因果はめぐる | 若狭勝オフィシャルブログ「法律家(Lawyer)、議員(Legislator)、そのL字路交差点に立って」Powered by Ameba

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現代のように世界各国間の利害や取引、交流が複雑に絡んでいる状況下では、
世界情勢に関わる外交において、何らかの政策や手段、行動をとった結果は、
必ずしも、当初に意図したとおりのものにはならない場合が少なくありません。

正確に因果関係を分析して先を読むことは、
ほぼ不可能であることは誰も異論ないと思います。

例えば、現在、テロの台風の目になっている中東のISは、
2003年のイラク戦争の結果、サダム=フセイン政権が倒れ、
武者落ちした残党によって建てられたとされていますが、
このような形でISが出現するなどとは、当時のアメリカの
指導者を始め、誰もが夢にも思っていなかったはずです。

現在、アメリカの次期大統領選の共和党予備選でトップを走る
ドナルド=トランプ氏は、隣国メキシコとの間に壁を築くと公約しています。
もし、仮にこの壁が実現されたら、どうなるでしょう?
その後の因果の流れは、誰も正確には読めないと思いますが、
仮説を1つ示しておきます。

アメリカは、メキシコから密輸入されるドラッグ・麻薬に頭を悩ませています。
メキシコ麻薬戦争という言葉を耳にしたことのある人も少なくないと思います。
もし、壁ができて、メキシコの麻薬密売組織(カルテル)がアメリカへの密輸を
簡単にできなくなってしまったら、代わりになる売り先として、
日本をターゲットの1つとするのではないか、と危惧されます。

これは、あくまで、勝手な予想に過ぎませんが、
ISの出現を誰も予期していなかったように、
トランプ氏の壁構想が、日本にどんな禍福をもたらすか、
今のところ簡単には予想がつきません。

過去に起こった事実の因果を解明する法律家と、
未来を予測して因果の流れを分析する政治家と、
求められる資質は、大きく異なります。
ある意味、これがL字路交差点のダイナミズムかもしれません。