今日の彼女は、盛岡で働く27歳のOL。
几帳面な性格で、仕事はきっちりやらないと気がすまないタイプ。
というか、いい加減な仕事が許せないのよ。
自分でもやっかいな性格だと思うんだけど、こればっかりは直らない。
だから今日もこうして大出血サービス残業中。
大事な会議資料の作成を上司から依頼されたが、もらったデータがいい加減で調べなおしたりしていたら、思いがけず時間がかかってしまった。

あぁ、今日は久しぶりに彼氏と夕食の約束をしてるのに・・・・。
彼の渋い顔が頭をよぎる。ギリギリまで頑張って、終わらなかったらお持ち帰りだな。
でも出来ればそれは避けたい。このままじゃ仕事人間になっちゃうよ。
ちょっと行儀が悪いけど、さっき後輩にもらったお菓子を頬張りながら、忙しくキーボードを叩く。

最近仲の良い後輩くん。結構気配りがきいて、かわいげがある良い子なんだけど、ちょっと仕事のミスが多い。

まだ入社2年目なんで、大目に見てあげられるのは今だけよ~、と思いながら、先輩として温かく見守るようにはしているんだけど…

どうにも、調子いいからなぁ~・…。

今日の彼は、彼女より四歳年下の23歳。
社会人はそろそろ二年目になるが、仕事はまだまだ修行中の身。
ただお調子者のイジられキャラが幸いし、上司には笑って許されることもしばしば。
ラッキーと思う反面、その程度の仕事しか与えられてないって事でもあって、自分的には少し不満だったりする。

そんな彼には今かなり気になる女性がいる。それが4歳年上のキャリア系の先輩。
彼が仕事で初歩的なミスをしたある日、唯一しっかり叱ってくれたのが彼女だった。
それまでは仕事オンリーの難しそうな人だからと、敬遠していたのだが、真剣に後輩を叱るその態度に接してから、彼は彼女によく付いて歩くようになった。

ちょっとからかうと意外にかわいい反応をしてくれて、
「僕、先輩が好きなんですよー」なんて冗談ぽく公言していたりもする。

先輩なだけあって弱いところは見せてくれないけど、いつも同僚のぶりっこ女子社員ばかり見ているので、このくらいの強さがある人はかっこいいとさえ思う。

「先輩を支えられるような男になりたいんですよ~」なんて言ってみたが、

正直そんな自信、今はない・・・・。

だいたい、先輩にはれっきとした彼氏がいるんだ。
詳しくは教えてくれないけど、きっとかっこよくて仕事のできるいい男に違いない。
完全負け戦だよな~。自分が惨めになるまえに、本気で好きになるまえに…
とっとと諦めたほうがいいんだろうか。

彼氏との待ち合わせ前になんとか仕事を終わらせた彼女。
気分も晴れやかに向かった待ち合わせ場所で、彼女を待ち受けていたのは、ありえない事件だった。

「別れて欲しい。好きな人ができて…その子、今妊娠してるんだ。結婚しようと思ってる」
彼氏の突然の告白に、彼女の頭は真っ白になって…
でも、泣けなかったし怒れなかった。
それどころか、「そっかぁー。困ったな、あたしこんな年で独り身になるんだ…。」
なんてとぼけた事言ってしまった。

彼は「お前は強いしイイ女だから、俺なんかよりいい男がすぐできる」と言ってくれたけど、それはあたしが強がりなだけ。

どこで気を抜いたらいいか、わかんなくなってただけだ。
思えばあたし…彼のことちゃんと頼りにしてなかった。
それでも勝手にずっと、私の事好きでいてくれると思ってた。これじゃあダメだよね。
なんかそれに気づいたとたん、急に悲しくなってきたけれど、もう彼は、私の彼氏じゃないし・・・、愚痴を聞いてくれたり、甘えられる人も、もういない…。
あたし、いつからこんな風になっちゃったんだろう。

