OECDは、2011年、日本に対し「教育システム」に関する提言をしました。量と質双方で極めて優れている、と絶賛する一方、家庭がお金を出して子どもたちを塾に通わせることで高い学力を維持している、と分析。日本で15歳以上の75%が塾に参加し、これは加盟国34カ国中、韓国に次いで2番目に多い比率です。また、幼児教育・保育への支出は公的資金が45.2%で、半分以上は家庭が支出、私費負担割合は一番高い割合です。

 OECDは幼保一体化を進めることで保育所の教育が高まり、幼稚園の余剰収容能力を活用することによって保育所不足を減らせるとしています。それが、女性の就業率低下の改善につながり、少子化にも好影響を与えるのだから、幼児教育・保育に対する公的支出を増やすべきだと提言しています。

 日本の財政は厳しい状態にあり、早急に財政再建に取り組むべきとも提言しており、その点に矛盾がないのか、事務総長に聞いてみました。答えは「目の前に危機があるからと言って、今日の教育予算を切ることは、明日の日本の成長を切ることになる」

 教育機関への公的支出がGDPに占める割合は、2010年、3.6%、平均は5.4%でした。比較可能な30カ国中最下位で、4年連続になります。親の収入が伸び悩む中、家計の負担は限界にきている気がしてなりません。