お騒がせしてますか?
急な質問すみません。

一応、本が誤解をされてしまうと本望ではありませんので、少々訂正させていただきます。

膠原病であることは事実です。
難病指定されている、というとおっかない感じがどうしたってしますけれど、当の本人は、至ってのほほんとしております。
「病気に負けない」「命の大切さ伝えるため公表決断」
と見出しに書かれていたようですが、これは、本を読んでいただければ分かることですが、病気に負けない、とはたぶん言ってないです。負けませんけど。
命の大切さを伝えるために、公表決断をしたわけではありません。だって普通に生きてますし。決断、というほど公表することに葛藤もしてませんでしたし。

まず申し上げたいのは、『酒井若菜と8人の男たち』は、病気告白本ではまっっったくないということです。
確かに本の中で持病について話していますが、この本のジャンルは、病気告白本では決してありません。
それに、メルマガではずいぶん前から思いっきり書いていました。
そういう意味では、そこに触れずに文章の感想をSNSに書いていたメルマガ読者の「読み方」のうまさはさすがですね。
メルマガをお読みになっているかたは、とっくに私の膠原病のことはご存知でしたもんね。

今回の経緯としては、キャッチーな部分を、つまりこの本でいうところの病気ですね、そこをPRのかたが良かれと思って大々的にマスコミにお伝えしていることを昨夜知り、本の趣旨とズレている旨を伝えたのですが、今朝ニュースが出るまでには直しが間に合わなかった、ということです。
なので、諸々憶測で記事を書かれやすい私ですが、今回に限っては、憶測で記者のかたが勝手に書いたわけではなく、PR資料を読んだ上で、それに乗っ取って忠実に書いてくださったものです。
PRのかたも、もちろん悪気はありません。むしろプロフェッショナルな視点で、何がキャッチーかを考えて資料を作成してくださっただけです。
不本意だったのは、本の趣旨と明らかにズレていたことと、あくまで本の中に忍ばせておきたかった病気を勝手に宣伝文句として使われてしまったデリカシーのなさと、私のマネージャーがその資料についてオッケーを出す前に、編集の子が独断で進めてしまっていたことです。
もちろん編集の子にも、全く悪気はありません。
史上稀に見る天然ボーイなだけです。
悪者はいません。
強いて言うならば「本を売るためならなんでもする」という私の野心が欠けていることが問題かもしれませんが。笑

病気についてですが、あくまでも病気告白本ではないので、本の中でもさほど深く掘り下げて書いているわけではない故、2015年に発症、とサラッと話しているだけですが、正確にここで説明しますと、まず膠原病というのは、一つの病気を指すのではなく、総称のことです。
ですので、一口に膠原病と言うのは非常に難しいことで、人によって病名も違えば、症状も異なります。
私は19才の時分、膠原病のうちの二つに罹りましたが、当時は私の症状を完治させる治療薬がなかったこともありましたし、治療する必要もない程度だったので、定期的に検査だけをしに通院はしていました。
なので、一応その時点ですでに発症はしていました。
そして昨年、またもう一つ、新たに罹り、今度は治療が必要になったので、現在通院を再開して治療をしているということです。

大層辛かろう、と今日は朝からメールが山のように届いていますが、あの…全然だいじょうぶです。
この一年で、4本連ドラやってますし。
なんならこの16年、普通に仕事してますし。
去年は体が痛かったので、なかなかのズドーーンっぷりであったことは事実ですが、今は数値も安定していて、ふっっっつーーーです。
ズドーーンというメンタル具合では今は全くありません。

それでね、芸能人の病気告白というのは、勇気づけられるかたももちろんたくさんいらっしゃいますが、その深刻さから、壮絶な悲劇としてお客さんに伝わることがとても多いですね。
病というのは、体と共に、時にはメンタルが先に、ズドーーンときますから。
しかし「病気だけど、仕事もできるし、毎日楽しく過ごしてますよー」というパターンの告白があってもいいような気がするんです。
私はそのタイプで、病気は病気だけど、ゲラッゲラ笑いながら日々を過ごしています。
そんなパターンもあります。

この本は、インタビュー本ではなく、対談本です。
本では8人の男たちが、本当に、これでもか!というくらい諸々を晒してくれているので、私だけ何も晒さないのは、なんだかズルいような気がして、私も持病があることを晒しました。
そりゃ酒井もそうするわな、と読者にも感じていただけること必至な、剥き出しの本です。
8人の男たちが晒してくださったものは、本でお読みいただくことがベストですので、代わりに私の病気が、先行して今日ドカーンと出てしまったのも、そう考えれば納得がいきます。

想定外にも「これを機会に膠原病をもっと沢山の人に知ってほしい」という声が多く届いています。
しかし、現在私の心の中を大きく占めているのは、病気ではありません。
しかし、病を患って最初に感じるのが「恐怖」だということも、私の経験上、分かるつもりです。
仕事上、私の場合は、励ましの言葉を頂戴する機会も多いですが、一方で、ごく稀に「死亡決定~」などの言葉も頂戴しています。今回はさすがにほぼありませんが。
私は怒りも傷つきもしませんので、無知に人の命を決める浅はかさに、楽しそうで何より、とも思いますが、それは私がこの仕事をしているからで、普通に考えれば、言葉というのは本来、人の心を大きく左右する力があるものです。
とてもとても、大切なものです。
膠原病を患っているご友人やご家族がいるかたは、もちろん症状の重さにもよるという前提ですけれど、深刻性を伝えることで怯えさせてしまわぬよう留意し(それは本人が一番痛感していますから)、この病気の治療法がここ数年で著しく発達していること、「酒井若菜、膠原病のうち3つの病気に罹ってるけど、ぜんっぜん普通に仕事してるらしいよ。あの人、気楽なもんだね。でも気楽って、意外と大事なことなのかもね」とお伝えください。
病気でも、病気じゃなくても、気楽、というのは、生きていくコツなのではないかな、と思うのです。


以上


皆さまいかがお過ごしですか
私は花粉症に負けてます
こちらには完敗しています
今の最大の敵は膠原病じゃなくて花粉です
インフルエンザも流行っています
季節の変わり目、ご自愛ください
私は元気です

明日も良き一日を


ごきげんよう