彼女より4歳年下の彼は、妙に浮き足立っていた。

会社の飲み会で、大好きな先輩が彼氏と別れたことを知ったのだ。
「えぇーっ!」と大袈裟に驚いたあと、「じゃあ僕にも可能性がでてきたってことですね!」と満面の笑顔で言ったらみんなに笑われた。
いやぁ、これかなり本気なんだけど。諦めるなんてまだ早い!早すぎるぞ俺。
聞いちゃまずいかなーと思いながら、彼氏とのいきさつを尋ねると・・・・、先輩は
「やっぱりその話かぁ」とうつむきながらも、笑いながら話してくれた。
彼氏さんの一方的な言い訳はあんまりだ…と言うと、
「悪いのはあたしだよ」と苦笑いを浮かべる先輩。
ずっと自分を好きでいてくれると思ってた…、彼に甘えられなかった…、強がってばっかりはいいことないよ、あたし全然泣けなかったんだ、とその口からでてくる言葉は悲しくて…。

「あぁ、ちがうだろうよ、俺!」ここは冗談のひとつでも言って笑いをとって…

そう考えていたら、あれ、おかしいな目の前がくもってきた。って俺泣いてる!?なんでっ?

先輩も驚いてどうしたの?なんて聞いてくるけど、俺こんなに涙もろかったっけ?
ちょっとタバコの煙が、なんて誤魔化しながら自分に驚く。
幸いすぐ涙はとまったけど、あぁーはずかしい。
泣き芸もできるんだーなんてネタにもされて…まぁ笑ってもらえたからいっか。

飲み会の帰り道、駅までの道のりを歩きながら彼は、酔った勢いを借りて言った。

「先輩の強がってるとこも好きなんですよ~。強いとこも弱いとこもぜんぶ見たいんです、ちゃんと受け止めますからぁ~」って、普通ならかなり胸にひびく告白になるのに、酒の勢いじゃ、どうにももったいない。

もちろん彼女は、相変わらず笑いながら彼をたしなめるだけ。
好きでいてくれるのは嬉しいから、もう少し本気度が伝わってきたら考えてみようかな、なんて思えるのは、年上ならではの余裕かな・・・・?
今度はちゃんと頼りにできるように、甘えられるように…
と思って四つ年下の彼を見る。
うーん、大丈夫かなぁ…???

彼女がそんなことを考えてるとは、知ってか知らずか・・・・
相変わらすのにやけ顔でとぼける彼。
さてこの2人、付き合ったら意外とうまくいくかもしれません。
彼の純粋すぎる思いと生まれもってのお笑い体質は、彼女の生真面目で真っ直ぐな心を少しずつ柔らかくしてくれるはず。
だって彼女は、「彼の前なら素直に泣けるかも」って思えたのだから。

数年前、私は仕事先で同乗していた車がトラックと衝突し、大破。
意識不明の重体で沿岸の病院に担ぎ込まれました。

車の後部座席。しかも3人掛けの一番真中に座っていた私はトラックと衝突した時に、フロントガラスに猛烈な勢いでたたきつけられたらしく、意識のないまま、生死の境をさまよったそうです。

病院のベッドの上で目を覚ました時には、顔中にガーゼが・・・。

その日の夜、本当は起き上がれないほど打撲がひどかったのですが、激痛をこらえ、なんとか身体を起こし、看護婦さんに付き添われながらも車椅子でお手洗いに行きました。

無理をしてでもトイレに行ったその理由はただ一つ。
鏡で自分の顔を見たかったからです。
そして、お手洗いで一人になった私は、自分の顔を覆っていたガーゼをすべて取り、鏡の前に立ちました。そこには、私とは別の傷だらけで腫れ上がった顔の女が立っていました。

私は、思わず悲鳴をあげてしまいました。

額と頬やあごの下は何本ものガラスで切った傷、まぶたは何か所も縫われ、唇はガラスで削がれ、・・・・でもお医者さんが必死にくっつけてくれたらしく、テープが張られていました。

