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写真は、いただいたお花と、ダラ会にも持っていった手作りチーズケーキ。


去年。
ひどく心を痛めた人がいた。
その人は、あまりにも残酷な思いをしていた。
私は去年、その人と毎日連絡をとっていた。
その友人とは、七年前にケンカ別れをしたきりだったのだけれど、とあることを機に契約を結んだ。
契約とは、
「友人が元気になったら、私は必ずいなくなる」
ということ。
それは、私が提案したものだった。
数ヶ月後、
旅行でもしたいね、と話した。
友人は「その頃には元気になってることを祈ってて」と言った。
私は「元気になったとき、って、それ、私がいなくなるときじゃん」と笑ったら、
友人は「友達だから、約束とか、いい」と言った。

約束は守らないといけない。
そう思いつつ、私の口から出た言葉は「いいの?」だった。
友人は「いいの」と言った。

忘れなければいけない記憶も、あると思う。
私は「友人が元気になった時、全てを忘れてくれたらいいな」と思っていた。
しんどい期間を象徴する具体的な形あるもの、つまり、その期間を共有した「私」と縁を切ることで、辛い過去を捨てることが可能になるのだ、と思っていた。
だけど友人は、私と縁を切らなかった。
こんなに嬉しい契約破棄は始めてだった。

いつしか友人は、元気を取り戻した。

今年の三月。
深夜4時。
友人に無理を言って、一時間だけドライブをしてもらった。
前年、毎日連絡はとっていたものの一度も会わなかったので、それは実に七年ぶり、ケンカ別れ後初の再会だった。
私は水を二つ持って家を出た。
車に乗ると、水を差し出す前に、友人がお茶を差し出してくれた。
「ノンカフェインだから、大丈夫だよ」
その言葉で、友人が私の不眠症を気遣ってくれていたことを知った。

ずっと、助けていたつもりだった。

お互いさま

この時私は、私たちにピッタリの言葉を見つけた。



若菜ちゃんは、辛いとき、誰に相談するの?

よく聞かれる質問。
そうね。
「ねーねーどう思う?」
という話し方はするけれど、
「しんどいよ」
と体重を全部預けるような相談、してないなー。

私を支え、救い続けてくれた、このブログに何十回も出てきたある尊敬している友人。
今年の春「桜々の涙そうそう」という記事を書いてから、一度も出てきてなかったその人。
今だって、その友人は私にとって「希望」で、あまりにも大好きで、あまりにも大切なことは変わらない。
だけど来年の春は、笑って桜を見るにはやっぱりまだ早いみたい。
まだまだその友人が、私には必要なんだもの。

いやだな、もう。


その友人にしか、きっと私は、守られることを選べない。


だけど、ノンカフェインの夜を過ごした友人と再会できたり、たくさんの人が死にたくなった時連絡をくれるようになったのは、そのある尊敬している友人が私を強くしてくれたからだと思う。


ブログを読んでくれている友人達が、当時、誰一人としてその記事について聞いてこないでいてくれたこと。
感謝してます。


私はどうやら、芸術家肌や天才肌、あるいはスターと呼ばれる人を引き寄せる力があるらしい。
私自身が凡人でいたい理由も、そうであれば合点がいく。
サポートする宿命なのかしら。
再会した友人も飛び抜けた人だけれど、私の周りは、とても悩みなんてなさそうな、一見「全て手に入れた」ようにみえる人が多い。
自分を卑下するつもりはないけれど、私とは比較にならないくらい、トップを走っているような一流選手ばかり。
そんな人たちが、相談をしてくれたり、甘えてくれたりする。
聞けば、一流選手たちは、悩みを誰かに話すと「ただの自慢」と捉えられがちなのだと言う。
そして、
頼り方が、わからない
と言う。
誰にも、褒められない
と。

特別=独り

これは、私が目の当たりにしてきた経験者達の姿。

だけど、あるスターが言っていた。

スターだから、孤独になったわけじゃない
孤独だから、スターになったんだ

スターになる人は、最初から孤独だったんだとその人は言う。
だから、もしあなたが孤独を感じているのなら、それはスターになるチケットを手に入れた、ということだ、と。

私はこのとき、もう一つ温かいことを学べたと思った。

スターになる人は、必ず優しい

と。


温もりある日々を


ごきげんよう