短歌往来2022年8月号寄稿13首 「波に揉まれて」【前編】 | わたる風よりにほふマルボロ

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美しい和歌に触れていただきたく。

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梶間和歌歌集『生殖の海』
 
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短歌往来2022年8月号寄稿

13首
「波に揉まれて」

 

梶間和歌

 

 

 

睡眠を捨てゝ仕上げた顔をもて男の波に今朝も飛び込む

 

八分間目を閉ぢ揺られ過ぐしつるゆりかもめを背に見はるかす海

 

ガチャベルトにラチェットレンチ(ラチェ)を仕込みて(むか)ひたりたゞ広いだけの南ホールに

 

どの瞬間「展示会場」となるものかこゝは潮風吹きかよふ場所

 

確実に組めば組まるゝ基礎(かべ)を振りあふぎ拭ふ顎の玉みづ

 

この波に交じる孤独を引き受けよ娑婆に紛れぬ我れはをんなだ

 

えゝこゝで媚びるをんなは疎まれて去るの五尺脚立(ゴシャク)の小回りのよさ

 

二千百ミリメートルH壁(ニイヽチ)三メートルビーム(さんメーター)を外すにも爪先立ちにならず男は

 

伝ふ汗を払ふ易さに取り替へて布ナプキンを一瞥し折る

 

男より雄々しくラチェを繰りし人は見えずなりたり母となりけり

 

女子だからなどゝ言はれぬこの場所に子を産みしそは見たこともない

 

定位置にけふも提げたるラチェを友に間配(まくば)られたる部材をつかむ

 

潮風に馴れて久しき肉体のなかにありてふ海しづかなり

 

 

 

もともとは別の機会のために

編んでいた15首詠を

削り、組み直し、推敲して

完成させました。

 

また明日少し書きますね。

 

 

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「梶間和歌の作品の載った

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とぜひ添えてご注文くださいね。

 

 

この記事の【後編】

 

 

 

いつも応援、

また金銭的なご支援も

本当にありがとうございます。

 

金銭面の懸念された引っ越しも

なんとか終え

もうすぐ1年になりますが、

おかげさまで

無事生活できております。

 

見守ってくださるすべての方に

感謝しつつ、

貴重なお金を使って

ご寄付、また引っ越し祝いを

下さいました方には

特に厚く御礼申し上げます。

 

 

今後とも

それぞれの及ばぬ高き姿を

それぞれの役割とペースで

追ってゆきましょうね。

 

私は和歌において、

あなたはあなたの領分で。

 

 

梶間和歌にいっそう和歌仕事に

集中させるべく、引き続き

応援よろしくお願いいたします。

 

 

 

それでは、またね。

 

 

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