【21世紀最初の独立国を訪問する】: 東ティモール | 世界あちこち散歩

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東ティモールは、 
インドネシアのジャワ島、バリ島より
更にオーストラリアに近い所にある
「ティモール島」の東半分を占める国で、
21世紀になって最初(2002年5月)に
独立した国として知られています。 
 

この国の歴史は複雑なので、 
説明は難しいのですが、 
ざっくり以下の様な
変遷がありました。

 (16世紀前半)ポルトガルが全島を征服
 ⇒オランダによる西部の占領 
 ⇒ポルトガルによる全島の再領有
 ⇒ポルトガルとオランダの間での
  東西ティモールの分割領有 
 ⇒日本軍による全島の占領
 ⇒ポルトガルが東部を再支配、
     西部はインドネシアの一部として独立
 ⇒インドネシアが東部を制圧

と言う事で、2002年の独立の直前は、 
ティモール島の東部、 
つまり現在の東ティモールは、 
インドネシアに実質的に
支配されていたので、
物理的にはインドネシアから 
独立した事になり、私もずっと、 
そうだと思っていたのですが、 
国際法上は、ポルトガルから 
独立した扱いになるそうです。 

目出度く独立した後も、 
大規模デモ、治安の悪化、 
国際治安部隊の派遣、 
大統領の襲撃事件、 
緊急事態宣言、等があり、 
とてもじゃないですが、 
普通の旅行者が訪問出来る様な 
状況ではありませんでした。 

ようやく、政情が安定して来たのは、
独立後6年が経過した 
2008年の途中頃からでした。 

独立後も、独自の警察機構が
機能しておらず、 
国連の東ティモール統合ミッション
(UNMIT)にほぼ全面的に依存して
いたのですが、2009年から、
東ティモール国家警察への 
警察権限の移譲が開始されました。 
(2011年3月,全13県で移譲完了) 



私の様に、一生をかけて、 
世界の全ての国を見てみたいと 
夢見ている人間にとって、 
そこに国がある限り、 
いつかは訪問しようと思うのは自然で、 
それが新しく誕生した国なら猶更です。 

一方、私は
「旅とは、生きて帰って来る事」 
と言う信条を持っており、 
命にかかわるリスクを冒してまで
海外旅行をする気はありませんので、 
旅行先を決める前には、 
普通の人の何倍も、
観光情報よりはリスク情報を
調べています。 

ですので、
独立直後から気になっていた 
東ティモールに関しても、 
ずっと訪問を我慢していました。 

そして、上述の様に、
情勢が安定して来た2008年に
訪問を計画。 

しかし、その時は、悪天候のせいで、 
インドネシアのバリ島からの飛行機が、 
東ティモールの空港の滑走路に、 
何とか一度着地したにも関わらず、 
再離陸して、バリ島に引き返してしまい、 
訪問を断念。 

その翌年、2009年の12月、 
今度は飛行機が引き返す事も無く、
遂に東ティモールの地を
踏む事が出来ました。 

宿泊は、首都ディリの
当時では最も高級なホテルの
一つ「ホテル・ティモール」。 



実際のところ、ここ以外、
安心して泊まれるホテルが 
他に無かった様に記憶しています。 

このホテルには、
観光客では無い多くの外国人が、
サービスアパートメント代わりに
長期滞在していた様で、 
国連から派遣されたと思われる
ヨーロッパの何処かの国の警察官が、
勤務時間が終わるなり、 
制服のまま、ホテルのバーに
駆け込んで、 ビールを飲んで
いるのを何度も目にしました。 


ディリには、
特に魅力的な観光名所は 
ほとんど無かったのですが、
唯一、丘の上に建つ巨大なキリスト像は、 
一見の価値があると思います。 








キリスト像としては、
ブラジルのリオデジャネイロの 
像に次いで、
世界で2番目の高さだそうです。 

ここだけは、ホテルからかなり
距離があったので、 
タクシーで往復しましたが、 
それ以外は、ホテルの近所を
徒歩で回って、 
この新しい国の雰囲気を肌で
感じる様にしました。 

<ディリ大聖堂> 

<Church of Saint Anthony of Motael> 

<クリスマスと
新年の飾り付け>

<移動式・人力式の
子供用メリーゴーランド> 
音楽も流れます。

<海辺の大樹の下に集まる人々>

<終>