器って、美しい
私はとにかく器が大好きです
『酒井若菜と8人の男たち』の次回作は、〜女たちがもちろん有力で、とっても作りたいですが、私は
『酒井若菜と器作家たち』を実はめっちゃ推しています

NHKの番組で、金沢在住のガラス職人さんたちにお会いしてきたのは一年と少し前

大迫由紀さんの、冬をイメージさせる繊細な器たち、美しいんです  めちゃくちゃ可愛い
大迫さんの器でお水やお酒を飲んだら、夏には涼しく、冬には温もりを感じるだろうと思った
河野千種さんの、とっても細かなオブジェは、圧巻だった
アクセサリー欲しい
ほいで、西山芳浩さんの、伝統を大事にしながらも新しさも感じる器たち
西山さんの作品は、金沢で買える機会があったのに、ギリギリで買い逃してしまった私
この一年ずっと、買ってくればよかったぁ!と思っていた

皆さんが東京で個展をするときに、事務所にインビテーションを送ってくれたりしていたのに、ぜんぶ行けなかった私
よくあるうわべの口約束みたいで本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだったのだけど、
いま、青山のお店で期間限定で西山さんの個展が開催されていることを知りダッシュ
残念ながら西山さんにはお会いできなかったけれど、店員さんに伝言だけお願いしてきました
お伝えいただけるといいな
「よろしくお伝えください」としか言ってないけど 汗

西山さんの器の特徴は、手への馴染み
持った瞬間に「優しい」と感じる
大げさではなく、心臓がトクンと音を立てるのがわかる
ガラスを写真に映すのは難しいけど、見た目も抜群に美しいです
私は、グラスやお猪口や花器を連れて帰ってきました
そうそうこの感じ
逢いたかったよぉ〜
と自宅で並べた瞬間、声に出してしまいました
皆さんにも、実物を見て、触れてほしいです
美術館で惚れた絵はなかなか買えないけれど
器はね、買えるから
しかも、生活の一部になるから

実はね、元々ガラスの器も好きだったのだけど、震災のときにぜんぶ割れてしまって、以降、なかなか買えなかったんです
そのあとに大地真央さんがプレゼントしてくださったバカラのグラスだけ、だいじに持っていて
シャンパングラスは来客用に買っていたけれど、あくまで来客用なので普段はまったく使わず
いわゆる日常的にお水や冷茶を飲むときに使うグラスを持っていなくて
なぜガラスのグラスを震災以降、極力持たなかったかというと、割れたときに、どれがどの破片なのか、わからなかったことが悲しかったんです
一緒に暮らしてきたのにわからないなんて、と
私が焼き物の陶磁器ばかりを集めだしたのは、まあ料理が好きだということもあるけれど、割れたときに、どれがどの破片なのか、わかるだろうということもあって
お水や冷茶を飲むのは、ここ数年もっぱら蕎麦猪口でした
蕎麦猪口大好きだけど、やっぱり冷たい飲み物はガラスのグラスが良い!ひとつくらいグラス欲しい!
と思って、先月800円のを買ったんだけど、昨日の朝割ってしまったところでした
もちろん、ひとつしかないので、なんの破片かわかりました
当たり前だけど、なるほど、と思ってしまった(昔どれだけ持ってたんだ、って話よね)
ほんとうに好きだと思えるものを見つけよう
そう思ったら、たまたま西山さんの器が青山に来てることを知って、運命を感じた、というわけです

金沢の山の中にある工房で創作過程を見せてもらったとき、撮影の都合上、創作工程を途中でとめてもらわなければならなかったり、何度もおなじ作業を繰り返してもらったりして、心が苦しかったところも正直あったのだけれど、西山さんは嫌な顔ひとつ見せず、丁寧に対応してくださいました
ガラスってね、数秒が勝負なんですよ
西山さんだけでなく、職人の皆さんは、一瞬にかける集中力がすごかったの
その緊張感は、見てる私が思わず息を止めてしまうくらい
そんな一瞬の勝負を途中でとめたりしたら、当然作品にならないわけです
でも何度もこちらのリクエストに応えてくださいました

私は、どんなに作品が素晴らしくても、人柄が良くないと作品まで愛せなくなってしまって
「人柄は悪いけど、作品がいいからさ」とは思えなくて
それは器でも音楽でもドラマでもそうです
でも、それってこじつけじゃなくて、よーく見極めていくと、「やだな」と思ったその人の要素って、必ず作品に潜んでるんです
だからこそ、西山さんの器は、信頼できる
心が美しい人の作品は、手に取るだけで幸せになれる

金沢の、人の気が入り乱れていない静かな山奥で創ったものが、人の気が入り乱れている東京の、中でも特別に洒落た青山のお店に置いてある
それ、ものすごく美しい光景でした
かっこいいね
私が今回連れ帰ったのは、写真では伝わらないかもしれないけど、一番左のグラス以外は、みんなが想像するよりたぶん華奢なの
よぉく見ると、薄さが全然違うんだよ
右のグラスの手の馴染み、ほんとびっくりすると思う
で、ちっちゃくて品があるの
私の手でも、指が回りそうなくらい
それもあって、女性の手にも馴染むのだと思う
抜群のサイズ感と手触り
これからこの器たちと一緒に暮らせるなんて、幸せ

取材のときは、大迫さんも河野さんも、丁寧に丁寧に、対応してくださいました
二人の作品とも、また再会できますように

あ、ちなみに、西山さんと大迫さんは、おなじ工房で創作してらっしゃいました
すごいね!!
また見学に行きたいな

おおお!一晩越えて、いまちらっと見たら、陽が入ってめっちゃ美しい!
昨日も思ったけど、このガラスたち、写真加工いらずだなぁ
ああ、食器棚にしまうのやだなぁ
ずっと見ていたい
でも、よし!今日から使うぞ!

昨日は、せっかく青山に行ったので、菓匠 菊屋さんへ
向田邦子さんのエッセイにも登場する夏季限定の水ようかんと、向田さんがよく買われていたという、四季の友を


まぁ、青山しょっちゅういるけど  へへ
昨日の骨董通りはアツかった
久しぶりに、いいお買い物ができた気がします

明日も良き一日を

あらためまして

ごきげんよう