流産から数日経ち、心身ともに落ち着いた頃。
リビングのキャビネットに積んであった、役所からもらった妊娠おめでとうグッズが目に入る。
妊娠中に気をつけることとか、出産後のサポートとかの書類が色々セットになってて、母子手帳と一緒にもらったもの。
母子手帳もエコー写真も、そういえばケースに入れたままだなぁ…とふと思い出した。
そして思った。
はて…母子手帳はどうしたらいいのだろう。。。
流産届みたいなものがあるのか?
妊娠届出したまんまだけど、大丈夫?
ネットで調べたけど、調べ方が良くないのか、知りたい情報はヒットせず。
母子手を帳貰った窓口に電話してみた。
「年末に母子手帳をもらったんですけど、妊娠継続できなくて流産しちゃって…何か申請って必要なんでしょうか?」
電話口に出たのは女性だった。
「そうだったんですね…わざわざご連絡ありがとうございます」と、声のトーンも落ちてた。
そりゃそうよね。
見ず知らずの女とはいえ、流産しちゃってーって電話がきて、明るく対応できないわな。
何か申し訳ない…笑
結局は、特に申請も要らないし、母子手帳の返却も不要。
処分しても、持っててもいいですよ~とのこと。
「とにかくお身体を大事になさってくださいね」
そう気遣ってくれて、電話終了。
何か、いい人だった。
妊娠は継続できなかったけど、
数日ぶりに母子手帳やエコー写真を見ても、悲しくなったり、また泣いちゃったりってことはなくて。
自分の中で、ちゃんと消化できたんだなって思った。
かといって、何かすぐに捨てる気にもなれず…
書類一式と、初めてのたまごクラブと、マタニティマークと、産院からの「妊娠おめでとう!」書類を全部紙袋に突っ込んで、戸棚にしまった。
母子手帳もエコー写真も、全部。
旦那さんにも、この件を報告。
「一応、捨てずにしまっておいたよ」と。
旦那さんも、捨てる必要ないだろ~派だったので、問題なかった。
初めての妊婦検診で稽留流産と分かったので、私たちの初めての母子手帳は、表紙に母親(私)の名前を書いただけだった。
中は何も書かれることなく、使われることなく、要らなくなってしまった。
使った跡が全くない。
赤ちゃんの成長記録もない。
でも、「母子手帳」というものをもらう初体験と、もらえた喜びの思い出は残ってて。
そう思うと、ちょっとしんみりしちゃうけど。
でも、そんな経験ができたことに、今は素直に感謝してる。
私も旦那さんも風疹の予防接種を受け、次の妊娠に向けて、気持ちは前を向いていて、
流産したことも、
次の妊娠のことも、
二人で普通に話題にできるし、
そういう自分も、そういう旦那さんも、いいなーって思ってて。
思っていたよりも早く立ち直れたのは、
やっぱり、
病院の皆さんが寄り添ってくれたり、
友達が笑わせてくれたり、
何より、旦那さんが愛情で埋めてくれたからだと思う。
とことん落ち込んで、悲しんで、泣いて、
そしてそんな自分を、自分で受け入れた。
神社に行きたい!って思い立って、近所の神社に行ってみたり。
したいことして、食べたいもの食べて、自分を癒した。
それが良かったのかなぁ。
あとは、悲しみ以上の痛みの記憶(笑)
私の母子手帳には、そんな思いと、思い出が詰まっている。