鼻は折れていたため大きくはれ、顔はぱんぱんでした。

ついその日の朝まであった自分の顔の面影はなく、フランケンシュタイか何かの怪物のような自分の顔にショックを受けつつ、すぐに顔にガーゼを戻し、病室に戻りました。

当時、未婚で彼がいなかった私は、これからの自分の生活、そしてこれから先の自分の未来に絶望し、涙が一晩中とまりませんでした。

M-2

交通事故で意識不明のまま沿岸の病院に搬送された私は、翌日父に付き添われ盛岡の病院に転院しました。
もちろん、女性のお友達にもごく親しい人にしか事故の事を報告しませんでした。
男性にはもちろん誰にも言えません。
それは・・・・お察しの通り、顔がめちゃくちゃで誰にも会いたくなかったからです。

でも、それが運命の始まりだったのかもしれません。
以前飲み会で知り合い少し親しくなっていた彼が、携帯に出ない私を心配して何度も何度も連絡をくれていたんです。

何度も鳴り続ける携帯を見た姉が電話に出た際に、私の事故の事を報告したそうです。

それを聞いた彼は、私の気持が少し落ち着いてからと思ったらしく、入院して一週間が過ぎた頃に突然お見舞いに来ました。

私は、傷だらけのこの顔を見られる事が恥ずかしくて、目をあげることができませんでした。

でも、彼はわたしの顔を見て動じた表情もせず、優しく語り掛けてくれました。

そして私の気持ちを察したのか、また来るからねとさりげなく言い残し、病室を出て行きました。

そして次の日の夕方、彼は仕事の途中らしく、スーツ姿でまたお見舞いに来てくれました。

それからというもの、毎日毎日欠かすことなく平日は夕方、休日は午後にお見舞いに来てくれました。

私は「忙しいだろうし、暑いのに毎日お見舞いに来てくれなくてもいいんだよ」

と言うと彼は

「ちょうど、夕方ここを通るように毎日のスケジュールに組み込んでるから」と

軽く言うんです。

この時はまだ別に、彼とは付き合っていた訳ではありませんが、なんだかとってもあったかい気持ちになった事を覚えています。

 M-3

突然の交通事故で、意識不明のまま病院に担ぎ込まれた私でしたが、一命は取り留めたものの「心の傷」は癒えないまま、一ヵ月半が過ぎた頃。
手術をしたり、折れた腕のリハビリをしたりと辛い事が多かった入院生活でしたが、家族や彼、友人たちの励ましのお陰もあって、ようやく退院することが出来ました。

顔の傷も目立たなくなりかけていたし、腕もなんとか動くようになっていました。
そして退院して間もない或る日、彼に「付き合ってほしい」と告白されました。
彼の事を好きかどうかは、はっきりわかりませんでしたが、
こんなに献身的に私の事を見守ってくれるこの人なら、私を幸せにしてくれるかもしれないと思い、「Yes」と答えました。

それから、彼とのお付き合いが始まりました。

車に詳しくドライブが大好きな彼は、私を色々な所に連れて行ってくれました。
私が星空を見るのが大好きだと知って、彼はよく星の奇麗に見えるスポットを探しては、行く先も告げずに私を連れて行ってくれました。
ちょっと照れくさいけど、彼のそんなロマンチストなところは、嫌いじゃなかった。

そんなこんなで何か月かが過ぎてきたころ、以前からのワガママな性格に重ねて、周囲の気遣いに甘えた私は益々ワガママに振舞うようになっていました。
それに追い討ちを掛けるように、傷ついた顔の再手術を宣告され、
そのストレスから、彼に対して自分でも驚くほどの暴言ばかり言うようになっていました。
それでも彼は怒ることなく、いつもやさしく接してくれていたのですが、それが癇に障り、益々不満は募り、暴言はエスカレートしていました。

今思い返すと、私は本当に「サイテーな女」でした。

でも、彼はそんな私に不思議なくらいに優しかった・・・・・。ホント、不思議なくらい・・・。

 M-4

交通事故で受けた「様々な傷」のせいで、益々ワガママになった私。
それでも不思議なくらい優しく振舞う彼。付き合いだして一ヶ月が過ぎた頃、星空を見上げることが大好きな私を連れて、いつものようにドライブに出掛けた夜。

彼が、いままで行った事がない真っ暗な道に走り出したんです。

その何日か前に、雑誌に載っていた記事が頭をよぎりました。

彼に暴言ばかり言っていたワガママな女性が、ある日携帯も通じない山奥に置き去りにされたっていう復讐のエピソード・・・・・。

私もそれかぁ~・・・・!?(不思議なくらい優しかったのは、この日のためかぁ~!!)

