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note記事・マガジンにて販売中。
短歌往来2022年8月号に
作品が掲載されました。
nagarami@jasmine.ocn.ne.jp
03-3234-2926
(ながらみ書房さま)
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及ばぬ高き姿を追へ。
新古今見ざる歌詠みは
遺恨のことなり。
ごきげんよう、梶間和歌です。
先月、今月の
「三鷹駅前のびのび句会」
発表作をこちらでもシェアします。
今月の句会は
井の頭公園での吟行会でした。
ふだんとは違った楽しみがあり
新鮮でしたよ。
2023年3月回のレビューツイート
事前句
— 梶間和歌 (@WakaKajima) March 10, 2023
スリングに青海波(せいがいは)抱(だ)く春のひと 特選1票、並選1票
母といふ概念を抱(だ)く春嵐 1票
駅前でティッシュ受け取る春うらら 1票
風に梅美容師の子にLINEせむ
席題「一歩」
春一番GODIVAを抱(かか)へ踏(ふ)み出(い)でつ#三鷹駅前のびのび句会 2023/3
青海波に票の入ったのが一番うれしかったです。
— 梶間和歌 (@WakaKajima) March 10, 2023
2023年4月回のレビューツイート
#三鷹駅前のびのび句会 2023/4 井の頭公園吟行会
— 梶間和歌 (@WakaKajima) April 6, 2023
花筏(はないかだ)漕ぎゆく舟の跡はなく
風光る社(やしろ)の裏の地蔵様 平選2票
弁天に夫(つま)を押し付け遅ざくら
ウエストを春に戻してミモレ丈
鈍色(にびいろ)の池のさゞなみ花曇り 平選2票
「花筏」は宮内卿「漕ぎ行く舟の跡見ゆるまで」を踏まえて。
— 梶間和歌 (@WakaKajima) April 6, 2023
「遅ざくら」は「ええ!? その恋愛エピソードをぜひ今日の吟行会と絡めて……」とリクエスト頂いて詠んだものの、
ひねりすぎたかな、票が入りませんでした。
「花曇り」は、「鈍色」という語の選択が評価されました。うれしい。
少人数の吟行会、楽しいですね。
— 梶間和歌 (@WakaKajima) April 6, 2023
(ほぼ)全員が同じ景を共有している前提が出来ており、出された句をただ読むだけでない楽しさがありました。
後鳥羽院の愛した歌のありようも、こういう形だったのかもしれない。
私は、それでも、場に左右されず作品そのものを評価したい定家派ですが。
惣じて彼(かの)卿が歌存知の趣、いさゝかも事により折によるといふことなし。
先年大内の花のさかり、むかしの春の面影思ひ出(いで)られて、忍(しのび)てかの木のもとにて、男ども歌つかうまつりしに、定家左近中将にて詠じていはく、
としをへて行幸になるゝ花のかげふりぬる身をもあはれとや思ふ
左近次将として廿年にをよびき。述懐の心もやさしく見えしうへ、ことがらも希代の勝事にてありき。尤(もつとも)自讃すべき歌とみえき。
先達共も、必(かならず)歌の善悪にはよらず、ことがらもやさしくおもしろくも有(ある)やうなる歌をば必自讃歌とす。
定家がこの歌よみたりし日、大内より硯のはこのふたに庭の花をとり入(いれ)て、中御門摂政のもとへつかはしたりしに、さそはれぬ人のためにや残りけむと返歌せられしは、あながちに歌のいみじきにてはなかりしかども、新古今に申入て、このたびの撰集のわが歌には、是詮なりとて、度々自讃し申されけりと聞侍りき。
昔よりかくこそおもひならはしたれ、歌いかにいみじけれども、異様のふるまひしてよみたる恋の歌などは、勅撰うけ給(たまひ)たる人のもとへをくる事なし。これらの故実しらぬものやはある。
されども左近の桜の歌うけられぬよし、たびたび歌評定の座にて申き。
『後鳥羽院御口伝』より
(仮名遣いの誤りも
底本どおりにされたそうです。
「をよび」「をくり」は
正しくは「および」「おくり」ですね)
吟行会の楽しさを踏まえて
句を選び評をする際、
後鳥羽院の定家評のこの箇所が
よぎりました。
私は、和歌に対しては基本的に
後鳥羽院でなく定家派、
“いさゝかも
事により折によるといふこと
な”い姿勢で臨んでいます。
「気持ちはわかりますが、
気持ちに甘えてはいけません」
「あなたが悲しいからといって、
読者が下駄を履かせて
読んでくれるものではありません」
など、
厳しすぎて嫌になる人も
いるだろうな
と自分でも思われてしまう
添削の言葉などに
その思想がよく表れています。
ただ、俳句に関しては
向かう姿勢が歌に対するそれより
柔らかいと言いましょうか、
少しおおらかでいられる
と言いましょうか、
“必歌の善悪にはよらず、
ことがらもやさしくおもしろくも
有やうなる歌をば
必自讃歌と”し、また評価するのも
わからないではないかもしれない、
と今回思いました。
もちろん、そのなかでも
明らかに文法の誤っていた句
については
「採りたかったけれど、
接続ミスが無視できず除外した」
「迷ったけれど、
この形容詞はないと思ったので
採らなかった」
としましたけれど。
それでも、気心知れた数人で
たったいま見てきた同じ景を
ある人はこう切り取ったのか、
ある人はこんなふうに表したのか、
と句に発見する楽しさは新鮮。
もしかすると、私が
和歌にのみ向き合うなかでは
一生経験できないものだった
かもしれませんね。
俳句という、
良くも悪くも“趣味”という距離感の
ものだったからこそか、と思います。
いつも応援、
また金銭的なご支援も
本当にありがとうございます。
金銭面の懸念された引っ越しも
なんとか終え1年強、おかげさまで
無事生活できております。
アルバイトのほうで
労働災害がありまして、
いったん自費(カード不可)で
診てもらったのち
手続きを経て返金、
というピンチもありましたが
(自費で払える余剰の現金などない! )、
それも読者様からの応援で
乗り切ることができました。
見守ってくださるすべての方に
感謝しつつ、
貴重なお金を使って
ご寄付、お見舞い、また
誕生日祝いや引っ越し祝いを
下さいました方々に
特に厚く御礼申し上げます。
今後とも
それぞれの及ばぬ高き姿を
それぞれの役割とペースで
追ってゆきましょうね。
私は和歌において、
あなたはあなたの領分で。
梶間和歌にいっそう和歌仕事に
集中させるべく、引き続き
応援よろしくお願いいたします。
それでは、またね。
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生活費のご寄付を募っております。
アルバイトは現在閑散期、
読者の皆様のご支援が
とても心強いこのごろです。
繁忙期の睡眠時間確保のための
引っ越しも
次の更新までに望んでいましたが、
最近それも諦め、
引っ越し貯金を生活費のほうに
回しています。
あなたの応援が
私の和歌仕事の質を
担保し、向上させます。
あくまでご無理のない範囲でですが、
ご支援のご検討をお願いしたく。
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