梶間和歌の堀河百首チャレンジ「秋」 | わたる風よりにほふマルボロ

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短歌往来2023年9月号

作品が掲載されました

nagarami@jasmine.ocn.ne.jp

(ながらみ書房さま)

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及ばぬ高き姿を追へ。

新古今見ざる歌詠みは

遺恨のことなり。

 

ごきげんよう、梶間和歌です。


 

「堀河百首」100題で

100首詠むチャレンジ企画。

 

こちらを走らせて1年半と少し、

まだ半分近く題が残っていますが、

 

ひとまず昨年のあいだに

全体の半分以上は終えられたことに

ほっとしております。

 

初年の一昨年は、途中ですっかり

止まってしまっていましたからね。

 

 

 

こうした百首詠を

1ヶ月とか数週とかの短期間で

詠み上げてしまう

定家くんをはじめとした

中世の歌人たちへの尊敬の念は

 

自分がこの試みを始めてから

いっそう増しております。

 

 

式子内親王なんて、

 

乳がんと思われる病で亡くなる

約半年前に

百首歌を詠めとの呼び掛けがあり、

1ヶ月半以上掛かって

100首詠んだことについて

 

山崎(桂子:梶間注)氏も「詠作所要日数が長い気がする」とは言われるが、

式子が病気であったことを考えれば「問題とするにはあたるまい」(山崎氏)と思われる。

 

ちなみに定家は下命から詠進まで十五、六日かかっている。

 

と言われており、

 

 

待って、病気でなければ100首を詠むのに1ヶ月半は日数が掛かりすぎと見なされるのですね、

 

 

ということで

中世歌人たちの常識と力量に

改めて驚くばかりです。

 

 

 

もともと敬意を持っていたつもり、

尊敬していたつもりのことでも、

 

実際やってみたり

やれるようになったりしてから

振り返ると

 

「内実が何もわからぬまま、

 表面的、自己満足的に尊敬していた

 だけだったなあ」

 

と理解できる、

ということはよくありますね。

 

 

私の場合、和歌理解もそうですが、

それ以外だとガテンのアルバイトで

そのおもいを強くしたことがありました。

 

 

10年くらい前、生活苦から

システム施工という仕事に

就いたのですが、

 

図面を見ただけでぱっと組めたり

足りない部材をほかで補ったり

できる上司や先輩のことを

 

初めから、

かっこいいな、すごいな、

と思っていたものです。

 

 

しかしながら、

自分がそうした知識や技術を得て

チームの二番手に充てられたり

後輩を見たりする立場になるにつれ

 

「あのころの尊敬は、おままごとだった」

「あの人たちのしていたことは

 本当にすごいことだった。

 私は足元にも及ばない」

「初心者だった私の『すごい』など

 何ほどの意味もなかったのだ」


と痛感するようになるのでした。

 

 

 

そういう意味で、私は昔から

「初心忘るべからず」

という言葉について懐疑的な立場です。

 

 

その道を進んで数年、数十年経っても

立ち返るべき初心なのだとしたら、

 

その人は初めから

よほどたいそうな精神を持っていたか

 

その数年、数十年で

まったく成長していないか

 

どちらかだと思うのですが……、

 

 

皆、そんなたいそうな人格者である

前提なの?

 

世界観が理想主義的すぎません?

 

 

 

年末の振り返り記事にも書きましたが、

 

 

例えば

和歌でも、絵画でも音楽でも何でも、

その作品に本当に力があれば、

 

受け手に知識がなくとも

「す、すごい」ぐらいの感想を

抱かせることはできる。

 

 

しかし、

 

それが本当に、どういう意味で、

すごいのか、

 

ということを踏まえたうえでの

感動や尊敬は

 

それなりの知識がなければ

抱き得ないもので。

 

 

すべてのことに対して

というのはキャパを考えても無理ですが、

 

きちんと感動、尊敬するためにも

これぞということについては

時間を使い意識を向けて知識を蓄え、

心を鍛えていたいものです。

 

 

 

さて、さて。

そのようにして「堀河百首」題で

これまで「春」「夏」で詠み、

それぞれ5首ずつご紹介してきましたが、

 

このたび

「秋」も全20題詠み終えましたので、

こちらでは「秋」の20首から

5首抄出してご披露しますね。

 

 

 

お好みの歌はありましたでしょうか。

 

 

これらの題を知りたい、

ルビ付きで読みたい、

またほかの15首を読んでみたい、

という場合は

 

「堀河百首」題 秋の記事のほうで

お楽しみくださいませ。

 

 

 

 

梶間和歌の堀河百首チャレンジ

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(こちらはすべて無料公開記事になります)

 

 

長旅になりますが、

完走までどうぞお付き合いくださいませ。

 

 

 

 

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いつも応援、また金銭的なご支援も

本当にありがとうございます。

 

 

最近、

「経済的に苦しいので助けてください」

というのも少し違うな、

という気がしてきました。

 

いえ、アルバイトを週2勤務に減らし

そちらでの収入が月に4万円前後、

特に年末年始や8月などの閑散期は

1ヶ月現場がないこともありますし、

経済的に苦しいのは事実です。

 

ただ、

「和歌さんが困っているから助ける」

という形をお願いし続けるのが

私のめざす方向と

ずれ始めている気がしていて。

 

 

かといって、

「和歌さんを経済的に支援すれば

 自分にこれだけのメリットがある」

と、ビジネス的にわかりやすい形に

誘導するのも違う。

 

 

まだうまく言語化できていませんが、

 

「和歌さんを経済的に(も)応援することが

 人類のためであり、自分の喜びでもある」

という動機で、

 

善なる行為としての確信をもって

お金を預けていただくことができたら、

それが現在の私の望む形に

近いような気がしています。

 

 

「今後とも

それぞれの及ばぬ高き姿を

それぞれの役割とペースで

追ってゆきましょうね。

 

私は和歌において、

あなたはあなたの領分で」

 

と訴え続けてきたこれを

改めて、もっと純粋に、訴えたいな、と。

 

 

また改めて文章化しますね。

 

それまでも、これからも、

梶間和歌にいっそう和歌仕事に

集中させるべく、

応援よろしくお願いいたします。

 

それでは、またね。

 

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