さて、抗がん剤はその種類によっては、EVを起こしたときにその障害の程度に違いが生じます。
ざっくり言うと「起壊死性(壊死をおこす)」か、「炎症性(炎症をおこすが、壊死はおこさない)」あるいは「非炎症性(壊死も炎症もおこさない)」です。
ところが、「炎症性」の抗がん剤の中には場合によっては壊死が生じるものもあります。
以下は一部ですが
起壊死性 カルセド、タキソール、タキソテール、ドキシル等
炎症性 トポテシン、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、ジェムザール、
5- FU等
非炎症性 アバスチン、ハーセプチン、アービタックス、アムリタ 等
となっています。
炎症性の抗がん剤のなかでも、プラチナ系のシスプラチン、オキサリプラチンは壊死を起こすこともあるとのことです。(他にもありますが)
壊死すると、その患部を外科的に処置しなければいけない場合もあります。
デブリ(デブリードマン)といって、手術によってその部分を取る、ということです。
ここで、過去の医療事故についてかいつまんで記載します。
『2012年12月、兵庫県加古川医療センターで、60代の乳がん患者にCVポートから抗がん剤を投与中に、皮下組織に抗がん剤が漏れる事故がありました。
結果的に女性の左胸に重度の皮膚潰瘍ができ、左乳房を切除し皮膚移植をしました。
県はミスをみとめ、この女性と和解しています。』
この女性は、左乳房をデブリしたのですね。
さてさて、私の場合はというと…
左胸は見事に腫れあがり、なんと乳房の内部にも薬剤によるものと思われるしこりが生じました。(今もまだしこりはあります)
腫れあがった胸部は硬くなり、EV当初は横になって眠ることができず、座ったまま寝るしかありませんでした。
当然、痛みも強くオキシコンチンがでました。
さらに痛みや腫れには対症療法しかなく、要するに時間が経過するのを待つ。
今でも腫れと痛みがたまにありますが、だいぶ楽にはなりました。
ただ、今後もしかしたら壊死の可能性も否定はできない、とのこと。
一番の不安は、これが今後の治療にどう影響するのか。
左肺に転移したりしたら、どうする?ということ。
でも、今から心配してもしかたがないので、心配はやめました。
『だから、あすのための心配は無用です。
あすのことはあすが心配します。
労苦はその日その日に、十分あります。』 マタイの福音書 6:34