彼の横顔が急に怖くなり、携帯の電波が入っているかどうか・・・?

そればっかりが気になって携帯を握りしめていました。

しばらく、真っ暗な道を走っていると、彼がいきなり何もない、ただただ真っ暗な道の途中で

車を停めたんです。

携帯の画面を除くと・・・・「圏外」!

やっぱり、私も置き去りぃ~!?どうしよう、なんて謝ったらいいの!?

って思っていた時・・・・・・、

彼が「ちょっと降りて上を見てごらん!」って言うんです。

わたしが恐る恐る上を見ると・・・

そこには、今まで見たどんな星空よりも美しい最高の満点の星空がありました。

凄く綺麗で、本当に降ってきそうなくらいの沢山の星が真っ暗な夜空に瞬いていたんです。

すると彼が「どう?最近君がいつもイライラしてて、でも理由もわからなくもなかったから、

どうにか君が喜ぶ顔が見たいと思って、星がきれいに見えるとこ探してたんだぁ」

彼のその言葉に、私は心底恥ずかしくなりました。
自分の事だけしか考えることができなくて、事故にあったあの日から、たくさんの友人や彼、家族が私を心配して支えてくれていたこと忘れてしまってたんです。

しかも、彼の優しい心遣いを疑って、置き去りされると思い込んだり・・・・。ホントにごめんなさい。

その日、付き合って初めて、彼に心の底から、「ありがとう」が言えました。

追伸:
ちなみに・・・、その彼とはその後も数ヶ月付き合いましたが、どうも「大好き」になれないまま、他にちょっと気になる男性が現れたのでお別れをしました。
彼は、今名古屋に転勤になったようで、正直「ホット」しております。
やっぱりワガママな私です。
その頃の私は、毎日コンパ三昧だった。
夕方から集合して女友達と3時間刻みで2~3件の会場を渡り歩く…なかなかハードな毎日を送っていた。

どんなに男のコと知り合ってもイマイチぴんと来ない…(-_-)
それどころか顔も名前も覚えてない。
ライフワークと化したコンパをこなしながら、あたしは白馬の王子様を待っていた…

そんな中、忘れもしない一昨年の冬のこと。

その日は、コンパが立て込んでいて、最終が朝の4時スタートだった。
今回のお相手は、バーでバイトしてる学生の皆さん。
その前に3件ものコンパをこなし、ヘロヘロのあたし達。その時の様子はほぼ記憶が無い…。
朦朧としたまま帰宅し、ベットへ潜り込んだ。

眠りにつこうとしたその時、携帯電話のベルが鳴った…。時計に目をやると朝7時。
誰?こんな時間に??
電話に出てみると、最終コンパで一緒だった男のコだった。
あー番号教えてたっけ?
一応会話は成立してるケド、実はいまいち誰だわかってない…。
『付き合おうよ』と彼。
顔も思い出せないし、印象もない。あー薄ぼんやり輪郭くらいはわかるかな?
でもそれだけじゃ付き合えないよね?ふつー!
『お互い会ったばかりだし、まだあなたの事よくわからないし…』

なんとかお茶を濁そうと努力したけど・・・

『わかんないから付き合うんじゃないか。』という彼の言葉にアッサリ納得してしまった。

その日は、眠気に負けて何も考えられないままに、あたしはオチていった…。

次の日、目覚めた時には、部屋は夕日で赤く染まっていた。
にぎりしめていた携帯に目をやる。液晶画面には着信メールの表示・・・・

『オハヨー〓ハニー〓』って…あんた誰よ?
着信履歴をスクロールしてやっと思い出した…。
そうだった…
コイツはあたしの彼氏だ(今朝から)

