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その翌日。
私はいつもの明治神宮にいました。
実は、数年ぶりにお願い事をしてきました。
初めて訪れてから数年。多い時は週に3,4回来ていたくらい通い続けてきたけれど、お願い事をしたのはほんの数回。
悩み相談をしてくださったみなさん含め、私の周りにいる心を痛めた人達がどうか幸せになれるようにと。
その手伝いができる力が私にないことが、とても恥ずかしくて、ついお願いをしてしまいました。
読者のみなさんから変わらず寄せられるたくさんの悩み相談。
毎日ブログを2,3回に分けて、各記事につき5件~10件くらいずつ更新すれば、全部の悩みにお答えできないこともないのかもしれません。
でもそれができないのが本当に申し訳ないです。
いや、いっぱいいっぱいになっているわけでは勿論ないのですよ。
物理的に難しいのです。
悩み相談のメッセージを頂いても、ちっともしんどくないし、ありがたいと思ってます。
ただ、みんなそんなに辛い思いをしているのかと思うと、いたたまれなくなってしまってね。
どうなってんのよ、地球!みたいなね。いや、地球が悪いわけじゃないけれど。

参拝後。いつものように明治神宮の裏手にある広い芝生の上に寝転んで、太宰作品を読み返したり、おひさまを直視して「ぎゃっ」となったり、アリを捕まえようと追いかけていたら隣りの外国人カップルの荷物を蹴っ飛ばしてしまって「Oh~」と笑われたり、雲をぼんやり眺めたりしていたら、ふと「わぁ、ノンキ」と自分について思いました。
最近の私は、まったくストレスがなくて、何かについて考えるのは「あの悩みを抱えていた子、どうなったかな」とかだけだったんです。
自分については、誕生日にちょっと考えた程度で、他は何も考えていなかった・・・。
私、幸せだ!と思った瞬間、頭のコンピューターがウイーンと動き始めました。よくあることです。
わぁーっと嵐のように色々なことを考えて1時間。
周りがまったく見えない状態から開放された私は、まだページを広げたままの文庫を手に持っていることに気づき、自分の集中力が軽く気持ち悪く感じるという貴重な経験をしたので、せっかくだからまた写真を撮りました(二枚目)。一枚目に比べ、だいぶ空の色が変わっているのが分かります。その直後、カラスのカァカァという鳴き声がたくさん聞こえてきて、あーこんな時間か、と思いながらついでにまた写真。
明治神宮での帰宅の合図は、カラスの鳴き声です。
ずいぶん濃い目の青い空に、無数のカラスが飛ぶ姿は勇ましい。
普段なら、その時間は大抵芝生に寝転んで空を見上げているので、突然黒い生き物が大量にワシャワシャ飛んでくるのはなかなか迫力があります。
西を見れば、太陽が沈んでいく様が何とも美しで、心奪われ、また洗われます。

心を決め、起き上がった私の足は、出口とは違う方向に動いていました。
ガッガッと玉砂利の心地良い音を心臓音と間違えたがりながら、私はもう一度、本殿の前に立ちました。
私はあらためてお願いをしました。
私に、もう少しだけ、優しさと強さをください。
今の幸せな私なら、何かできるかもしれないから。
と。
辛い思いをしている人が多すぎる。
元気な私が優しく強くなれば、読者のかたや友人達の弱ってしまった心に、ほんの少しでも元気を分けられるかもしれない。
何様のつもり、なんて自問している場合じゃない。
私なんか、なんて自分を見下している場合じゃない。
だって私、元気なんだもの。

トカトントン。
トカトントン。
明治神宮で読み返した太宰作品のタイトル。
トカトントン。
こんな話だったかしら。
私の記憶では、恋愛の話だったはずなのに。
今の私の頭に響くトカトントンは、以前とはまるで印象が違う。
正確には、何の話だか理解できなくなってしまった感じ。
感性が鈍っているのかもしれません。

悩んでいるみなさん。
一人ずつの悩みにお答えできなくてごめんね。

私はね、明治神宮で考え事をしていた時「あ、私、悪い奴じゃないな」って思えたんだ。
私が幸せで元気なのは、自分に愛されたからだと思います。
どうか自分をいじめないであげてください。

以前も書きましたが、
あなたが思うほど、あなたはそんなに嫌な奴じゃない。

だいじょうぶ。
もう自分を許してあげましょう。

明日が来ることに怯えなくてすむように。
少しずつ、少しずつ。

必ず訪れる明日に、いつか喜びを感じられますように

愛すべき人達へ


ごきげんよう