うちの祖父母は
田舎町で自営業をしていて
もう喜寿になる

祖母は美人
鼻も高くて彫りが深い
今は少し白髪も目立つけど
赤い口紅がよく似合う
自慢のおばあちゃん

その旦那、つまり祖父
私とは血縁関係は、ない
数年前胃がんで倒れたが
今は完治して仕事に復帰している

物心ついたときから
本当の祖父ではない事は
教えられていた

私が幼い頃から
祖父の店は繁盛して裕福だった

おかげで回らない寿司しか
食べた事がなかった

回らない寿司を食べれる事は
ステータスと感じていたし
お店に行くと
他の客を差し置いてまで
マスターが祖父に挨拶をしにくる事が
幼心に気持ちよかった

始めて異変を感じたのは
まだ小学校入学前だった

飛行機ごっこと呼ばれる遊びのさなか
祖父の太い指は幼い私の下着の中にあった
尿意を催すと痛みがあった

誰かに助けてほしかった
でも、誰かに話すと
血の繋がりのない家族に亀裂が入ると
思って言えずにいた

再婚した祖母が傷つく
父として受け入れていない母も傷つく

家族が路頭に迷う、
回らない寿司も食べれなくなる
そう思った

離れて暮らしていた祖父母の家には
小学校の夏休みや冬休みに預けられる

真昼間の部屋
夜中の寝静まった部屋
車の中

人目を気にして息をあらげて
私の下着の中を触るんだ

その後に一万円のご褒美

言えなかった
結局中学生になって
泊りに行くこともなくなって
その行為はなくなった

その後も家族で回らない寿司を囲んで
みんなおいしいねって笑ってる

いつでも私はこの家族を
壊すことはできたけど
しなかった

よかったね、おいしいお寿司食べれて
もっと私に感謝しなよ


心が純粋な人間って実在するけど
そんな人間の気持ち
私にはわからない

でも

家族に愛されなくて
孤独な思いして
辛い経験をして

たくさん泣いて
枯れるまで泣いて

汚い汚れた身体を鏡でみて

こんな泣き方するために
経験値上げてきたわけじゃないのに
って思って、泣く

今は
きっといい事がある
きっと恵まれる

そう思いながら
紅葉を見つめて
また秋が来たかと
微笑んで泣く事ができる
人間になっている

一周まわってピュアになった
そう思える

心から純粋な人間より
より幸せを理解できる
人工的純粋人間



今の私は鬱だと思う
前向きになんてなれないからね

日本人離れしたこの顔のおかげで
ちやほやされてきたけど
それが災いして
この顔のせいで
大切な人の命を失った

人間の心も薄れてしまって
喜怒哀楽もほとんどない
すすきのに染まっていった

どんなに自分の気持ちを伝えたって
私の気持ちなんか理解できなくて
一瞬共感してくれるけど
誰も同感してくれる人はいない
繋がりも嫌い群がるのも大っ嫌い

だれも内面を見てくれない
着飾った外見が褒められるのは
もううんざり、くだらない

内面を見て欲しくてドンドン狂っていく

内面をみてくれる人じゃないと
上手く接することも出来なかった

内面をみてくれるならなんでもした

顔もいい性格もいい
あとは体型だけ
ピカピカに磨いてあげる

ってどっかの社長に言われた

浮き足立ってついてったら
犯された

だから今の私は鬱だと思う
心底惨めだよ
結局外見じゃなく
中身が騙しやすそうだったから
結果こうなったんだ

お金がほしいんじゃない私は
向いてない世界だったんだ

無知で才能も目標もない
外も中も出来損ないの私は
ただ安らぎが欲しかったんだと気づいた