秋に訪れたと思っていた第四番。納経帳を見たら5月?ああそうか…間もない時に一度写経に訪れたのだ…その時の感情が押し寄せてきます。

鎌倉には小さな娘と人力車に乗った思い出があります。どこでお昼を食べたっけ?忘れてしまったなぁ…と通りを歩いていると、お蕎麦屋さん。ここだ!急に思い出がよみがえりました。


第四番
『海光山 長谷寺 長谷観音』
単立(浄土宗) 十一面観世音菩薩 736年
長谷寺へ まいりて沖を ながむれば
由比のみぎはに 立つは白波

鎌倉で有名なあじさい寺。

これからの季節はとても賑やかです。ただ、駅の入場規制などもあり、長谷寺を拝観するのも2時間待ちなどとなる時もあります。


観音様を巡っていると観音様が小さかったり、扉の奥で遠かったりもあり、お顔も拝見出来ないこともあります。

こちらの観音様は9.18m、金色に輝くお姿。なんだか全てを見下ろし、全てを見抜いていらっしゃるようで足がすくみます。
資料から、721年大和国で霊木から刻まれた菩薩像は願いを込められて海に流され、736年に相模国に流れ着いたと伝えられています。

荒波を乗り越えて辿り着いた地までどのような長い旅をされていらしたのかと考えると、手を合わせ心から祈るこの願いと苦しみを汲み取ってもらえるのではないかと思ってしまいます。


どうか苦しみのない別の世界で穏やかで幸せでありますように。