外来

Eさん30代女性


不眠、情緒不安定を訴え通院を始めたのが2年前。

女性の多い職場で、上司、部下が次々に産休育休に入り、人手不足のなか独身のEさんへの負担が大きくなりました。

育休に入る先輩たちの配慮のない言葉にも胸を痛めていました。

プライベートで恋人とうまくいかず、母親が厳しいこともストレスでした。


昨年末、Eさんの精神状態が悲鳴をあげているように感じたので、休職を強く勧めました。

でも、責任感の強いEさんは、人手が少ないのに休むことはできない、と拒否しました。

お母さんに何を言われるかわからないという恐れもありました。


そこで、上司や母親にも経過を説明し納得してもらいました。


やっと休職に応じてくれたEさん。


「休職中はとにかく遠慮せず好きなことをしてください」とお伝えしました。


2カ月後、Eさんは元気を取り戻し笑顔が多くなりました。 

休職中に、私が主催する講演会にも参加してくださり、それを機に自分が本当にしたかった仕事に気づいたそうです。

なんと、その仕事をするために大学教授とコンタクトをとり、今の仕事をしながら大学院に通って勉強することになりました。


復職にあたっては、産業医としてのノウハウを活かし上司に丁寧な説明をしたことで、事業所側もEさんも安心して復職を進めることができたそうです。


「先生に言われたように、全ては今の自分になるために起きたことだと思えます。母も応援してくれるようになり、いろんなことを話すことができています」

とのこと。


Eさんは今次の夢に向かって充実した毎日を送っています。

ちなみに、うまくいっていなかった恋人と別れスッキリしたとのこと。


今回は、心療内科的なサポートだけでなく産業医的な支援(事業所や上司への支援)をして、母親や上司に理解してもらえたことが大きかったと思います。

メンタル不調から回復するには、職場や家族の理解があることが大事ですね。


Eさんもそろそろ卒院です。


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カフェに飾られていた青い薔薇。

青いインクを吸わせた薔薇なのだそうです。

神秘的!