小学校6年生と中学校3年生を対象に、
文部科学省国立教育政策研究所が
国語と算数のテストを行い調査したものです。
「国立教育政策研究所」の公式HPはこちら
http://www.nier.go.jp/13chousakekkahoukoku/
各種新聞でも取り上げられましたので
結果をご存じの方も多いかと思いますが、
上記のHPからも結果やポイントをご覧いただけます。
公式の報告書では
「全体的な状況」
「話すこと・聞くこと」
「書くこと」
「読むこと」
「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」
という5つの視点から、国語の課題
つまり問題点が指摘されています。
その中でも「全体的な状況」で挙げられていて
特に問題視されている課題を要約して
以下に列記しました。
【小学生・国語の課題点】
・漢字の書きとり
・句点の使い方
・自分の意見を書くこと
・主語と述語との関係や接続語の役割を押さえながら文を分析的に捉えること
【中学生・国語の課題点】
・話し合いの方向性を捉えて話すこと
・自分の考えを持つこと
・伝えたい事柄を明確にして書くこと
・根拠を明確にして自分の考えを書くこと
この分析結果をご覧になって、
どう思いますか?
テストの答えはいつも1つに決まっていて、
試験のためには答えさえ合っていれば解答の根拠なんてどうでもいい。
たまに自分の意見を聞かれて答えても、
大した添削や指導もなく
「そういう意見もあるね」で終わる。
書いた内容を評価されるチャンスが少ない。
大人に「なんで?」と訊いても「うるさい」「そういうもんなの」と返される。
そういう環境で育てば、
考える力がある小学生なんて育ちません。
運よく勉強をやる気がある子に育っても
『考えるだけ無駄、答えをみて覚えればいいじゃん』
というインスタント学習に流れやすくなります。
そして、小学生のときに考える基礎ができていなければ
中学生になって自分の意見が持てないのは当たり前。
私はそう思います。
子どもたちは悪くないんです。
現場の先生たちも頑張っていらっしゃると思います。
でもノウハウがまだ確立していないからみんな悩むんです。
私も日々、どうやったら生徒自身が考える喜びに出会えるか
考えて続けています。
どうやったら子どもの考える力を伸ばせるか。
今、私が抱いているその答えは
『知識や思考をリードしてくれる大人とたくさん会話をする』
ということです。
大人との真剣な会話が、
お子さんの考える力を引き出します。
以心伝心では伝わらないもどかしさが
お子さんの会話力を伸ばします。
単語の羅列では伝わらない環境が
お子さんの文章力を磨きます。
ではその会話の相手は誰がいいのでしょう。
もちろんプロの国語教師であれば
お子さんの思考を引き出す会話を心得ているはずですから最適です。
家族ほど親しくないので、きちんと話をしなければいけないというほどよい緊張感があるのもいいですね。
ただ、学校の先生を独り占めすることはできませんので、
家庭教師やネット授業、個別指導の塾などで
補うのもひとつの方法です。
また、地域のイベントなどで、大人にまじって作業や仕事をするのもとてもいいと思います。
普段話をしない大人の指示をよくきき、
自分の意志を伝えなくてはいけない環境はありがたいものです。
そういう意味では、言葉遣いのきれいな先生のもとで
習い事をするのもいいですね。
(茶道教室や料理教室であれば、
マナーや生活力も磨けて一石三鳥?!)
そして忘れてはいけないのが、ご家族。
「携帯を持ちたい」「友達とディズニーに行きたい」
お子さんがそう言いだしたときが、
ご家庭での国語教育のチャンスです。
「どうして?」
「それは○○だからダメ」
「代替案はどういうものがあるの?」
「どういう条件で考えてるの?」
「さっき私が言ったのはそういう意味じゃないよね。」
「私が賛成(反対)する理由は分かる?」
お子さんとしっかり内容のある議論をして、
相手の意見を聞き、論理的に考え、
相手に伝える力を育てていきましょう。
(我が家の娘は現在1歳3カ月。
少しずつ言葉といたずらを覚えてきたので、
ダメと叱る機会も出てきました。
そんなときは、必ず「ダメ、○○だから」と
一言理由をつけるようにしています。
まだまだチビちゃんですが、
理由を考えるクセをつけてあげられたらと思っています。
結果は…10年後?でしょうか。お楽しみに

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