クリスマス目前、思いもかけず彼氏ができた…。
それはいいけど、あたしは相手の顔も知らない(ていうか、覚えてない)。

とりあえず、確認作業の一環として、彼の働くバーに飲みに行った。
彼は二つ年上で、なんと同郷だった。
なんだかよくわからない彼氏だったけど、同郷ってだけでまぁいーかと思えた…。

(ハードルの低いあたし・・・・)
出会って早々に付き合おう・・・、なんて言っちゃってるだけあって彼は押しが強い。

頼れる系?なんて錯覚さえおこすほど。
顔も悪くない。(十人並みだが、まぁ許せる範囲内)…だけど…、何かが足りない。
ピピっとくる何かが無い。
会ったばかりだし仕方ないかぁ…
今回の恋(?)はいろんな事に目をつぶったまま、見切り発車をしてしまった…。

彼とのデートは、たった一度だけ。クリスマスイブの夜だった。
その日は女三人、あーでもない、こーでもないと男の話に花を咲かせながら、色気なく出前のラーメンを食べてた。
どーしてそんな事になったかっていうと・・・。
友達の一人が、イヴ当日にもかかわらず、彼氏と大喧嘩して号泣しながら部屋に飛び込んできたからよ。

イヴの夜…、女三人、ラーメンをすする…、言うまでもなく、かなり虚しい…。
が、しかし・・・・、そんな空気を馬鹿にするように、大騒ぎした女のケータイが鳴る。
そして、電話相手に甘い声…。どーやら彼と仲直りしたみたい。

そそくさと身支度をすると何事もなかったように部屋を出ていった。迷惑なヤツ…
台風の目が去った…。

残された二人でクラブに出かける。
すると、友人のケータイが鳴る。オトコからの呼び出しみたい。

通話中の彼女の横であたしのケータイも鳴る。…彼だ!
あたし達はそれぞれの待ち合わせ場所へと散った。

待ち合わせの店のバーカウンターに、彼がいる。
笑顔を作ってあたしは彼の隣に座る。  うーん( ̄~ ̄;)
だんだん顔は見慣れてきた。・・・が、しかし・・・・、

あたしの戸惑いなんてヤツはお構いなし。
2~3杯飲んでから誘われるままに彼の部屋へと向かった。
断る理由は何もない…だって彼、一応私の彼氏だし・・・・。

クリスマスイブの夜…、初めてのデート。

しかし…ときめきは無い。
大体にして彼、あたしの事好きなのかしら?(ちなみにあたしは好きじゃないケド)
地に足のつかない上滑りする言葉を並べながら、あたし達は初めての夜を過ごした。

この時、実は彼の気になる発言があった。

気になるというより…その時は“不可解”と感じたんだけど…
『やっぱりさぁ、キティちゃんとか好きなワケ?』って…突然ナニ?って感じ。
「どういう意味よ?」と思いながらもあたしは、そのまま眠りに就いた。

ケータイ電話のベルが鳴り響く。部屋は明るくなっていた。
隣には彼が眠っている…。時計に目をやると・・・、もう昼だ。
電話の主は、昨日クラブで別れた友人。
あたしの動向が気になっていたらしく頃合いを見計らって電話してきたらしい。
第一声から『やった?やった?』『何回?何回?』『よかった?』って…( ̄~ ̄)ξ
声が大きいから音が漏れてるっつーの!
ワンルームの彼の部屋じゃ何も話せない…
友人と待ち合わせをして、あたしは一先ず電話を切った。

クリスマス装飾の華やかなカフェで、あたし達はイブの出来事を報告しあった。
友人の散々なエピソードを一通り聞いて、あたしは昨夜の疑問を切り出した。
すると彼女『あ~、彼の元カノってキティラーだったんだよね~』って・・・、

なぁんだ。そーゆーコトぉ?

