「古事記」「日本書紀」の元となったと言われる「秀真伝(ホツマツタヱ)」に書かれている内容をもう少し知りたくて、図書館で2冊借りてきました。

 

筆者の鳥居礼さんは「秀真伝」に関する著書を数多く出されている研究者さんで日本画家。

『知られざる古代日本』の本の中の絵も、著者さんによるものです(モノクロなのが残念)。

 

『「秀真伝」が明かす超古代の秘密』が平成5年(1993年)、『知られざる古代日本』は平成11年(1999年)の発行で、もう25年前の本なのですが、私個人的には新しい発見がたくさんある本でした。

 

 

"中国式法体系"である律令制と仏教の興隆によって消されてしまった日本固有の「民族信仰」を伝える『秀真伝』。『古事記』『日本書紀』に書かれた日本神話と『秀真伝』の超古代伝承を比較し、日本神話の奥にひそむ謎をときあかす。

1つのタイトルが見開き2ページにまとめられているので、気になったタイトルから読んでもいいし、写真や図表なども挿入されていて、とても丁寧にわかりやすく解説されていました。

 

著者が「まえがき」で書いているように、「古事記」「日本書紀」の欠落や、不整合部分を明らかにできる文献が『秀真伝』。

律令制時代に成立した「記」「紀」には、「国史」としての体面を整えるため、「民族伝承」が多く割愛されているのだそう。

 

確かに、この本を読むと、天孫降臨・国生み神話・記紀に富士山が出てこない訳・高天原がどこにあったのか等々の謎をはじめ、ソサノヲ(スサノヲ)のオロチ退治の実際なども、なるほどと思う内容です。

 

また、縄文時代の暮らしが私たちのイメージより豊かで文化的だったというのも、そうであれば素敵だと思います。

 

「秀真伝」の内容が、事実であったかどうかということよりも、この文献を記した祖先たちに対し、日本人として誇らしく思えることが重要な気がします。

 

そういう意味では、もう1冊の『知られざる古代日本』のほうは、「秀真伝」の解説書というより、そこから学ぶべき精神性のほうに重点が置かれていて、思想書もしくは哲学書のようでした。

 

 

 

『古事記』『日本書紀』以前に編纂された古代文献『ホツマツタエ』。秘められた古代日本の驚くべき叡智と、日本人の本質とは何か。

『「秀真伝」が明かす超古代の秘密』と内容的に重複している部分がありますが、読んだ感覚は全然違っていました。

 

こちらを先に読んだのですが、逆のほうがよかったと感じています。

 

ここから個人的な考えですが…、

 

歴史の流れは逆戻りはできません。

古代の日本をリードしていた人々(神々)が、調和(「和す(やわす)」をもっとも重要であると考えるのは素晴らしいと思うし、その崇高な精神性も素晴らしいと思うのです。

けれど、「秀真伝」に描かれている考え方がどんなに素晴らしくても、そのままを現代で実現することはできないと思うのです。

 

その素晴らしい教えの核を、どう取り入れていくのが日本人らしく、日本人として誇りを持てるのか、そちらが大切なんじゃないかと思いました。

 

戦後の我が国の自虐史観から脱却するためにも、もっと多くの人に「秀真伝(ホツマツタヱ)」の内容が知られるようになるといいなと思います。

 

 

 

鳥居礼さんの御本を読んで、「秀真伝(ホツマツタヱ)」の内容に触れることができ、とても勉強になりました

 

神社に祀られている神々の本当の顔を覗けたような(何が本当なのかはわかりませんが)、そんな気分です。