今年、アメリカの歴史ある鉄鋼大手「USスチール」の買収でも話題になった「日本製鉄」。
この買収で、世界の製鉄メーカーのトップ3に入る事になる様です。
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日本製鉄 日本製鉄 工場見学中!
あれもこれも あらゆるところで 楽しく見学中!
日本製鉄 日本製鉄 工場見学中!
あれもこれも あらゆるところで 未来を開発中!
日本製鉄中!
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と言う歌詞と音楽が印象的で、「川口春奈」さんが出演しているCMでもお馴染みです。
日本製鉄の源流は、1901年に操業を開始した「官営八幡製鐵所」に遡ります。
戦後、財閥解体を経て「八幡製鐵」と「富士製鐵」に分割されましたが、1970年にこの二社が合併し、「新日本製鐵」が誕生しました。
その後、2012年に新日本製鐵は「住友金属工業」と経営統合し、「新日鐵住金」として新たなスタートを切りました。
そして2019年、グローバル展開をさらに加速させるため、商号を現在の「日本製鉄」へと変更しました。
鉄鋼という産業は、ヨーロッパの工業革命からアジアの高度成長まで、常に世界の発展を支えてきました。
その最前線の一角が、千葉県にあるので見学して来ました。
正式名称を「日本製鉄株式会社東日本製鉄所君津地区」とされる工場です。
最寄り駅は勿論「君津駅」。
通常、この工場を見学するには、見学希望月の3カ月前の第1営業日の朝9時から電話での予約受付開始となりますが、人気の工場見学ですので、すぐに予約枠が満杯となり締め切られるそうです。
そこで裏技ですが、年に1回、「君津市民ふれあい祭り」の一環で工場が一般公開されるのです。
今年、2025年は9月27日の土曜日に工場見学が開催されました。
一般公開と言っても、工場敷地内を自由に観て回れる訳ではありません。
「東京ドーム220個分」の広大な敷地の中には幾つもの製造工程の建物があるのですが、基本的に実際にバスを降りて観れるのは2か所のみです。
1つは「熱延工場」。
自動車、家電、建材などに使われる「熱延鋼板」を作っている工場です。
この見学については、バスが10分間隔ぐらいで頻繁に出ているので、列に少し並べば誰でも見学できると思われます。
ただし、この日は熱延工場で何らかのトラブルがあり稼働が一時休止してしまったので、代わりに「線材工場」の見学となりました。
「線材」とは、板では無く棒状の製品の事です。
製品の形は違いますが、基本的な製造工程はほぼ同じだそうですので、代替策とは言え、特に見劣りする事も無く、十分に堪能しました。
もう1つは「第四高炉」の前。
高炉内には入れませんので、ここから外観を眺める事になります。
因みに、この場所は、日本製鉄社内では「お立ち台」と呼ばれているそうです。
1995年に当時の「天皇陛下」、今の上皇陛下がご視察になった際に、第四高炉の外観をご覧いただくために設置した見学場所だからだそうです。
工場見学が始まるとバスからも工場内も一切の写真撮影は禁止となるのですが、唯一、このお立ち台からの第四高炉の撮影のみが許可されています。
ですので、多くの人がお立ち台見学を楽しみにしているのですが、ここで注意が必要です。
前述の熱延工場の見学と、このお立ち台からの見学は、「全くの別コース」となっており、1つのコースのバスで両方に立ち寄る事はありません。
そして、お立ち台コースは、人気があるのに加えて、そもそも一日に5便のバスしか運航されず、事前に時間指定の整理券を取得しなければならないのです。
今回、私はたまたま早めに現地に着いていたので、まずはお立ち台コースの第1便(10時から)の整理券をゲットし、その後すぐに9時10分からの熱延工場コースに参加。
そこから9時40分位に戻り次第、10時からのお立ち台コースに参加出来たので、午前中には全てを終えて現地を発つ事が出来ましたが、運が悪いと、お立ち台コースの最終便(14時05分から)の整理券になってしまったり、それすらも取得出来ない可能性もあります。
よって、とにかく早く行く。
そして、まずはお立ち台コースの整理券の列に並ぶのが正解だと思います。
(9時から開場となっていましたが、整理券は8時30分から配布を開始していました。
何時に全ての整理券が無くなったかはわかりません。)
運良く観れた第4高炉は、構造美と経年変化がもたらした、それはそれは圧倒的で幻想的な佇まいでした。
せっかく遠くまで来たので、君津を経つ前に駅近くの和食店でちょっと豪華なランチを取って、この訪問を締め括りました。


