酒井若菜オフィシャルブログ「ネオン堂」Powered by Ameba-100607_2243~01.jpg

酒井若菜オフィシャルブログ「ネオン堂」Powered by Ameba-100608_1904~01.jpg

酒井若菜オフィシャルブログ「ネオン堂」Powered by Ameba-100608_1920~01.jpg


先日、映画を観に久しぶりに渋谷へ。
「告白」「SATC2」を観て来ました。
告白は、原作も面白かったけれど、映画もめちゃくちゃ面白かったです。もう一回観たい。
SATCも、相変わらず最高。
プレミアのご招待も頂いていたのですが参加できなかったので、やっと観ることができて嬉しいです。
そしてその後は、ファンシーが苦手な私が、まさかのぬいぐるみを購入。ぬいぐるみ、というか抱き枕ですが。
あの、クッションとか、その類が好きなので、リビングのソファに6個、ベッドに7個置いてあるんですね、クッション。置きすぎなんですね、完全に。だけど枕は使わない、というバランスの悪いベッドなのですね、酒井家。
で、新たな抱き枕。だって、サリーですよ。私の大好きな、モンスターズインクのサリーの抱き枕です。
モンスターズインクは何故かグッズが少ないので、買わずにいられませんでした。
サリーさん、写真のようにだらーんとくつろいでくださって、わたくし非常に嬉しく思っております。

そして今日は、朝からスタジオ撮影。
割と早く終わったので、表参道ヒルズでお買い物。そしてその後ラフォーレへ。
とてつもなく可愛いけれど、男性受けの悪そうなカゴバッグを発見し、思わずゲット。
その後またも明治神宮へ行き、しばし本を読むゆるやかな時間を過ごしました。
「ライ麦畑でつかまえて」「罪と罰」を持ち歩きながら、結果マンガ「よつばと」を読みました。
いやー「よつばと」、なんだか生き方が変わってしまいそうな漫画ですね。
素晴らしすぎる。

そしてその後、太田記念美術館に葛飾北斎の浮世絵を見に行きました。
浮世絵を見るのは、去年両国で見た浮世絵展以来、半年ちょっとぶり。
浮世絵を見る前から、美術館の畳の香りに涙腺が緩む私。
実家が畳の多い家だったので、郷愁に浸ってしまいました。
ちなみに帰る前についでに寄ったお土産が売っているスペースにあった風鈴。
チリンリン。きらんり、きららりん。
とそれぞれの風鈴が揺れてそれぞれの音を奏でる度に、私の心もゆらゆら揺れて鼓動がキュー、キューって音を立てました。
肝心の浮世絵も素晴らしく、特にモノクロの作品には圧倒的な凄みを感じて軽く失神しました。
北斎といえば、以前ブログに載せましたが、
「五年でもいい 五年の命があれば 本物の絵描きになってみせる」
と地位も名誉もすっかり手に入れていた晩年に残したこの言葉に、私は胸を打たれ、自分を恥じたものです。
北斎が浮世絵師として作品を世に出していたその時代には、喜多川歌麿もいれば、謎の多い人物として知られる写楽もいました。その中でも北斎は、他の浮世絵師に比べると遅咲きなほうでした。
が、仕事が全くない不遇な時代を送っていたわけでもないようです。
とにかく何にでも挑戦したんですって。そして何でもやったことが、世の中に広く浮世絵が浸透される、という結果を生んだのだそうです。
19歳で、ある浮世絵師のところへ入門し、その後独立するも35歳になっても大ブレイクはしなかった北斎。
先輩達の作品を、そしてどんどん売れっ子になってゆく同世代の浮世絵師達の作品を、たくさんたくさん見たんですって。
いっぱい勉強して、いっぱい影響も受けて、たくさんの選択肢を持って初めて研ぎ澄まされる感性、あるいは完成されてゆく北斎の世界。私のような凡人からしたら、同世代の浮世絵師の作品を見るのは悔しくて堪らなかったのではないか、とかふてくされてしまうのではないか、と思ってしまいます。が、北斎は違う。いや、分からない。悔しかったかもしれません。
いずれにせよ、好きだんでしょうね、浮世絵が。
圧倒的に。
どうしようもなく。
北斎の成功は、ちゃんと「大衆に認められているもの」に触れたことにあるのではないかしら、と思うのです。
「私のやり方」を、「私だけの世界」からではなく「私もいるこの世界」と広い視野を持ってその中から見つけていたのではと。
龍馬伝で、吉田東洋が武市に「狭い料簡しか持たないくせに、自分は正しいと思い込む」といったような捨て台詞を言うのですが、なんだかそれを思い出しました。
武市が全うしたことは、独善に基づいたものであることはなかなか否定できるものではありません。
凝り固まった「自分の正しさ」に、結果振り回されて生きることになった武市。私は彼の思想はともかく生き方は嫌いではありませんが、好きでもありません。勿体無い。

あれ?話がずれた。
北斎ね。
北斎は、そういう意味で言うと、成功しない間に「広い料簡」を手に入れたのかな、と思います。
蔑むのではなく「ほうほう」と言いながら、他の人の作品を見て「これは私も取り入れよう」「これは私が作るならもっと奥行きを出してみるだろう」とかね。
渡辺淳一さんの「鈍感力」という本にもあったのですが、良い作家は感受性が強いけれど、強い分、作品を持ち込んだときに編集者にダメだしをされたり、賞に落選したりすると、堪えられないんですって。
敏感すぎる人は、ダメージを受けすぎると。
「そうでもないなぁ」という作家でも案外生き残っているのは、ダメだしをされても平気でまた次の作品を持ち込める、からだと。何回も挑戦できると。
勿論敏感すぎても作家として大成した人もたくさんいますけれど。
それこそ、太宰治なんかはその極みなのではないかと思うのですが。

あれ?話がずれた。
とにかく、葛飾北斎はすごいです。
私が捉えたのは目だけ、のはずなのに、心に届き、脳裏に焼きつく。
なんで(嬉泣)。
浮世絵が世界中の名だたる画家達に影響を与えていた理由が、うっすら理解できたような気がしたのが嬉しくて。
日本の文化をまた誇らしく思えました。

1つ気になったのは、美術館に来ていた半数以上の約6割が海外のかただったということ。
で、3割は割りと年配のかた。
0、9割は芸術家の匂いのする若者。
残りは私。
太田記念美術館。ラフォーレ原宿の真裏ですよ。
なぜ、こんなにも若者が少ない。
なぜ、こんなに日本人が少ない。
海外のかたが多いのはとても嬉しいです。
もう、なんなら惚れてしまいそうです。いやそこまでではありませんがとにかく嬉しい。
なんかね、各国の若者が集まって話をしたとき、日本の文化を一番知らないのが日本の子だったら悲しいな、と思ってしまいました。
そんなことないと思うけれど。とかく、
私は言いたい。
「日本の文化ってすごいんだぞ!!」
と。


チリンリン。

きらんり、きららりん。

この音が、聞こえなくなる日も来るのかな。

私は言いたい。
「そんなのいやだぁーーー!!」
と。

とり止めのないブログになってしまいました。
最後に、今一番気に入っているフレーズ。
「よつばと」の帯に書かれていた言葉。

いつでも今日が、
いちばん楽しい日。

可愛い♪
こんな思いで生きている人が、一体どれほどいるだろう

明日も良き一日を

ごきげんよう