子供に対してキレてしまう時の対処法 | アメリカ発 発達障害のお子様を持つご家族へ伝えたいこと

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こちらはもともと2021年の5月に書いた記事を編集したものです。

 

今日は 

 

思うところがあって

 

緊急特別講座

子供に対してキレてしまう時の対処法です。

子供に対してキレてしまうときって いろいろな理由があると思うんですが、


まずは、 脳の状態を3種類に分けて説明します。

下から

1.サバイバル状態
2.感情的状態
3.冷静状態

1.サバイバル状態

その名の通り、生き残るための本能を司る 脳幹(のうかん、Brainstem)の部分が反応しています。
戦うか逃げるか反応と呼ばれ、無意識下での反射です。
原始人が猛獣に出会ってしまった時に、一瞬で危険を察知して戦うのか逃げるのかを判断して、生き延びるための本能です。 そのため、血流は手足に集まり(戦うにしても逃げるにしても手足の力が重要になるので)、余計な機能(免疫、消化吸収、成長、体の修理再生など)は一時的にシャットダウンします。また、目に映るもの、耳から入る情報は、なんでも脅威と認識される傾向があります。
コミュニケーション手段としての言葉を発することなく 泣きわめいたり、暴れたりしている状態です。
この状態の時にいろいろと話しても、猛獣が唸っているとしか聞こえないと思ってください。

2.感情的状態

脳幹よりも少し上の部分、ちょうど脳の真ん中あたりの大脳辺縁系(だいのうへんえんけい limbic system)の部分が反応しています。
感情や記憶を司る部分なので、過去の嫌な経験や記憶がよみがえります。感情的になってコントロールが利きません。 この状態も無意識下での反射ですが、言葉が出るようになってきます。
口答えする、叫ぶ、怒鳴る、ぐずぐず言う など、失礼だと思われるような行動を取ります。
この状態は、親にとっては一番腹が立ちますよね。 子供が泣いているから なだめていたら 今度は悪態をついてきて、親 キレる。。。  子育てあるあるですよね。
でも、実はこれは サバイバル状態から一段階アップした証拠で、冷静状態に向かって進んでいるという嬉しいサインなんです。

3.冷静状態

おでこのあたりにある 前頭前皮質(ぜんとうぜんひしつ、 prefrontal cortex 前頭葉の前側の領域)が反応しています。
この状態では、思考と理性が働きます。 自分の行動によってどんな結果が生まれるかを想像する、ゴールに向かって努力する、未来への期待、衝動を抑えて社会に適合するための行動を取る、学習する などができるようになります。
この状態になって初めて 理屈が分かり、学習できるようになります。

ということで、とにかく自分(そしてお子さんも)の状態を1→2→3 脳の根本→真ん中→前方へ導くことが必要です。

そして、大事なことは、上の状態にいる人は、相手を下から上へと持ち上げてあげることができるということ。(3の状態の人は1と2の状態の人を3に引き上げられるけれども、2の状態の人は1の状態の人を2までなら引き上げることができ、1の状態の人は誰も引き上げることができない)

ということは、子供がかんしゃくを起こしている時に私たちがまずやらないといけないのは、自分自身の状態を3に保つこと(または引き上げること)です。

これは まさに 言うは易く行うは難しなんですが、 ポイントを抑えて、経験を重ねるごとに、だんだんとできるようになります。

こんな手順です

1.キレそうな自分に気づく

これが一番大切です。 1と2の状態は無意識下の行動なので、自分の状態に気づくことで、無意識から意識につながる窓をちょこっと開くことができるイメージです。

2.今 自分が持つ選択肢はなんだろう? と考える

無意識の領域である1と2の状態を抜け出すには、なにかを考える必要があります。 何かを考えることで、強制的に前頭前皮質(ぜんとうぜんひしつ)を稼働させて、無意識の反射から脱出します。 (だから、子供にただただ 「クッキーもう食べちゃダメ」と言うのではなくて、親の許容できる範囲の選択肢を与える、「りんごなら食べてもいいから、りんごを食べる?それともなにも食べない?」と聞くほうが, 何かを考えることになり、前頭前皮質を使うことになるので効果的です。 そして、りんごを食べて満足するか、リンゴは嫌だと言って怒り続けるのかは 子供の選択である、と割り切ることで、親も多少冷静になれます。)
同時に、冷静に 今 ここで どんな作戦でこれを乗り切ろうか、考えることができます。

