仮想通貨 | 弁護士 若林 豪史

弁護士 若林 豪史

ITと、AIと、法律と、、、

日本銀行のサイトによると、1億円(1万円札が1万枚)の重さは、約10kgだそうです。

数年前、約580億円相当の仮想通貨が、ハッキング攻撃により、取引所から流出した事件がありました。
もし1万円札で580億円を盗もうとすると、その重さは、5800kgになります。

これだけの重さの札束を運ぼうとすると、中型以上のトラックが必要になるわけで(かなりボリュームのあるトラックです)、積み替えの手間なども考えると、犯人などが誰にも追われずに姿をくらますことは、ほとんど不可能でしょうね。

したがって、強盗やら身代金やらによって犯罪収益を得ようとしても、現金では自ずと被害額にも限界ができるのだろうと思います。

一方、仮想通貨というのは、デジタル情報なので、重量物を運ぶという手間はありませんが、ブロックチェーン技術を使用しているため、取引情報の改ざんが不可能であり、安全性が高いとされています。

本来的には、ブロックチェーン技術によって、どこの誰に残高が移転して、誰が使用したかを追跡できる結果、ハッキングの犯人が判明しても良さそうなのに、現実にはそうなっていないようです。

現金という、古代から続くアナログ技術を用いることで、運搬・保管コストがかさむ一方で、犯罪被害を少なくできるという利点も存在するということですね。