あたしはキティラーじゃないし、他の女の代わりなんて冗談じゃない。
盛り上がりを感じる間もなく、私の気持ちは一気に冷えた。

それ以来、彼とは会っていない。

べつに別れ話をしたわけじゃない。険悪になったわけでもない。
ただ、自然とお互いに離れていった。
クリスマス限定のイベント彼氏ってとこかしら。

そして、あたしは、理不尽だとは思うが・・・、キティちゃんが、嫌いになった。
台の短大に入学した18の春のお話。
結構厳しい両親の元から、生まれて初めて離れて暮らす事になった私。
ようやく訪れた「春」って感じ。どうせなら遊びたいじゃない。
女子短のこぢんまりしたサークルには気持ちが惹かれなかったので、他の大学のイベントサークルに入った。
ギリギリ、ディスコがあった時代。パラパラ第一世代ね。
ディスコ借り切って、学生集めてのイベント。

内容はもちろん、フライヤーもパー券の販売も自分達でやった。
しかもみんな結構マジなんで楽しかった。
イベント直前には本職気取りで、動員に必死になった。

そんな中、街頭に出てフライヤーを配ってたら・・・・・・、

出会っちゃったんだよね~。
一番町のど真ん中。
雑踏の中でキラリと光る〓いい男〓!

もしかしたら「いい男」なんて他にもいたかもしれないんだけど、ストップモーションがかかったみたいに、あたしにはその人しか目に入らなかった。
考えるよりも先に彼に向かって歩いてた。

後日、彼は『突然、知らない女が自分に向かって一直線に歩いてきたからビックリした』って言ってた。
そりゃそーだ〓
そんなコトするなんて、あたし自身驚いてるんだから。

初めて出会った彼なのに、イベントに誘うフリして電話番号を聞きだし、業務連絡を装って電話しちゃったりして・・・。

〓イベント後に会う約束を取り付けた〓
ここまでは、我ながら呆れるほど、とんとん拍子。

そしてイベント終了後、サークルの打ち上げもブッチして、彼と待ち合わせて海にドライブ。

海を見ながら何気ない会話をしているだけで楽しかった。
その流れで、何故か彼の部屋に行くことに・・・・。

とんとん拍子はいいけれど、ちょっと早過ぎじゃない???
マジで焦ったけど、ここであたふたするワケにいかないよね?
だって…誘ったのアタシだし…。
腹括って行ったわよ、彼の部屋。
男の部屋に行くだけなのに、どうして戦場に行くみたいな気合いよ?って言う人もいるけど、あたしにとっては大事件だったの。だって私、その時はまだ・・・未経験だったし・・・・。
でも言えな~い。そんなコト言えな~い。

だって……誘ったのアタシだし~・・・・。

覚悟は決めたものの少々怖気好きながら彼の部屋に乗り込んだ兵士のような私。

だけど、実はその夜は一緒に眠っただけ。
でも、Kissはしたかなぁ。これがFirstKissだったりしたんだけど、イマイチ記憶が薄い。

いろいろパニクっててなんだかわからなくなってたみたい。

初Kissをドラマチックにしっかりと覚えてる人っているけど、あたしのFirstKissはなんのドラマもないままに終わった。

彼の部屋にはその後何度か泊まりに行った。でも、エッチはしなかった。

なんとか回避し続けてた。
いろんな話をして、彼が同郷だとわかって親近感がわいた。
会う度にどんどんハマっていった。でも気になるコトが一つ。
毎晩決まった時間に電話が鳴る。
こーゆーのって一度気になりだすととことん気になる。
でも別に付き合ってるワケじゃないし、干渉はできないよね~。なんて悩みつつやっぱり聞いちゃった。だって、何となく…いや、確信があったんだ。きっと女だって。
「いつものあの電話、彼女から?」って聞いてみたら・・・・、案の定。
『そうだよ』ってアッサリとしたご返事…。やっぱりねぇ~。

