今年で25周年を迎える「わかさ生活」の社長 角谷が、従業員に話してくれる「豊かな心」になる話を毎週紹介します!
時間をかけて、苦労に苦労を重ねてやっと考えついたアイデアを他の人にマネされたとき、どんな気持ちになるでしょうか?
「ズルい!」と思うのが普通だと思います。マネをした人は、時間も手間もかけることなく、同じ場所に到達してしまうのですから、そう考えるのもわかります。
ところが特に仕事においては、マネをされるというのはよくあります。
だからこそ、特許や著作権などのルールがあるのですが、仕事に関わるすべての物事に仕組みがあり守られているわけではありません。
たとえば「あの人の営業のやり方はとってもスマートだから、マネしよう」「あの会社がつくったデザインはとても良かったから、マネしよう」といったことは、みなさんも経験したり、見たりしたことがあると思います。
しかし、実は「ズルい」「悔しい」と感じるどころか、マネしてもらった方が良い場合があるのです。
それは「自分が考えたもの」や「自分がやりたいこと」を世の中に広めたいときです。
自分だけでアイデアを抱えて、商品をつくって売るのには限界があります。良いものはいつか大勢の人に認められるでしょうが、どうしても時間がかかります。
ところが「これは良いな」とマネされるようなものをつくって、実際にマネをされれば、同じような商品がたくさん世の中に出回ります。
多くの人々の目にとまることにもなるので、世の中に知ってもらえることもそれだけ早く進みます。
わたしは心の底から「これは良いものだ」と考え、「自分の悩みも解決できるし、同じ悩みを持つ人も喜んでくれるだろう」という想いを込めて、『ブルーベリーアイ』を開発しました。
しかし当時、ブルーベリーはまったくといっていいほど知られていない果実だったため、世の中に広まりませんでした。
そこで良い商品をつくって売るだけではなく、「望む人には包み隠さず作り方を教える」ことにしたのです。
すると、「中身を知って良い商品だとわかった」「これなら自分達でもマネできそうだ」と、他の会社からもブルーベリーを使った商品がたくさん販売されるようになりました。
もちろん、わかさ生活の商品は他社のものに負けないように、常に最高の品質となるよう努力し続けました。
そうした結果、ブルーベリーを使った商品が世の中に知られるようになり、商品を欲しいと思ってくださる人が増えていきました。
つまり“市場(マーケット)が出来た”のです。
作り方をひた隠しにして自分たちだけで売っていたら、これだけ広く早くブルーベリーの良さが世の中に知られることはなかったと思います。
また、マネされるような良いものでなければ、世の中には浸透しなかったでしょう。
だから、わたしは何かを始めるときは「マネをされるためには、どうすればいいか?」を考えます。
苦労して考えたアイデアがマネをされた時は「悔しい」とは思わずに、「やった!マネをされてる!このアイデアは良かったんだ!」と認めてもらえたと喜ぶようにしています。