2月15日のものと少し古い記事ですが、明日がその日ですので、取り上げました。

他にも日本語でも取り上げられています。
http://www.gizmodo.jp/2012/02/38fbi.html

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本文とはまったく関係ないですが、明日3月8日はユダヤ教の祭日、プーリームです。

 ずっと昔にペルシャ(現在のイラン)の高官ハマンがユダヤ人の虐殺を企てましたが、ペルシャ王の妃でユダヤ人であったエステルによってユダヤ人はその難を逃れることになります。そればかりでなく、ペルシャ王からは敵対勢力を打倒することを許されたそうで、後年になってその日を祝うようになった、というのがこの祭りのいわれだそうです。

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2月15日 【RT】 http://rt.com/usa/news/fbi-internet-server-servers-409/

「3月8日 FBIが一部のネットを閉鎖する可能性」

 もしFBIが、本来はネット上のデータの破損に対抗するために設置されている特定のサーバーを利用する計画から手を引いた場合、早ければ3月8日にも、世界中の何百万人ものネット・ユーザーがインターネットから遮断される可能性がある。

 昨年、エストニア政府当局が、DNSCチェンジャー(DNSChanger)という名前のトロイの木馬を作成した容疑で6人の者を逮捕した。これがインターネット上に出回ってしまい、このワームはアメリカ国内だけでも推定50万人、そして最大100か国でコンピューターが不具合を起こしていると言われている。アメリカFBIはその後、同期間のサーバー内で、被害を修正する試みとして偽トロルに置き換えることで改善しようとしているが、その修正は一時的なものに過ぎない。

 現在のところ、FBIはこの代替サーバーの利用は、早ければ来月(訳注 2月の記事ですので、3月のこと)上旬には終了する予定。そしてその時点において、何百万人ものインターネットが実質的に使えなくなるかもしれないのだ。

 このDNSCチェンジャーは、作成者の意図通りに機能すると、このトロルはコンピューターを感染させ、特定の悪質なサイトにリダイレクトするようになっている。

 従来は、DNS、つまりドメイン名システムとは、サーバーが通常のアルファベットのウェブサイトURLを、実際の数値のそれに変換し、それによってユーザーをワールド・ワイド・ウェブ(www)内でガイドするのである。しかし、いったんこのトロルに感染すると、インターネット・ブラウザーに入力されたウェブサイトは悪質なサーバーにハイジャックされ、代りにユーザーを不正サイトにダイレクトする。

 この問題を解決するために、FBIは、エストニア国内での逮捕と連動して、DNSCチェンジャーのボットネット・ネットワークを閉鎖し、その上で、それを代理のサーバーに置き換えたのだ。

 しかし、この代理サーバーを認可した裁判所命令によると、このサーバーは、「企業や家庭ユーザーがDNSCチェンジャーのウィルスをPCから除去するために、ギリギリ必要なだけの期間」、設置することがみとめられているという。その使用期限が切れるのが3月8日で、これらの代理サーバーはその時点で撤去されることになっている。もしその時点でコンピューターがまだこのトロルに感染していたら、実質的にそのPCはインターネット内を移動することができなくなってしまうということだ。
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 では実際に影響を受けるのは、はっきりいって誰なのか?セキュリティ企業IID (Internet Identity)社によれば、フォーチューン500(Fortune 500)のリストに上がっている企業の約半分と、米国内の24以上の主な政府機関が、2012年始めの時点でこのワームに感染していると言われている。

 世界中の何百万人ものインターネット・ユーザーが自分たちのシステムからこのトロルを撲滅させるために必要な適切な手順を踏まないと、阻害を受けて、どうしようもできずに、存在しないサーバーへ移動しようと試みる羽目に陥ってしまいます。つまり、インターネットが使えなくなってしまうということです。

 「このままの調子でいけば、3月8日に、多くのネット・ユーザーがインターネットの切断という目に合うことになります」

 Internet Identity社長兼最高技術責任者のRod Rasmussen氏は、Krebs On Securityというサイト上で警告している。

  現在のところ、コンピューター業界と法執行機関が連携して、「DNSCチェンジャー・ワーキング・グループ(DNSChanger Working Group)」と呼ばれている同盟を設置。

  このグループは、連邦政府が設置した代理サーバーを段階的に撤去するオプションを分析する任務を負っているが、しかし代替案に同意が得られない限りは、来月にインターネットの大部分が暗闇に陥ることとなるだろう。

 Rasmussen氏は言う「その時点では、もっと多くの人が気にしているものと思っています」 現在も感染しているユーザーに対しては問題に対処するよう注意が与えられている一方で、全世界の何百万人もがまだ感染していると考えられている。彼は最後にこう言った。「もし感染したシステムが切断されたとしたら、社会的実験としては興味深いものになることは間違いがないでしょう」


【補足】botnetボットネット
悪意をもって作られ、インターネットを経由した命令によって遠隔操作されるコンピュータ群をいう