京極為子 葉がへせぬ【後編】 | わたる風よりにほふマルボロ

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現代短歌新聞2021年4月号

作品掲載

 

new「源氏で紡ぐ和歌便り」

2021年10月分掲載new

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寒樹をよみ侍りける
 
葉がへせぬ色しもさびし冬ふかき霜の朝けの岡のべの松
 
京極為子
玉葉和歌集冬900(901)
 
 

訳や語釈、これまでの解説は
昨日の記事

お読みくださいね。

 

 

 
歌語や技法的な約束事に
縛られるな、
心に感じたものごとを
最も適切な言葉で歌にせよ、
 
という為兼歌論を核とするのが
京極派和歌。
 
結果的に、
京極派の特に四季の歌には
 
着想に前例のない
ないし少ないものや、
発見の驚きや喜びを
表した例、もまま見られます。
 
この「葉がへせぬ」も、
そもそも伝統的、二条派的な
約束事自体を知らない
我々現代人には
「ふむ、なるほど」としか
思われないかもしれませんが、
 
葉がへせぬ色“しも”
 さびし」いのだという発見を
感情を抑制して描いた歌である、
と読むと
いのではないでしょうか。
 
 
京極為子は為兼の姉であり、
前期京極派の主要歌人の
ひとりでもあります。
 
 
 
為兼歌論の主張は
伝統的な約束事に「縛られるな」
というものなので、
 
伝統的な約束事を用いたほうが
その心の忠実な表現に
利する場合は、
それらを使うことも禁じません。
 
その場合、
“縛られ”てはいませんからね。
必要に応じてそれらを使っただけ。
 
 
ということを踏まえ、
 
この「葉がへせぬ」の詠歌に
直接影響があったかどうか
わかりませんが、
 
緑と白の衝突という切り取り方は、
後鳥羽院の春の歌に
先例があるのを
思い出しました。
 
ほかにもあるかしら。
 
「葉がへせぬ」から
まず私の連想したのが
後鳥羽院の「鶯の」でしたので、
念のため触れておきましたが。
 
 
葉がへせぬ色しもさびし冬ふかき霜の朝けの岡のべの松
 
 
この記事の【前編】

 

 

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