以前私が開催した「膝のケガ予防の講習会」の内容を、
このブログでも公開したいと思います。
新体操で起こりやすい膝のケガとして、
・半月板損傷
をピックアップしました。
オスグッド/ジャンパー膝に関しては
ブログで上げていますので、
今回からは「膝靱帯損傷」について触れたいと思います。
Q.膝靱帯損傷とは?
スポーツや交通事故によって大きな力が膝に加わり、
膝にある靱帯が傷ついた状態を指します。
膝にある靱帯は大腿骨(太ももの骨)と
脛骨(スネの骨)を繋ぐため、
前後左右の方向に靱帯が存在しています。
そのため、
靱帯損傷を起こすパターンは数多く上げられます。
※靱帯損傷のイメージ図
★靱帯の役割
靱帯の役割は、
「骨がグラグラしないように骨同士を繋げる」
言い換えると、シートベルトの様な役割を果たしています。
具体的には、
①.膝の捻りを防ぐ
②.膝の安定性を保つ
③.膝の向きがズレないようにする
この3点が挙げられます。
メインとなる膝の靱帯は、
①.膝の前側・後側を繋げる十字靭帯
→脛骨がズレないように制御する
②.膝の内側・外側を繋げる側副靱帯
→膝が左右にグラつかないように制御する
これらの靱帯がメインとなって骨同士を繋いでいます。
Q.膝靱帯損傷の原因は?
靱帯損傷の原因は主に3つに分けられます。
①.反対方向からの衝撃
サッカーやラグビーなどのコンタクトスポーツで多いのが、相手が膝にぶつかるケースです。
例:フェイントやタックル時に相手とぶつかる
靱帯は強い連結作用を持っていますが、
強い衝撃が加わることで耐えられなくなることがあります。
例えば、相手が後方からぶつかれば前十字靭帯が、
外から膝が入れば内側側副靱帯を損傷するなど、
どの方向でも起こりうる可能性が考えられます。
また、交通事故による靱帯損傷もこのケースが多いです。
②.膝の捻り
靱帯の役割に、「膝の捻りを防ぐ」働きがあります。
ある程度の捻りであれば靱帯によって
動きを制御してくれますが、
膝の可動域を大きく超えると靱帯が傷つきます。
例:膝のポジションが残った状態で急な方向転換をする
地面を踏み込んだときに正面から膝が逃げる
膝が真っ直ぐ入っていれば、
靱帯損傷を起こす可能性は低くなります。
しかし、上記の例に挙げたような、
本来動く向きと別の方向を向いていると、
靱帯を大きく捻る可能性が出てきます。
結果として、様々な靱帯を損傷することが考えられます。
③.着地の衝撃
ある程度の衝撃であれば、
人体の構造で衝撃を逃がすことができます。
しかし、許容範囲を超えた衝撃の場合は
膝に大きな負担がかかるため、
靱帯のストッパー機能が壊れてしまいます。
また、
②の膝の捻りと似たような損傷をすることもあります。
ジャンプからの着地時に膝を捻った状態で着地をすれば、
もちろん靱帯を捻って損傷します。
★膝のアライメント異常
①〜③の原因の大元をたどると、
そもそもアライメントがズレている可能性も
十分に考えられます。
動きの中で膝の向きがズレることは十分に考えられるため、スポーツ中の動きを注意すれば
靱帯損傷は防げると考える人もいるでしょう。
しかし、体の状態が間違っていれば、
間違った動きをするのは目に見えています。
大半の靱帯損傷は、
「①〜③+アライメント異常」によって
引き起こされると考えられます。
例:O脚(ニーアウト)・X脚(ニーイン)
足首のプロネーションなど
今回はざっくりと膝の靱帯について話をしていきました。
膝のケガはよく、復帰に時間がかかると言われていますが、その理由に、膝の構造が複雑な点が挙げられます。
柔軟に動く関節だからこそ、
一度構造が崩れると障害も大きく、
再構成にも時間を要します。
次回は、
靱帯損傷の症状・損傷の程度を判断する方法を
ご紹介していきます。
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