3.90秒間 なんとかして持ちこたえる
怒りを感じると、怒りホルモンが放出されます。怒りホルモンはそこに追加で怒りの炎を注がなければ90秒で消えてなくなりますが、その90秒間にキレてしまって怒りを追加してしまうと、怒りホルモンはもっともっと増えてしまい、余計に怒りが収まらなくなります。
そうならないように、なんとかして90秒間 持ちこたえます。

できることとしては、
1.口角を上げる
口角を上げると脳は自分が笑っているんだと勘違いしてくれます。本当に笑っていても作り笑いでも、脳に対する効果は同じだという実験結果が出ています。

2.深呼吸する
これは有名ですね。脳に酸素を送ってあげてください。その時に、息を吸うときは鼻から吸うようにしてください。口から息を吸うと、脳が防御態勢に入りやすくなって、戦うか逃げるか反応を起こしやすくなります。
そして、長い時間をかけて口から息を吐くようにします。 長い時間をかけて息を吐くと、迷走神経が落ち着くので、副交感神経も、交感神経もつられて落ち着いてきて、怒りがコントロールできるようになります。

そして、親が深呼吸することにより、ミラーニューロンの働きで、子供もまるで自分が深呼吸しているように脳が勘違いします。 だから、子供も落ち着いてきます。

3.歌う
これも 長く息を吐くことになり、効果的です。耳をふさいで 「らーラララららー」とやるのもオーケー。

4.可能であれば、その場を離れる
キレて 子供を置き去りにするのではなく、あくまでも 自分が気分を落ち着けるために、怒りの元になるものから距離を置く ということです。

親は子供よりも上の状態にいないと、子供を落ち着かせることはできません。 そして、人は他人をコントロールすることはできません。 変えられるのは自分だけ。 そして、自分が変わると自然と相手もそれに影響されます。 なので、子供の安全が確保できているのであれば、まずはお子さんをどうのこうのではなくて、ご自分の状態を3まで上げることにのみ集中してください。それが遠回りに見えても実は一番の近道なんです。

簡単なことではありませんし、試行錯誤して少しずつコツをつかんでいくしかありませんが、これを知っているだけでも、「あ、私 今 2の状態?」と思えただけで 前頭前皮質(ぜんとうぜんひしつ)を稼働し始めることができ、かなーり戦いやすくなります。

そして、

落ち着いた後に

物事はすべて ニュートラルな刺激です。 ある特定の刺激に対してネガティブな感情を抱くというのは すべて 自分が 物事をとらえる上で バイアスをかけている ということです。 例えば 同じことを 人の子供がやっていても キレたりしないけれど、自分の子供だとキレてしまう。 
まず それは ご自身が悪い親だからではなくて、むしろ お子さんを愛しているから、大切に思っているからこそ、 ということを認めてあげてください。
そして、落ち着いてから自分で自分の気持ちを掘り下げてみると、隠れた思い込みが見つかります。 思い込みって、だいたい7歳くらいまでに周りの大人の言動を観察して、小さいころの自分が勝手に作ったストーリーです。だから、たいてい 論理的じゃないです。 それをひとつひとつ見つけて行くことで、本当に 本当に人生 生きやすくなっていきます。 

 

そして、自分自身の気持ちをもっと尊重してあげてください。 子育てで大変で、どうしても自分のことは後回しになってしまうと思いますし、世の中の風潮は まるでそれが美徳のような勘違いをさせる雰囲気です。 でも 実は ご両親自身が自分を大切にすることが、子供にとってなによりも大切なことなんですね。

 

そのあたりも また後日に詳しく書きたいと思います。

*続きはこちらのシリーズです。

 

 

なんだか最近書きたいことがどんどこ出てきちゃって、全部途中で他の話題に移っちゃってますね。

 

シリーズ 少しずつ完結させていきますねー。

 

 

読んでいただいてありがとうございます。


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