新本格ムーヴメントがこの作品から始まった…と言われている綾辻行人さんの「十角館の殺人」が世に出て30年
それを記念したイベントや出版が盛り上がっています(一部で)
9/9には京都の大垣書店で『7人の名探偵』(講談社ノベルズ)の発売を記念してのトークショー<5人の名探偵>も催され、綾辻行人さん、有栖川有栖さん、法月綸太郎さん、我孫子武丸さん、麻耶雄嵩さんが登壇。
参加してきました
(そちらの模様はまた別のブログで…)
その折に、『7人の名探偵』を購入したのですが、図書館本を先に読んでしまわないといけなかったため、ようやっと読了と相成りました
ラインナップされているミステリ作家さんは、みなさん個性的で魅力的な作家さんばかり
すべて書き下ろしで、このボリューム、内容で定価1,000円(税込1,080円)はお買い得です
作品は、デビューが遅い(最近)の作家さんから順に並んでいます。
どこから読んでもいいと思いますが、やはり、綾辻さんの作品は最後に読むのがいいのではないかと…頭から順に読んだわたしの感想です
以下、一口感想です。
ネタばれはしていないつもりですが…念のためご注意ください
麻耶雄嵩「水曜日と金曜日が嫌い―大鏡家殺人事件―」
メルカトルのツンデレ(?)具合といい、動機の曖昧さといい、最後のオチが笑えないところといい、面白かったのです。
山口雅也「毒饅頭怖い 推理の一問題」
オチがある!ミステリと落語(漫談)のミクスチャー。落語も好きなので「落語魅拾理全集」を読んでみたくなりました。
我孫子武丸「プロジェクト:シャーロック」
SFちっくな近未来もの。そうなればこう来るんじゃないか、というジワジワ迫ってくる感じ。
有栖川有栖「船長が死んだ夜」
出だしの掴みは流石大阪の先生(笑)読み応えのある中編。
現場から消えたもの、の着眼点が火村准教授、流石だなぁと。
法月綸太郎「あべこべの遺書」
安楽椅子探偵・綸太郎と警視の会話だけで謎を解いていく定番もの。途中で頭がこんがらがって(笑)数ページ戻って読み直したりしてしまいました。
歌野晶午「天才少年の見た夢は」
近未来SF(?)ながらちょっと現実に起きそうで怖いお話。真犯人探しよりも、ラストで全体が見えた時、唸りました。
綾辻行人「仮題・ぬえの密室」
他とはちょっと色が違う作品ながら、綾辻さんファンには楽しめます。ラストにおもわずニンマリ
ちなみに、挟み込まれている新本格しおりガチャ、わたしは、有栖川有栖先生の「月光ゲーム」でした