でも、聞いてみたところで何にもできないんだよね。
だって、彼と私の間には何にもないんだもん。

宙ぶらりんのもやもや~、だけど、それなりに楽しい三ヶ月が過ぎた頃。

ふと目にした恋愛系雑誌に『彼と出会ってから初えっちまでの平均は三ヶ月』という記事が。
三ヶ月…
あたしもそろそろ腹括んなきゃいけないのかなぁ…

彼の機嫌を損ねながら毎回回避するのも大変だし、彼女の存在も気になる。

そして雑誌の記事。正直、このまま逃げ続けて彼が離れてしまうのが怖かった。

さようなら私のバージン〓
どの程ビックイベントよ〓って感じだけど、その〓、意を決してお泊りに行った。初めて彼の部屋に泊まった日と同じく、挑むような気持ちで〓


初体験は…緊張と動揺のまま…終わった
FirstKissと同じで、何が何だかわからないままに時間だけ過ぎちゃったみたい・・・。
みんなこんなもんなのかなぁ~?ていうか、あたし・・・、何やっちゃってんの?

次の朝、彼の部屋を出てから一人でいろいろ考えた。
エッチしたからって何も変わらない。あたしにとって彼は特別だけど彼にとってあたしは特別な存在ではない。
そんなコト初めからわかってたけど、いま思えば心の隅っこで期待してたのかな。

一緒に過ごして欲がでてきたのかも・・・。
『何やってんだろ…アタシ・・・』10分に一回くらい、そう思いながらため息ついてた。

一晩中考えて、彼に会うのをやめることにした。
女いるし、アタシの一方通行だし、不毛な恋だし。自分の為にならない。
大好きだけど、もうやめようって思った。
(いま思えば、この時点でもやっぱり私、空回ってんだけどね・・・)

泣きながら過ごして、なんとか普通の毎日を取り戻し、やがて一年が過ぎた。
一年間、恋愛する気にはなれなかった。彼への好きの気持ちを『あの男サイテー』って言って紛らわした。
でも、いろんなコトから逃げ回って、不完全燃焼でズルズルしてる私が、ホントはサイテーなんだと思った。

友人は気を使っていろんな男のコを紹介してくれた。
そんなある日、一番頼れる友達から、『今日はイチ押しだよ~。』って強力に誘われた。
そんな前フリで待ち合わせの店に行くと、そこには見覚えのある顔が…
一年前に諦めたハズの彼。
こんなところで再会しちゃった。『久しぶり』って、相変わらず軽い男・・・・。
けど、その変わらないっぷりに、またときめいてしまった・・・。(あたしのばかぁ~)
前の彼女とはもう別れたらしい。
「彼は過去の男」、行ってはいけないと思いつつ・・・・、ずずぅ~っと彼に引き込まれちゃう私。
これって、善くも悪くも運命かぁ~?

その後もホント、ズルズル・・・
彼にも『お前とはホント腐れ縁だよねぇ』と笑顔で語られる始末。

これも運命と、無駄な抵抗はせず甘んじて受け止めました。
男吹っ切るのもエネルギーいるのよ・・・。トホホな話でごめんなさい。
彼女が彼と出逢ったきっかけは、お友達の紹介で一緒にお食事に行ったことが始まり。
第一印象は、イマイチで、私好みとはほど遠く、不細工な奴だと思っていたけど、彼の熱意と昔からやっているというアイスホッケーの試合で、そのいつもとは違う姿に心奪われ、付き合う事になった。

そして順調に付き合い始めて1年。

北海道が実家の彼。
突然、彼ママが盛岡にやってくることになりました。

一緒に食事に誘われ、緊張しながらも3人で食事に行くことに・・・。

そこで見てしまいました!!

彼の超がつくほどのマザコンぶりを・・・・。

ホッケーをやっている彼は主将を務め、かなりリーダーシップ発揮。
後輩の面倒見もよく、下から慕われる男気ある感じなのに。

まず、レストランに出かけようと車に乗ろうとしました。
一応、彼ママを助手席に乗せようとは私も思っていましたが、逆に彼ママが私を助手席に座らせようとしたとき・・・彼が「お袋前に座れよ」と・・・・
まぁ、そこまではいいとして・・・
車が発車し、車中での会話は二人中心。私の入るすきはありまません。
しかも、一人後部座席に座っているため、身を乗り出して必死に話を聞かないと、しゃべっている内容も聞こえない・・・。

