今年で25周年を迎える「わかさ生活」の社長 角谷が従業員に話してくれた、「ためになる話」を毎週紹介します!
あなたは、仕事でもプライベートでも「自分の思っていることが、自分のイメージしているように相手に伝わればいいのに」と思うことはありませんか?
わたしは、そのような時は『伝えたいことを物語にする』ようにしています。
毎日の生活の中で、自身の記憶に残っていることは何があるか、思い出してみてください。現代はたくさんの情報があふれています。
しかし、人の印象に残る情報とは“体験”に基づいているのです。
例えば、ある商品の説明書があります。
その説明書に商品の機能が小難しく書かれている場合と、その商品の機能をどんな想いを込めて作ったかが物語として書かれている場合とでは、記憶への残り方が変わってきますよね。
“説明”ではなく、“共感・納得”をしてもらうことが大事です。
相手に伝えるためのプロセスには『物語』が欠かせません。
わたしが「物語にして伝える」ことの大切さを感じたのは、初めて就職した会社でのことでした。
その会社は百貨店や大きなスーパーマーケットで、いろいろな雑貨品を実演販売することが仕事でした。
入社当時のわたしは、倉庫整理をしていました。
「寮付き」という求人に惹かれて就職しましたが、入社初日に案内されたのは、商品を管理している倉庫。
結局、空いているスペースで段ボールの上に布団を敷いて寝泊まりをしました。
毎日、その倉庫から商品を出したり戻したりを繰り返していると、どの品物が何個あるか、どこにあるのか、自然と覚えてしまいました。
中には、何回出しても売れずに戻ってきて場所を塞ぎ、わたしの寝室を狭くする商品がありました。
それが「2,400円のフライパン」でした。
今では当たり前の特殊加工技術ですが、そのフライパンは「少ない油でも焼ける」「焦げ付きにくい」「持ち手が熱くならなくて安心」といった特長が売りでした。
しかし、料理をしないわたしには、そのメリットがわかりませんでした。
先輩社員に「あのフライパン、売れないんですね?」と聞いてみても「ありゃダメだ。店長が売っても売れなかったんだから。しばらく置いておくしかないね」と言われました。
販売部署のトップであり、最も実績をあげている店長でも売ることができないフライパンだと言うのです。
わたしは、毎日フライパンと寝食をともにしているうちに、だんだん「どうにかならないかな」という気持ちになっていきました。
~次回に続く~