酒井若菜オフィシャルブログ「ネオン堂」Powered by Ameba-100115_2300~01.jpg


ずっと考えていました。
書いて良いのか悪いのか。
ずっとずっと考えていました。
私は頭が良くないし、誰もが認める成功者でも偉業を成し遂げたわけでもないし、それにまだ29歳だし。
教わることや救われることのほうが圧倒的に多い私が言ってしまっていいのか。
友達に「ありがとう」と言ったら「ありがとうはいらないよ」と答えが返ってきました。
別の友達に「あることで傷ついた」と言ったら「なんで電話しないのだ」と怒ってくれました。
痛みを共有してくれようとする友達が、私にはいます(いや、今傷ついているわけではないよ、昔認識したよって話)。

何度か書きました。
「このブログには悩み相談のメッセージが多い」
と。不特定多数のかたに読んでただけるブログという場で、個人個人の悩み全てにお答えできないことに申し訳なく思いながら、誰かの痛みが少しでも和らげばいいなという思いで文章を書いてきました。驕りかもしれないけれど、ひょっとしたらこのブログで誰かが元気を出してくれているかもしれない、と思うとすごく嬉しかったのです。
そんな中で、何通か送られてきたメッセージ。
「こんな自分が生きていてもいいのでしょうか」
この言葉で締め括られた数人のかたからのメッセージに、正直戸惑いました。
誰にも言えない悩みを、答えるかどうかも分からない芸能人ブログのメッセージに書き込み、最後にこの疑問を投げかけたあなたに、私はどうしたらいいのか分からず何とも言えぬ感情を抱いたのです。
数ヶ月考えて、そして気付きました。
誰にも言えないから、ここに書いてくれたんだ、と。
私が友達や家族だったら、決してそんなことは聞かなかっただろうと。
私には、何でも受け止めてくれる友人がいるけれど、メッセージを送ってくれたかたはまだそんな出会いをしていないのかもしれないと。

生きることに、許可がいるのかな。
いりませんよね。
人はいくら努力しても人以上にはなれないけれど、生まれてきた時点で人以下にも決してならないと思います。
だから、私なんぞにこんなことを聞くのは、とてもおかしなことです。
私もあなたも同じ人ですから。
だけど、それでもそこに存在していることを恐縮してしまうのならば、言います。
それであなたが自分をいじめなくなるのなら、言います。
私なんかでいいのなら。
先に謝らせてください。
偉そうなことを言います、ごめんなさい。

生きていて、いいんですよ。

いくらでも、生きていいです。
地球儀を見てみてください。
ちっぽけです、自分が見てる世界なんて。
見えてる世界が全てじゃないのです。
逃げ道なんて山のようにあるもの。
感謝ができる出逢いがあったのなら、それは奇跡だ運命だとウキウキしたらいい。
嫌な出逢いがあったのなら「こんな地球の隅っこの話じゃないか」と逃げたらいい。
都合よく、運命とちっぽけさを使い分けてもいいと思います。
そうじゃないと、ね、やってらんねぇよ、って、ね。

それにあなたは、そんなにイヤな奴じゃないです。
そりゃイヤなところも2つや3つ、いや10個くらいはあるかもしれない。
でも、あなたが思っているほどイヤな奴では絶対にない。
本当にイヤな奴は、悩むことすらできないから。

誰にも話せなかったのね。
それで自分を責めたのね。
「生きるに値しない」と、だめな自分を嫌いになっちゃったんだね。
でも間違って生まれてきたわけじゃないです。
生まれた時点で、生きていいんです。
ほんと偉そうでごめんなさい。
私の願望込みです。
私は、あなたが生きていてくれて良かったと、思っています。
嘘じゃない。
ほんとです。

写真はね、相田みつをさんの息子さんであり相田みつを美術館の館長相田一人さんから届いた年賀状。
東京に出てきた頃、友達がいなかった私はいつも相田みつを美術館にいました。
美術館の中で何度泣いたか。そして勇気づけられたか。
当時の私にとって、会ったこともないみつをさんが、ただ一人の理解者でした。
そして今も、一人さんを通してみつをさんの言葉が私の元に届く。
このタイミングに後押しされて、今回このようなブログを書きました。

あなたの心に少しでも届きますように。

永遠の過去
永遠の未来
その間の一しゅんのいのち
いまここに生きて
あたらしき春に逢う
ありがたきかな

ごきげんよう