雨穴さんのYouTubeは好きで、更新を楽しみに見させてもらっています。
ホラー系ですが、謎解き要素も多めのエンターテイメント。
家の見取り図から奇妙な真実にたどり着く『変な家』に続き書籍化された『変な絵』は、ちょっと気味の悪い<絵>をめぐるミステリーホラーです。
面白くて一気読みしてしまいました。
45万部突破! ホラー作家兼YouTuberである雨穴氏による、自身初となる11万字書き下ろし「長編小説」! タイトルは『変な絵』。 あなたも、何かがおかしい9枚の絵の「謎」が解けますか?
とあるブログに投稿された『風に立つ女の絵』、消えた男児が描いた『灰色に塗りつぶされたマンションの絵』、山奥で見つかった遺体が残した『震えた線で描かれた山並みの絵』……。 いったい、彼らは何を伝えたかったのか――。
9枚の奇妙な絵に秘められた衝撃の真実とは!? その謎が解けたとき、すべての事件が一つに繋がる! 今、最も注目を集めるホラー作家が描く、戦慄の国民的スケッチ・ミステリー!
不穏なブログに掲載されたイラストに隠された真実(第1章 風に立つ女の姿)、マンションの自分の部屋を塗りつぶした男の子の絵が意味するもの(第2章 部屋を覆う、もやの絵)、惨殺された高校教師が最後に書いた山並みの絵(第3章 美術教師 最期の絵)、そして最終章 文鳥を守る樹の絵。
ちなみに第1章で登場するブログは、こちら。
(ちゃんと用意されているのもスゴイ)
ひとつひとつの物語は時系列もバラバラで独立しているように見えて、実は繋がっている。
それも、「あれ?もしかして?」と読者にそっと気づかせる演出も心憎い。
<絵>というメッセージ性の強い素材に着目したのも上手いなぁと思います。
ですが、雨穴さんのYouTubeを観たことのある方なら想定内だと思いますが、心理的に結構怖いです。
共通テーマの<絵>から、長年にわたる悲しい出来事が最後に1本のライン上に整列する様は、お見事。
ドラマとしても、ひとりの女性の哀しい生涯が映し出されており、心理ドラマにもなっています。
もっと軽い内容を想像していたのですが、ストーリー、叙述トリックともに充実した内容で読ませます。
読後感はスッキリです。
面白いので、一気に読めると思います。
この絵の仕掛けが解けますか?『変な絵』 第一章