区議会が始まり、冒頭、品川区長から今年の施政方針が発表されました。ポイントです。長くなりますが・・・。
(1)新型コロナウイルス感染拡大防止
ワクチン接種は、重症化しやすい高齢者や基礎疾患のある方から着実に、安心して接種できるよう、対象者への接種券の送付、会場の準備や接種のための人員配置など万全の態勢で進める。
コールセンターによる相談体制の充実と、クラスターへの早期対応、PCR検査センターの運営を行う。
自宅療養に対し、必要な方にはパルスオキシメーターを貸し出すとともに、保健師等が毎日の健康観察を行い、食料品をお届けするなど、安心して療養生活を行えるよう支援する。
医療職を確保し、保健所機能の強化に努める。
(2)地域経済の回復
各種融資・あっ旋を継続するとともに、事業継続に欠かせない物品の購入費助成や、新しい働き方に向けたテレワーク導入等の支援を続ける。
区民の購買意欲の向上と、区内商店への支援を目的として、プレミアム付区内共通商品券を発行する。
失業等により生活にお困りの方、出産や育児等の不安から、とりわけ妊産婦の方が安心して子どもを産み育てられる支援等、全ての人が、安心して暮らすことができるよう、必要な事業を実施する。
(3)東京2020大会とそのレガシー
大会開催期間中は、区内各所にパブリックビューイングを開催する。
ホスピタリティハウスとして「しながわハウス」を天王洲に設置し、区の魅力を発信し、おもてなしの拠点とする。
子どもたちの観戦にあたっては、心に残る思い出となるよう、暑さ対策をはじめ安全に留意する。
大会のレガシーとして障害者スポーツの充実やシティマラソン大会の実現に向けた調査検討を進める。
(4)新長期基本計画(4つの視点と3つの分野)
視点1 超長寿社会に対応する
令和3年度からは、認知症検診を実施し、認知症の早期発見と適切な支援につなげる。
民間のフィットネスクラブを活用し、最先端のトレーニングマシンを利用した介護予防事業を拡充いたします。
在宅での生活が難しくなった時に、安心して地域で介護を受けられるセーフティネットとして、多様な入所・入居施設の整備。
民間が設置する公共喫煙所に対する助成を行い、受動喫煙による健康への悪影響を未然に防止。
令和3年度は、がんに関わる情報を集めたホームページを新たに作成し、各種事業の周知を強化。
口の健康は健康寿命にも大きく影響するといわれ、後期高齢者向けの歯科健診の対象年齢の拡大。
視点2 多文化・多様な生き方を尊重する
あらゆる差別等の根絶に取り組み、学校教育においても発達段階に応じた人権教育を実施。
外国人の生活や文化、宗教の違いなど、お互いが学び、理解へ、多文化共生講座や、区内の大使館等との交流を実施。
介護職員が不足するなか、外国人の方の介護職への就労を支えるために、住宅確保と一人暮らしの不安を払しょくする手立てとしてシェアハウスを開設。
聴覚障害への理解を深め、お互いを尊重し合う共生社会の実現に向け、手話の理解促進を図る。
性的マイノリティへの理解促進と講座による啓発や居場所づくりのための支援。
視点3 強靱で魅力あるまちを未来につなぐ
「強靱化地域計画」を策定し、不燃化の促進や治水対策、無電柱化などハード整備。
「災害廃棄物処理計画」を策定し、区民生活の早期再建に資する対策構築。
防災ラジオのデジタル化に向けた対応を進めるとともに、ケーブルテレビ品川やホームページ、SNSを活用したわかりやすい防災情報を提供。
高齢者や障害者などに対し、避難支援個別計画の策定。
防災区民組織と一緒に感染症に対応した避難所運営。
視点4 先端技術を活用して課題解決と発展を図る
すべての児童生徒に1人1台のタブレット端末を配備し、授業のみならず、家庭学習においても有効活用。
LINEを活用した区の情報発信の拡充や住民票等の申請受付。住民票の写し等の手数料、オアシスルームの利用料などキャッシュレス化。
自宅パソコンやスマートフォンなどで電子書籍が閲覧できる「電子図書館」を導入。
3つの政策分野「地域」「人」「安全」
「地域」
町会・自治会に、コロナ対策物品の購入支援。
地域で活動する子育て支援グループに対して、相談や交流等の活動経費の助成を開始いたします。
品川歴史館、大森貝塚を含め観光資源として広く活用できる施設に向けた検討。
しながわ水族館は、30周年を迎えるにあたり、水族館の将来について検討。
しながわ区民公園北側ゾーンの防災機能の強化や運動施設のリニューアル。
水辺を身近な空間として楽しめるよう、天王洲エリアの広場整備。水辺の利活用事業として、東京都とともに舟運通勤社会実験を実施。
「人」
ひきこもりやダブルケアなど、既存の制度では対応が難しい課題が増加しており、相談、参加、地域づくりの支援検討。
ひきこもりや生活困窮、不登校の児童については、居場所の提供や学習支援を行う施設整備。
医療的ケアの必要な子どもについては、交流・相談の拠点施設を新たに整備。
大崎中学校に区内2か所目の自閉症・情緒障害特別支援学級を整備。
児童相談所の設置を見据え、児童養護施設との連携のもと虐待に発展する恐れのある児童のショートステイ事業を開始。
産後の家事・育児支援等の拡充、産後ドゥーラ資格取得助成を開始。
認可保育園670人の定員増を図る。
区立学校については、就学人口の増加や老朽化等に対応するため、順次改築を行う。
「安全」
「(仮称)勝島人道橋」の設計作業に着手。
高齢者やひとり親家庭など住まいの確保が難しい住宅確保要配慮者への支援拡充。
特殊詐欺は、これまで行ってきた自動通話録音機に加え、AIが詐欺を自動判定する録音機の貸出を新たに開始。
鉄道駅可動式ホーム柵設置では、りんかい線品川シーサイド駅への設置。
コミュニティバスは、令和3年度末の試行運行へ。
令和3年度予算の概要
区財政は、対前年度比の減は、財政調整交付金は22億円、特別区民税は約18億円であり、一般財源は約51億円の大幅減と見込む。
経常的な歳出予算を原則10%のマイナスシーリングとし、施設改修や道路、公園の工事等の緊急性を見極め、工事費の一部を先送りするなど経費を削減し、一般会計予算は、1,824億8千万円。
令和2年度当初予算との比較では、一般会計全体で約58億円、3.1%のマイナス。最重要施策の多くを占める衛生費は約42億円、産業経済費は約14億円の増。
社会保障の一環となります扶助費についても保育園の増設や生活保護受給世帯数の増等の見込みから約24億円の増とし、予備費についても、不測の事態に備え2億円の増。