そして、レストランに到着。

レストランに入り、まず席に着こうとした時に思わず目がテンになりました。

彼は四人掛けテーブルに母親と二人並んで座っていたのです。
(つうか普通は彼女と並んですわるだろ・・・)
しかも上座・・・。言うまでもなくわたしは2人の向かいに一人しかも下座側に座りました・・・。

当然、ウエイトレスさんも上座の方から食器をだします。
すると彼ママが私をさして「こちらがお客様だからこちらから先にお出しして」と言うのです。
(彼のお家は病院を経営していてセレブなお家。ちょっとしたお作法を知らないはずがないのです)
いやがらせか何か?と思いつつも、気にせず食事をする事に。
すると好みの話になり「ひろこさんは好き嫌いはあるの」と聞かれ答えようと思ったら彼が
「こいつかなり偏食でさぁ」と・・・(っつうかお前が言うな!!)
するともっとびっくり!!彼ママが「もしかしてお母様はお料理があまりお得意ではないんじゃないかしら?」と。

正直に母親がお料理が出来ない事を言うと「あら!やっぱり!!お料理がお得意じゃないお母様のもとで育つと、偏食の子が多いのよ。だって嫌いな食べ物を食材そのままで出すでしょ?お料理ができるとそれを工夫してだすから自然と子供が口にするようになるのよ」

と言われ唖然・・・反論できないくらい正しい事を言っているのは分かっているけど、それを初対面のあたしに普通言うか!?

ちょっと顔をひきつかせつつ、受け流すことに。その時彼はうなずくばかり(本当に馬鹿親子だ・・・)

恐ろしいお食事も終わり、次は彼の日用品を買いにショッピング。
ここでも恐ろしい出来事が待っていました。
お店に到着して3人で店内を見ていました。3人で同じ所を見ていたつもりがあたしが「これ可愛いね」と言おうと品物を手に取り彼がいた方向を向くと、彼と彼ママは遠い向こうに行ってしまってるし・・・(ってか声かけろよ・・・)

どうにかこうにか買い物も終わり、お会計を済ませ袋詰めをしていた時、彼ママがそのうちの一つを持とうとしたら、彼が

「重いし持たなくていいよ」と母親の荷物を取り上げたので、さすがに私も男らしくて優しいじゃん!!って思いましたが、大間違い。。。

「ほら!ひろここれもって」って母親から取り上げた荷物+他の荷物を持たされ、またしても・・・

そんなこんなで酷い彼ママツアーに付き合わされ、ママはかわいい息子ちゃんとお食事をしてお買い物をして満足して札幌へ帰って行きました。

その夜、ずっと我慢してたせいもあり、彼と大ゲンカ。

そのまま彼のお家を飛び出して行きました。

そしてもう、彼からの連絡も出ないと決めて、何度連絡が来ても無視し続けました。

そんなこんなで2週間がたち、わたしはいつものように、夜フィットネスクラブで汗をかき、夜11時ころ帰宅しました。

すると、見覚えのある車が。

彼の車でした。よく見ると車の中が曇っています。

その日はクリスマスイヴ前日の23日。

彼はホッケーの練習の後家に来たらしいのですが車がなかったのを見て、待つことに。

でも、夜も遅かったし、エンジン音がうるさいと思い、寒い中エンジンを切って汗をかいた体にダウンジャケットを着て

私の帰りを待っていてくれたのです。しかも一時間以上も・・・。

冷え切った体で車の中から小さなブルーの箱を私に差し出しました。

中を開けてみると以前一緒にウィンドーショッピングをしている時に私が見ていた指輪でした。

どうしたの?

って聞いたら彼が「本当はクリスマスにあげたかったんだけど、どうしても仲直りするきっかけがクリスマス前にほしくてこれしか思いつかなかった」

って言われた瞬間、意志の弱いわたしはものにつられ彼を許してしまいました。

ちょっと感動したけど。

次の日のクリスマスイヴは彼からのプレゼントは前日にフライイングで貰ってしまってもう一つはなかったけど、二人で素敵なイヴを過ごしました。