危険な北朝鮮をどうするか | 若狭勝オフィシャルブログ「法律家(Lawyer)、議員(Legislator)、そのL字路交差点に立って」Powered by Ameba

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衆参両院において、本日1/8(金)、北朝鮮に対する非難・抗議が
全会一致で決議されました。
もちろん、かの国による一昨日の水爆実験実施の公表に対するものです。

かつて、私は、東京地検公安部長に就いていた当時、
拉致犯罪を含む北朝鮮関係の問題にも関わっておりましたので、
今回の暴挙を許してはならないという強い気持ちを抱くのは当然ですが、
L字路交差点らしく、(実務)法律家としての立場から思うことも多々あります。

犯罪抑止という観点から見れば、一般に重罰化はある程度の効果を期待できますから、
それとパラレルに考え、拉致問題で一旦緩めた制裁を強めるという方策もあり得ます。
ただ、重罰化だけで犯罪を根絶できていない実態からも明らかなように、
制裁一辺倒だけでは、北朝鮮の暴挙に対し、抜本的な事態打開は望めないと思います。

ところで、犯人の取調べにおいて自白を得る方法の一つに、
犯人の「心の天秤」に訴えるという手法があります。

これは、捜査官が犯人と話す中で、
「今ここで正直に話しておいた方が、後々(裁判などで)、有利だな」
といった気持ちを犯人に抱かせ、自発的に白状させるというものです。

必ずしも反省の気持ちから自白に至らなくてもよく、
犯人の戦略的な打算に基づくものでもよいのです。

北朝鮮に対しても、追加制裁などを力強く示す一方で、
「核の威嚇力に頼ると、ますます国際的に孤立して得策ではない」
と思わせ、長い目で見て何が得なのか
北朝鮮が悔い改めることはあり得ないので、あくまで打算に立って)、
天秤にかけさせる国際環境作りが何よりも必要だと考えます。