲み文化は海外にもかなり輸出されているようだ。しかし、アルコールと政治が混ざるという伝統がイギリス国内だけに留まっているのはせめてもの幸いだといえよう。

 イギリスの国会議員は、同国に差し迫っている課題に対処するために選出されているのだが、一部の議員はこの悪習を断ち切る支援が本当に必要であるように思われる。

 イギリス国会の各議院で、怒鳴ったり、野次が飛ばされたりすることがこれほどまでに多いことを説明する何か的確な理由があるはずだ。

 一部の国会議員は、ウェストミンスターにある国会議事堂内のバーでずっと飲み続けていると言われている。

「国会議員が投票室まで体を引きずられて運ばれていった、というのはよく聞く話です」政治ブロガーのHarry Cole氏は笑う。「イギリス国内であれほどまでに飲んで仕事をしてもクビにならない仕事がありますか?」

. 労働党議員のエリック・ジョイス(Eric Joyce)(51)は下院付属のバーで深夜に乱闘騒ぎを起こして逮捕されているが、この事件は相次いで起こるアルコール関連のスキャンダルの一つに過ぎない。

 ジョイスは保守党の議員3名に対して暴行を加えたとして逮捕された。その内の一人、スチュワート・アンドリュー氏は国会議事堂内の「ストレンジャーズ・バー(Strangers' Bar)」から退室した際、鼻血を出していたという。エリック・ジョイスはその結果として、暴行の罪で告発されたものだ。 80年代後半に国会の中にテレビが入ることが許されてからというもの、国会議員による乱暴な行為をイギリスのテレビで見ることは珍しいことではない。

 13年間国会議員を務めているレンビット・オピック(Lembit Opik)氏は、議員らがお酒の入った状況で国内や国際的な重要な事項について投票することで知られる下院内部の評判の悪い有様を目の当たりにしてきた。

「国会議員は、夕食を食べる代わりに何杯か飲むためにバーに行って、深夜1時か2時ごろになってから、下院に行って議論に参加するのも悪くない、などと考えたりします」元議員は当時の様子を思い出す。「少なくとも一回は見ました。とてもおもしろかったのですが、それがプロフェッショナルだったかどうかは何とも言えません」

 国歌議事堂の敷地内には、議事堂内で働く人とそのゲストのためのバーが9軒ある。王宮の公式のバーであるため、ライセンスは不要だということだ。昨年この9軒のバーでの総売り上げは133万ポンド(約1.7億円)に上る。

 このストレンジャーズ・バーは、対立する政党の議員同士が欲乱闘騒ぎを起こすことで最も悪名が高い(2011年の売り上げは約20万ポンド)。

 そのバーでのお祭り騒ぎがあまりにも頻繁なため、噂によると、かつては文字通り這いつくばってそこから出ようとする酔っぱらいが出口を見つけることができるよう、地面から10cmの高さのところに釘を打ってあった狭い通路があったと言われている。

 高尚な雰囲気のウェストミンスターの国会議事堂の外部、イギリス国内の町や都市では、大量の飲酒が大問題となっている。そして国会の内部でも、状況は変わらないようだ。

 国会議員かつ医師でもあるサラ・ウォラストン(Dr Sarah Wollaston)博士は、酔っぱらいすぎて討論会の最中に立つことさえできず、また自分たちが何に対して投票しているのか、見当もついていない議員も中にはいる、と話している。彼女によると、一部の議員は「本当にひどく飲みすぎている」という。

 保守党議員のマーク・レックレス(Mark Reckless)は、2010年の予算案の投票の際、飲酒が過ぎて倒れたことは「覚えていない」と認めている。普段はどこで飲むのをやめるべきかわかっているのだが、そのよく世間に知られているその瞬間は、自分に「何が起こったのかわからなかった」と彼はいう。

 そしてPaul Farrelly議員は、議事堂近くのバーで新聞売りの男と格闘したことは認めているが、彼は自分は酔っぱらっていなかったと主張している。

 そして、この議員の飲酒の補助金を支払っているのは、納税者なのである。

 国会議員に「栄養を与える」支出を削減するという公約がなされているにもかかわらず、下院への飲食物支給サービスへの補助金の支給は勢いを増しており、昨年の補助金は580万ポンドにまで到達している。

「議員一人当たりに対する補助金は約9,000ポンド(約115万円)です。また、一般市民がステーキとポテトフライのセットを注文したら15ポンドですが、国会議員は、同じものが7ポンドで買えるのです」前記のブロガー、ハリー・コールは言う。「議員の深夜まで泥酔する文化に対して一般国民が補助金を出さなければならない理由とは一体なんでしょうか」彼は問いかける。

 下院では何千ボトルものワインを貯蔵室に買いだめしている(過去2年間では69種類のワイン4万4千本)。

 議員は、この飲酒文化は仕事の一部だという。緊張感は極度に高く、家族から離れて長期間を過ごしているためだ。

「拘束時間は長く、議員同士で過ごす時間も長いですし、建物は旧式です。だからといって、大量に飲酒しなければならないというわけではないですが、私が思うにそれがクラブの雰囲気の一部になっていましたし、現在でも同じでしょう」元国会議員のレンビット氏は説明する。

 これらの状況を全て考えても、納税者としてはこれが事態の鎮静化を求めているのか、飲み物の注文を求めているのか、釈然としないままだ。

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 リンク先には、国会議員が酔っ払って「楽しそうに」議論している様子が見ることのできる動画があります。

 ロシアのメディア(RT)がイギリスの国会議員の飲酒について取り上げるなんて、意外な感じがします。ロシアの大統領の一部だって泥酔して演説したりしてるのに。でも、客観的に見ることができて

 個人的には、酔っぱらった議員通しのやり取りがおもしろいし、シラフでも酔っ払いでも結論はあまりかわらないような気がするので、もうどっちでもいいんじゃないかと思いますが、こんなところに税金を遣い続けておいて、教育・医療からは予算削減するなんてありえないでしょう。
 
 政権が保守党・自由民主党の連立政権に代わってからというもの、与党が政策を立案するたびに国民から猛反発を受けて取り下げることが多く(以前取り上げた失業者の職業訓練スキームも含めて)、何年も何にも前進しないままな状態が続いています。