病を伝えたいわけではない、と言われていた
病める人を救う酒井さんの言葉を伝えたいと

病は関係ないのですか?かつて本の出版のPRで「ヒキがある」という理由で勝手に病を宣伝文句として利用されたことがとても悲しかったので、またそうなるのではと懸念してしまうんです
と話した。

そんなわけありません
私たちはゴシップな世界とは別です
スキャンダラスな伝えかたをするわけがありません
酒井さんの病については、酒井さんが発する言葉には自身の人生経験があって…ということの例として説明でいれる程度です
と返ってきた。

ではあくまでも、私の病ではなく、“病める人を救う言葉”をコンセプトにするということですね
絶対に病を利用しないですね?
と話した。

するわけありません
まったく触れなくはないけれど
放送前に編集に手を入れてもらってもいいですよ
と返ってきた。

わかりました
くれぐれも、「病だから文章を書いている」とか「病と闘いながら文章を書いている」「病なのに文章を書いている」など、文章と病を結びつけないでくださいね
病じゃなくても、私は文章を書いていたでしょうから
と念を押した。

と。
打ち合わせでの会話。
私は、
出演の条件として、私の書く言葉は、病の経験から書けることも確かにあると思うけど、病や休業があったから文章を書いているわけではないのでそこを都合よく結びつけないでほしいということ、
それから、
編集したVTRを事前に確認させていただくこと、
などをあげ、先方にも受け入れていただいた上で、慎重に進めさせていただきました
そして番組が出来上がり、私は細かにチェックしました
20代の頃に書いた言葉の引用が多かったので、
20代は膠原病より休業のほうが精神負担は大きかったですよ、
と話しても、ディレクターの子には全てを理解し番組に反映することはなかなか難しかったようです
私は、予告VTRまでチェックをし、この期に及んで主張されていた「病と闘いながら〜」といったような文言をカットしました
しかし、いざ見た告知では、病気、病気、病気

また病を宣伝文句に利用されたように感じてしまい、
なかなか受け入れられず、放送の告知ができませんでした
しかし、放送後に、母が労いの言葉をかけてくれて、ようやく受け入れられるようになってきました
いや、母に知られた以上は、“おんなじ”なのです
母に心配や悲しみを与えないことを第一に考えている私は、それが理由でこのブログで告知をしなかったところも大きかったけれど、その肝心の母が観た以上は、もはや、ね
間も無く再放送です
NHKのEテレです
とて心が痛むので、番組名は控えさせていただきます

病を扱う番組に出演する人は、病を受け入れたり、乗り越えたかたが多いと思います
しかし私はまだ、完全に病を受け入れられていません
でも番組でも話している通り、
“向き合うしかないことには向き合える”
と思っているので、番組に携わる上で幾度となく登場する、病気、病気という文言にいちいちズキズキしていましたが、ようやく告知まで辿り着きました 笑

再放送にあたり、公式での告知文は、
“リウマチなどを発症する膠原病を抱えている女優の酒井若菜さん「私もちゃんと病めるということは、誰かのことを支えたり、寄り添える権利を持っているという事かも知れない」酒井さんが紡いだ文章に心を傾けてみる。再放送。”
とのことです
おいっ  笑
この「病める」とは、膠原病ではなく、心を病める、という意味で、言い換えれば「心を痛めた」ということです
ブログ読者には一目瞭然の事実ですが、やはり膠原病のことを指しているようにしか取れない作りになっていました  面白いね

病を取り上げるなら、まずその病の勉強をしてほしかったな

ディレクターは若い女の子なのだが、私のブログの大ファンだそうで、今回のオファーは、たいへん熱烈なものでした
それはすごく嬉しかった
もしかすると「リハビリ・介護を生きる」という番組タイトルだから(言っちゃった)、病関係を入れ込まないと、企画が通らなかったのかもしれないね ふふっ 
しかし、翌日の別のかたとの2日連続という括りだったからだと思うけど、「病とともに 酒井若菜」って回タイトル
おいおいおーーいっ 笑
ま、打ち合わせでは、上司のかたたちは病に固執してない心優しいかたたちで、むしろ彼女が病と言葉を繋げていて、「病にも触れたい」と主張していたけれど
それが番組コンセプトへの忠実さだとしたら、と考えると、可愛いね

元々、「番組に出演して感じたこと」というようなタイトルでエッセイを書き下ろして番組で披露してほしいとリクエストされていましたが、間に合わなかったのでここに書くことにしました

ドラマの現場に密着もしていただきましたが(気づかなかった)、撮影現場での自分の暗さを初めて客観的に見て度肝を抜かれたり、友人の西原亜希ちゃんがコメント協力をしてくれたり、自分では見たことのない自分像を見せてくださった番組に、感謝してます
ありがとうございました
だけどね、私は大きな再認識をしたのです
以下、私なりの「番組に出演して感じたこと」のエッセイです

私はやはり、自分の不幸や悲しみを振りかざすことが、得意じゃない





明日も良き一日を

ごきげんよう