あっという間に三が日も仕事始めも過ぎてしまいました(といっても、私は夫が亡くなってからは年賀状もお正月のご挨拶も止めてしまいましたが…)。
しかし、年末年始はお休みしました。
休む時は休む!とメリハリをつけた生活を送るのも、中年以降になってから少しずつできるようになってきたことです
今回の年末年始には、『鬼滅の刃』のマンガ全巻読破を目論んでいました。
なぜなら、アニメ→映画と観てきて、ファンの方には申し訳ないですが、なぜこの作品がここまで多くの人を惹きつけるのかわからない……と思っていたからです。
「マンガを読まないとだめ!」「マンガを読まずに意見など言えない!」と聞かされていたこともあります。
が、しかし!
どうにも食指が動かず、ぐずぐずしているうちに、つい観てしまったのです。。
実のところ、私は萩尾望都先生の大ファンではありません。
ですが、ここのところ『鬼滅の刃』、「呪術廻戦」(ちなみに個人的には鬼滅〜より「呪術廻戦」の方が肌に合います😅)と少年マンガが続いていて、ホント、ファンの人には申し訳ないのですが、物語のシンプルな構成に若干……というか、かなり、、飢餓感がありました。
だって、2作品とも、70年代80年代の少女時代を少女マンガとともに育ってきた身には、THE 少年マンガ!すぎるのです……😅(主人公の少年がとっても健全なんですよね〜)
↑の番組で中条省平さんが言ってました。「(男子校時代に初めて少女マンガを手にして)圧倒された。少年マンガしか読んでいない男はバカだとすら思った……」。
あの夢枕獏さんも「同じ時代に(萩尾先生が)いて本当によかったと思ってます」と。
ちなみに、萩尾先生系列?とは違いますが、私自身は当時、槇村さとる先生(『ダンシング・ゼネレーション』とか)や吉田秋生先生(『BANANA FISH』とか)の作品のような、どちらかと言えば少年マンガに近い?世界観の作品に熱中していましたし、弟がいたので、『SLAM DUNK』も『ドラゴンボール』もリアルタイムで読んでいましたが、それでも……(弟は「マジ、おもしれぇ」と『BANANA FISH』に夢中になってました😅。少女マンガなのに当時の中学生男子を夢中にさせるなんて、今から考えるとすごい作品パワーです)。
というわけで、この番組を観て、改めて萩尾望都先生のすごさを思い知り、鬼滅……ではなく、未読の『バルバラ異界』をポチッと。
そして、読みながら思い出してきました。先生の『百億の昼と千億の夜』に、当時、意味不明ながらも没頭してしまったこととか(今、調べてみたら、この作品の初出は「少年チャンピオン」だったんですね!おそらくマンガ好きだった父が単行本を買ってきていたと思います。カバーに見覚えあり)。
原作者はいますが『百億の昼と千億の夜』などはダイレクトに宗教に直結していますし、萩尾作品と言ったら!の『トーマの心臓』や『ポーの一族』も、生と死の濃密な世界観がベースにある作品です。
もちろん当時は、夫を亡くしたり死の前後をテーマにした活動をしたりと、自分にこんな未来があるとは思っていませんでしたが、無意識にでも少女の頃に熱中していたマンガによって、学んでいた?鍛えられていた?何かがあるのかもしれない……と改めて思った次第です。
↑の番組でも、出演者の方々や萩尾先生自身が「SFという舞台を借りて問題提起した」というようなことを言っていました。
エンターテイメントを通して、いろいろなことを吸収させてもらっていたんだなあと、改めて子ども時代の環境にも感謝。
というわけで、萩尾作品を、もう少し再読してみようと思いました😊
あ、ちなみに私が少女マンガにはまったきっかけとなった作品は、三原順先生の『はみだしっ子』です。
つまり、少女マンガのたしなみは「花とゆめ」から始まりました😅
当時、小学生です。ませてたなあと恥ずかしながら思いますが、『はみだしっ子』のお陰で、多角的視点……というか、ひねくれた……😅視点というか感性というかを養えたのかな、と。
少なくても『はみだしっ子』の主人公である4人の少年たちは、少年マンガで描かれるような「少年」とはまったく違います。。。(あ、でも今、読むと違うかも……)
当時は「マンガを読むなんて」と、親からマンガを禁止されていた友達が少なからずいました。
しかし私の親は、特に父親は、むしろ「もっと読め」という人で、マンガ部屋まであったほど。今から思うと、良質なマンガ本をセレクトしていたな、とわかります(手塚治虫作品など、ほぼすべてあったと思います)。
空間だけでなく時間軸の広さや複雑さ、多様な価値観、善と悪のシンプルでない構造、「大人」の真実などなど。今の私を形作っている土台には、当時の少女マンガを中心としたマンガ作品がしっかり埋め込まれているんだよなあと改めて
今はマンガからは遠ざかっていますが(年に数冊は買いますが😅)、『鬼滅の刃』からどうやらマンガ熱が再燃したようです。
というか、「鬼滅の刃」のブームは、私個人には当時のマンガ再読、という時間を運んできてくれました。
大人になった自分が読む少女マンガは、一体どんな景色を見せてくれるんだろう?と楽しみです
……ただ、『鬼滅の刃』はいつ読むのか、という問題は残されますが……